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ギルティ エリート  作者: 明日原 たくみ
Chapter3 人殺しなんて、死ねばいい。
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第40話 仁義なき血

 ミツルは黒沢たちに真実を話した。昨日、クレイジーデッドの連中に清波英知が誘拐されたこと。彼らに強い殺意があり、ミツルと英知が殺されそうになったこと。保身のつもりが、過剰防衛になってしまったこと。それら諸々のことを正直に話した。



「・・・そうか、そうだったか。やはり原因はこちらにあったか。」



 ミツルの話を聞き終えた黒沢は、悟ったようにつぶやいた。



「高校の教師に後輩が重傷を負わされ、クレイジーデッドが壊滅させられたと聞いたもんでな。てっきりどこぞやの反社会的勢力に内通する危ない教師が校内に居座っているのかと思って、この件の主犯と思われるアンタを呼んだのだが、まさかただの生徒思いの高校教師だったとはな。アンタはなかなか勇気のある素晴らしい教師だよ。」



 黒沢はミツルを軽く賞賛しながら、少し微笑んだ。ただの生徒思いの高校教師であると断定されて、ちょっと嬉しかったが、残念ながらそれは全くの間違いだ。彼はただの人殺しなのだから。



「原因は俺たちで、生徒を守るために高校教師が過剰防衛をしてしまっただけ。そうと分かればアンタに落とし前をつけるなんてナンセンスだ。バカな行動起こした現役のアイツらが悪いんだからな。松山先生、腹は大丈夫かい?」



 そう言って、黒沢はミツルの負傷部の心配をしてくれた。大丈夫なわけがない。思い切り鉄球を当てられたんだぞ。今はもう笑い話か。

 なんだか和解できそうな雰囲気が漂いはじめた。が、しかし。



「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!黒沢さん!アンタこの男を許すんですかい!?」



 軍勢の中の1人が大声で叫んだ。和解できそうな雰囲気は、また殺伐とした雰囲気へと豹変してしまう。



「許すもなにも、悪いのは俺たちだ。いかれた愉快犯でもなんでもねぇ。こいつはただのまっとうな教師だよ。そんな人間に鉄球投げつけてるだけでも罪深いのに、これ以上何をしようってんだ。」


「だからって、そいつが俺たちの仲間を傷つけたことには変わりねぇじゃないっすか!!」

「そうだそうだ!そんなやつやっちまえばいいんですよ!」



 穏和な黒沢と、松山を許そうとしないクレイジーデッドたちの言い争いが続く。やれメンツの問題だ、やれ仇だと訴えるクレイジーデッドに対して、人情に従ってミツルを守ろうとする黒沢。言い争いは次第に白熱していく。



「・・・ったくお前ら、俺が卒業してから変わっちまったよ。理不尽で喧嘩っ早いただのクズみてぇな連中になっちまったよ。」


「違う!アンタが卒業してからが本当のクレイジーデッドだったんだ!俺たちみたいな人間には力しかないんだ!力こそ全てなんだ!それが俺たちの存在意義なんだ!」


「言っても分からねぇバカばっかりだな・・・」



 なんという正論であろうか。ミツルも同じように思っていた。本当に頭が悪いというか、可哀想なやつらというか。黒沢と彼らとでは、月とすっぽんの差があるように思われる。



 しかし、この黒沢の的を射た辛辣なる正論が、新たなる悲劇を生むことになる。



「お前らさっさと散れ!てめぇらにクレイジーデッドの名前背負う資格は無・・・」



 黒沢の台詞が途中で途切れると同時に、再び鈍い音がした。ミツルはしっかりと目撃していた。黒沢の後頭部に、鉄球が直撃した瞬間を。

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