第17話 痛恨の一撃
「本当に申し訳ない。いきなり押しかけてご迷惑をおかけして・・・」
警察官Bの「岡副さん」がヤベー警察官「御子柴」を制止してくれたおかげで、なんとか逮捕されずに済んだ。
「彼は今年警察官になったばかりの新人警官で、私の部下でしてね。軽い研修も兼ねて、「ある事件」の目撃者だとか事情聴取などをさせておったんです。本来なら私も彼の傍に付き添っていなければならなかったんですが、彼は警察のお偉いさんたちから一目おかれているエリート新人でしてね。一度単独で研修させてみろ、だとか上が言うもんですから・・・。でも心配になって後をつけてきたら、このザマで」
岡副さんの話は八割聞いていなかったが、要するに、このヤバ警官の御子柴が暴走したのは警察の監督不行届ってことですね。訴えれば勝てるかな。
「申し訳ありませんでした。」
今度は御子柴本人が謝った。なんだ、こいつ謝れるのか。てっきり警察のエリート様だから、プライドを気にするあまり謝らないのかと思ったが。なかなか感心できる若者だ。
「彼は芯の強い人間でしてね。なにかあればすぐにスイッチが入ってしまって、あのように暴走してしまうのです。」
いや岡副さん、芯が強いとかプラスな言い方してるけど、それただのヤベェ奴だからね?なんでこんなのが将来有望警察官なんですかねぇ。まったくもって世も末夫!
「・・・ところで、話を変えて申し訳ないのですが。星野さん、あなたはこの人を知っていますか?」
突如、御子柴が一枚の写真を見せてきた。
それに写っていたのは、一人の男性だ。忘れもしない。これはミツルが今朝殺害した「岡田太一郎」だ。そういえば先程、岡副さんが「ある事件」の事情聴取だとか言ってたな。まさか・・・
「・・・いえ、知りませんが、どうかしましたか?」
なかなか迫真のポーカーフェイスが炸裂した。本当に知らない感をナチュラルに出すことができた。
「そうですか・・・。実はこの人、きょう未明に何者かによって殺害されたのですが、犯人の目撃情報などをご存知ではないですか?」
なかなか緊張感あふれる聞き方をしてくる。もちろん殺したのは自分自身。それは誰よりもよく知っていることだ。しかし、この状況においては「NO」、なにも知らない。真実がうっかり顔や言動からこぼれ落ちてしまわないように、冷静に対処しなければならない。これからの発言に少しでも矛盾が生じれば、この御子柴は必ずそこを突いてくる。
「いや〜知らないですね・・・」
プレッシャーに打ち勝ち、この事件に全くの干渉をしていない感を見事出すことができた。なかなかの名演技だ。この調子で行けば必ず押し通せる。頑張れミツル、ここを乗り切ればきっとこいつらは帰っていくはず。
「そうですか。実はですね、我々警察はアナタがこの事件の犯人ではないかと疑っているんです。」
ついに迫り来る、真実。




