表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギルティ エリート  作者: 明日原 たくみ
Chapter1 その男、容疑者につき。
6/109

第5話 罪を重ねる覚悟

 ありがたいことに、俺は「松山先生」と間違われるほどの何かがあるようだ。容姿が似ているとか。それを利用して、とりあえず今は「松山先生」とやらになりきる必要がある。松山先生の情報としては、村雨学院高校に赴任するエリート、ということくらいしかわからない。しかしやるしかない。ここで逃げてしまえば怪しまれるし、最悪の場合逮捕されるかもしれない・・・

 

 複数の空き巣・人殺し・なりすまし、これらの罪が世に知れることとなれば、一体どれほど重い罪に問われるのだろう。



「それじゃあ松山先生、そろそろホームルーム始まっちゃいますから、行きましょうか。」



 シズクがミツルの手を引く。ホームルーム・・・。なんだろう、とても嫌な予感がする。



「えっ、ああ、そうだな。それでは瑠美先生、ごきげんよう。」



 エリートっぽく喋ってみたが、違和感が否めない。



「そうね、ごきげんよう松山先生。赴任してきたばかりで不安でしょうけど、わからないことがあれば保健室に来てくださいねぇ?」



 赴任してきたばかり、というのはなかなかいい状況だ。わからないことがあっても、「赴任してきたばかり」を利用して誤魔化せばいいのだから。

 



 しかし、このシズク。先ほどホームルームが始まると言ったな。まさか松山先生は、「クラスの担任」なのか・・・?いやいや、それはない。いま5月だぞ?新学期始まって一ヵ月余りだというのに、もう担任が変わるなんて聞いたことねぇぞ。どんだけ情緒不安定な高校なんだよ。やめてくれよ担任なんて!

 

 担任とはすなわち、一つのクラスの統治者である。ということは必然的に、クラスの管理をし、色々な業務をこなし、骨が折れるまで労働しなければならない悪夢のようなジョブ。そして、いじめとか起きたらちゃんと処理しないといけないし、もし気づかなかったら文句言われるし。もうなにが楽しくてクラスの担任なんて・・・



「・・・せい、松山先生!ほら、ボサっとしてないで行きますよ!」



 いろいろ考えているうちに、いつの間にか廊下に出ていた。まだシズクが手を引っ張っている。

・・・まことに悪くない。



「金森君は、2年何組なんだい?」

「シズクでいいです。私は四組ですよ。」

「あぁ、そうか。」

「で、俺は君たちの担任を?」



 危ない賭けだが聞いてみた。



「えっ、何言ってるんですか?だから連れてきているんじゃないですか。」



 嫌な予感は的中した。そうか、松山先生は村雨学院高校の2年4組の担任として赴任してきたのか。厄介だな。まぁいいだろう。俺は松山、俺は松山先生だ、自信を持て、がんばれ松山!



 ミツルはかつてないほどのやる気に満ちていた。なにより罪状が「なりすまし」だからな。生半可な気持ちでやってたら死んでしまう。無免許で教卓に立つのだから、バレたら人生終わるだろうし。とりあえず矛盾のない言動を心掛けなければ。


 しかし、ミツルは次のシズクの言葉に青ざめることになる。



「ところで先生、インフルエンザはもう大丈夫なんですか?」



感染したことがないから、インフルエンザの辛さは分からない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ