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『慣れておくこと』

すみません。なんか中途半端になるので今回短めです。

「昨日。あの後うまくしゃべれたみたいね」

「なんで姉貴がまたいるんだよ。つかなんで知ってるし」

 昨日と同じように昼食を終えた後、図書室に本を借りに来るとまた見知った顔が居た。


「いや。夜の秋穂ちゃんがご機嫌だったから」

「そっか」

 あれでよかったのだろうか。あの後もしばらく本の話をしただけだったけど。


「意地悪で置いてったら思った以上に仲良くなっててお姉ちゃんビックリ」

 僕は姉の意地の悪さにびっくりだよ。


「まあ、女の子の扱いは今のうちに慣れておくのよ」

「へいへい」

 姉の扱いなら慣れたんだけどな。コツは相手をせずに適当に流しておくというものだけども。





 ここから昼食の後は図書室で秋穂のために本を借りては、部屋を訪ねるという日課が出来た。


 部屋を訪ねると秋穂は点滴をしていたり、姉と話していたり、本を読んでいたりする事が多かった。秋穂の病室は僕の四人部屋とは違い一人用でちょっとした荷物なら置く場所があり、そこに彼女の購入した本が置いてあった。その本を逆に僕が借りる事もあった。


 そんな毎日が続いていくと退屈だった病院での生活が嘘の様に楽しく思えた。途中から自分の部屋よりも、自由に喋れる秋穂の部屋の方が落ち着く場所になっていた程だ。


 秋穂と居ると退屈なんて感じなかった。

 別に何か特別な事をする訳じゃないけれど、彼女とただ話して、本を読んで、一緒に居るだけで、それだけで退屈さなんてなくなって。


 そんな日々も終わりを告げる。


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