第10話 校長システム 下
「あらあら、荒川さんイカれちまったかねぇ。」
後ろからまた別の中年(仮に中年Bとしよう)が出てきた。この固まってしまった中年は荒川さんという名だったのか。
「すみません、ちょっとびっくりさせてしまったみたいで・・・」
ミツルは申し訳なさそうに謝る。
「い、いや、正直私もびっくりしたよ。おーい誰か荒川さんを保健室に連れていってやってくれー!」
なん、だと。中年・荒川が、あの甘酸っぱい楽園に足を踏み入れるというのか。ふざけるな、モデルミは男が嫌いなのだ。俺みたいなエリートはともかく、貴様らのような下劣な中年男性が保健室に入ろうなど愚の骨頂。
しかも少しとち狂ったくらいで保健室だと。甘えるんじゃあない!最近の中年は少しとち狂っただけで、やれ保健室だ、やれキャバクラだ、考えが甘いのだ。どうせ下心丸出しでセクハラでもしようってんだろ。そうはいかねぇぞこの野郎。お前には焼却炉で十分だ。
「お待ちください。とち狂わせてしまったのは私です。私が責任をもってこのジジ、荒川先生をキャバ、保健室に連れていきます!」
おいおい、ついついこちらまで下心を見せてしまったよ。おのれ中年男性、さては俺を誘導しやがったな?
「そうかい?じゃあ頼んだよ。あ、ちなみに言っておくけど、校長ポイントは増えるだけでなく、減ることもあるんだ。手短に言うが、校長ポイントがマイナス100ポイント貯まってしまうと『英仏蘭島』に出向させられるから、気をつけたほうがいいぞ。」
ミツルは中年Bの補足説明を軽く無視して、荒川を連れて保健室へ向かった。
無視したものの、さすがに気にしないではいられない。なんだマイナス100ポイントって。なんだ英仏蘭島って。出向?なにがなんだかよく分からんが、とにかくこの学校はあまりにもツッコミ所が多すぎる。
とりあえず今は、この荒川を保健室に連れていかなければならない。できればこんな中年を連れていきたくない。しかし、責任をもってしまったから仕方がない。思わず余計なことを言ってしまったな。
「大丈夫ですか、荒川さん。」
「うう、アルゴリズム催眠、キクラゲ新型コラーゲン・・・アチアチ北原霊園・・・ウパニシャッド横見前線・・・わんぱく栄養失調・・・」
これは保健室ではどうしようもないな。やはり焼却炉にでも放り込んでやったほうがいいだろう。
思い浮かんだ単語を羅列すれば、精神疾患の出来上がり!




