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ギルティ エリート  作者: 明日原 たくみ
Chapter2 嗚呼、素晴らしき(偽りの)高校教師生活
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第28話 コーリンベイベー

「どこにもいない・・・」



 とち狂った清波を捜索すること1時間。最寄りの樹海にも行ってみたが清波の姿はなかった。本当に自殺するとは思ってはいないのだけれど、情緒の不安定さと、メイドの証言がその可能性を格段に増大させている。



 あの野郎・・・絶対に見つけてやる。自殺なんてさせねぇぞ。なぜなら-奴にメイド喫茶代を請求しなければならないからだ。



 ふざけやがって、4500円は高すぎだろ。なんでケチャップで「LOVE」って書かれただけのオムライスが900円もするんだよ。なんで入店しただけで入店料がかかるんだよ。4500円もあればお前、もっと良いものとか、良いものとか食べられただろうに・・・。絶対に見つけて払わせるんだからっ!



~♪


 ふと、携帯電話が鳴っていることに気づいた。振動の長さ的に着信だ。着信なんて珍しいな。誰からの電話だろう。



「・・・。」



 携帯の画面には「荒川(男)」と表示されていた。無視していいかな。プライベートでも長話なんてされたくないし、今はそれどころではないし。しかし、何の用かは気になる。仕方が無い・・・。



「もしもし松山です、どうしましたか?」

「・・・。」



 出てやったのに出ない。どうした荒川、電話をかけたはいいものの通話の仕方が分かりませんなどというこぶしの効いたしょうもないギャグをやっているのではなかろうな。



「荒川先生?」

「・・・」



 応答がない。それに、心なしか電話の向こうから小さく笑い声が聞こえるような気がする。



「・・・よう、あんたが松山か。」



 数秒の沈黙の末、ようやく話しかけてきた。しかしそれは荒川の声ではなかった。誰の声だろう。携帯から知らない柄の悪そうな人間の声が聞こえてきた。しかも呼び捨て。これはギルティですねぇ。



「あ、どちらさんですか?」

「・・・清波 英知くんのお友達だよ。」



 清波の友達・・・!?あいつに友達なんていたのか。てっきりソロの道を歩んでいる人間かと思っていたのに。いや、そうか。神田天海がいるから、友達はいるな。そうだそうだ忘れてた。・・・ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ。



「清波君の友達が何の用かな。」

「今すぐ4階の音楽室に来い。今すぐだぞ。来なかったら分かってんな?人質の清波がどうなっても知らねぇぞ。」



 通話が終了された。・・・なんだ、情報量が多すぎて訳わからんくなって来たぞ。4階の音楽室に来いと言ったな。そして友達であるはずの清波を人質と呼び、来なかったらどうなっても知らんとも言った。


 消えた清波。知らない人間からの電話。柄の悪い声。音楽室への呼び出し。人質。どうなっても知らない。これらの情報源から、ある1つの答えにたどり着いた。



 この電話の主は「クレイジーデッド」だ。確信は持てないが、こいつら以外にこんなことをする奴らがいるなんて考えられない。たとえこの高校にたくさんの不良グループがあったとしても、最強を謳われるクレイジーデッド以外にこんな手の込んだ、かつ強気な電話をエリート教師にかけてくる奴らなんかいないだろう。いたら今度こそこの高校終わりだよ。そのうち「クレイジーデッドは村雨学院高校不良四天王の中でも最弱」とか言い出すんじゃねぇだろうな。



 それにしても清波といい神田天海といい、なぜ「SeReKa」はこんなにもクレイジーデッドに狙われるんだ?なにかしたのかお前ら。


 まぁいい。どのみち行かなければならないのだろう。今は高校に向かうしかない。たとえ人質云々が嘘だろうとも、その可能性が1%でもある以上放っておくわけにはいかない。


 なんとか清波を見つけ出し、メイド喫茶代を払わせる。そのあとは知らん。クレイジーデッドをつぶせとか言われたけど知らん。清波ならどうぞ煮るなり焼くなり好きにしてくれ。俺は絶対に壊滅などという危ないことはしない。あくまでも”穏便”に事を済ませたいのだ。


 そう、“穏便”にね・・・。


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