第83話 ミステリアス・ガール
その後、何事もなかったかのように、というよりは禁忌に触れないようにと言った方が正しいだろうか、自己紹介が再開された。
「えー、生徒におなじみ、生徒会長の清波 麗華です。なんとしてもSeReKaを正式同好会にさせないよう頑張ります。」
「えー、松山です。え、あの、私も彼女と同じ気持ちです。とにかく頑張ります。」
とくに言うことが思いつかなかったので、麗華の自己紹介を雑に借りる形になった。勝手に借りられた麗華だが少し嬉しそうだった。そして自己紹介は最後の1人まで回ってきた。が、
「・・・。」
「・・・あの~」
流れを気にせず、自己紹介をせず黙ったままの自軍3人目のメンバーである謎の女子生徒に松山が声をかける。
「自己紹介、君の番だよ?」
「・・・。」
声をかけられて松山の方を見た女子生徒は、ハァとため息を1つ、そしてその重い口を渋々といった感じに開いた。
「・・・神代が丘高校2年、天羽天斬 刹那・・・。よろしく・・・。」
最低限の自己紹介をして、口を再び固く閉ざす。
なんか色々ツッコミたい点はあるけど、松山は諦めた。なんで他校の生徒がここにいるのか、その名前本名なのかとか、煽るように畳みかけてくる刺客たちに一切触れず、松山はただ黙っていた。
「では、自己紹介も終わったところで、早速第1試合の競技を決めていきましょう・・・」
自己紹介というか事故紹介だったような気もするが、気にしない。・・・ん、競技を決める?
「第1試合の候補競技はこちら!!」
そう言って英知は、4つの大きめのカードを取り出し、全員に見えるように空に向けて掲げる。
第1試合候補
・修羅の道!疾走六千六百寸
・攻撃は最大の防御!Battle of Attack
・君の声が聞こえる
・Twitter炎上バトル!
カードにはそれぞれそう書かれていたが、何一つとして競技内容を理解することはできなかった。
「これらはそれぞれのチームから2つずつ募った競技でございます。」
え、なにそれ初耳なんですけど。おいこらふざけんないつの間にそんなこと、聞いてないぞ。というか麗華か天羽天斬 刹那さんがあの4つの中の2つの競技を考えたって事?そうなると、どのみちお互いヤバい奴らしかいなくない?
頼む、そろそろ・・・そろそろ一区切りついてくれ!いい加減、状況を整理させてくれ!!!
「・・・これらを裏返し、その中からカードを1枚選び、そのカードに書かれていた競技が第1試合の競技となります。」
無情にも休む暇なく話は進んでいく。それはまるでセンター試験の英語のリスニングのように残酷だった。
「では、各チームから代表者の方、カードの選択権を賭けてジャンケンしてもらいます。どうぞ前の方に。」
やれやれと、心からどうでもよさそうに、松山は前に出る。すると周りから異質な視線を感じた。
「・・・え、なに?」
分からないまま困惑していると、天羽天斬 刹那さんが不機嫌そうに前に出てきた。
「・・・おい、代表者は私だぞ。」




