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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
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恐怖の弟子入り

柊は固まったまま動かない


仕方ないので私が代わりにオフィリアに話しかける


「久しぶりだね、オフィリア。だいたい二年ぶりぐらいかな?」


「ええ、合ってるわ。でも二年も会えないから少し寂しかったわ。しっかりとサービスしてくれるんでしょうね」


「まあ、しょうがないね。分かったよ」


私の答えに満足したのかオフィリアは満足げにうなづいて柊の方に視線を向ける


「で、彼女が召喚された三十人弱の中の一人?ここに一人でいるということは私たち側と考えていいわけ?」


「まだ説明はしていない。実際問題彼女は現段階ではステータスだったか?それが低すぎて奴らの干渉を無効化できるレベルではない」


柊含めた勇者たちが召喚されたのはまだ一か月前だ。そこから訓練目的で迷宮に入ったならば早すぎるくらいだ。それに彼ら全員の装備が低水準のものだったのも撤退につながった要因の一つの要因のだろう


「あの、貴方は、、、オフィリアさんは転生者の元日本人何ですか?」


ようやく再起動を果たした柊はオフィリアに問いかける


「そうよ~。私は地球じゃ大学生やってた日本人。一応、一流大学に通ってたのよ」


「そうなんですか。私の名前は石田 柊と申します。よろしくお願いします」


オフィリアは今度は私に視線を向ける


「柊ちゃんはどうして貴方と一緒にいて、どういう経緯でこの国に来たの?」


私と柊は順番にここまで来た経緯を話し始める


召喚されてからこの世界の現状の話から始まり、魔王の存在、魔物の脅威、勇者というもの存在、この国はどうゆうところなんかの話が最初の一週間ほどありその後も訓練をしながら座学の勉強もあったのだとか。

そして一か月たったころに一度迷宮に実戦を経験しに行こうという話になり、防具や武器が用意されそれらをつけて迷宮に向かったと


続きは私が話しをすることにした。召喚の儀式を最初から見ていたこと、召喚された勇者たちがまさかの一度完全に死んだ存在だったことを感知したことで驚いたこと、たった一か月の訓練のみで迷宮に挑む話を聞き終えたときには呆れ返ったこと


その時は私も何か安全策を講じてくると思ったが全くの無警戒だったこと、迷宮の上層あたりで三体のミノタウロスに襲撃されてまとめ役の男勇者が撤退を進言するのが遅すぎたこと、柊が取り残されたので助けに行きそして今に至る、との説明を細かく長々とした


「では、カーバインの連中は完全に柊さんが死んだものと思っているんですね」


「まず間違いないだろうな。騎士団連中の会話からは死んだものとして処理するといったようなことを言っていたからな」


「そう。あの国は今も昔も変わらずにアホの国なのね。、、、事情は分かりました。柊さんの市民権の発行登録と生活の援助をさせてもらいます。のちに正式な書類の方を用意させるからサインの方をもらうわね」


「ありがとうございます、オフィリアさん。ここまでしてもらったらオフィリア様だね」


今まで通りでいいわよ、とオフィリアが言い。分かりました、と柊が答え二人は同時に笑い出す


相変わらず女性というのは仲良くなるのが早いものだ


しかしこれで柊の心配はなくなった


そう思っていた私にオフィリアが急に私に問いかける


「それで、師匠は私同様に柊ちゃんも鍛えられるんですか?」


今までの道中でも私はそれを切り出すか迷ってはいたところだ


柊も私に顔を向ける。そのままオフィリアに視線を戻し問いかける


「オフィリアさんは朔夜さんに鍛えてもらったんですか?」


「そうね、偶然にも王家として生を受けて師匠ともそれぞれの地球の話題で盛り上がってね。そこから少しずつ戦闘関係で訓練してもらったのよ」


オフィリアは当時を思い出したのか少し顔を青ざめる


それに気づいた柊は気になって私に聞く


「なにしたんですか?朔夜さん」


「いや、私もオフィリアがこの世界での数少ない弟子でね。前に弟子との時間の開きがだいぶあったもんだからね。その、、、少しね手加減が調整しづらくてね。何度かオフィリアが死にかけてしまったんだ」


そのことをさらに思いだしたのかオフィリアはフラフラと動きながら私の胸ぐらを掴み叫ぶ


「死ぬかと思ったんじゃない、実際のところほぼ死んでたんだ‼師匠の蘇生魔法でようやく私は門の前から戻って来てたんです‼何度、門番に呆れられたことか‼」


煉獄には入り口というものを一応設けている。資格なきものは入れないようにしてあるが


そこには当然、門番がいる。そいつのことを言っているんだろう


「オフィリア、君とこの国の人間は三百年前からの地上で唯一の我々が受け入れた国だ。まあ、門番のところに何度も送ってしまったのは私の落ち度だから滞在中は君に付き合おうか。もちろん朝も昼も夜もいつでもいいがね」


この国だけは特別だ。煉獄に招く資格がある


「柊、どうする?私の指導を受ければ死にかけるかもしれんがその代わりにこの地上でこと戦闘に関して私の弟子以外には遅れはとらんよ。君の意志で決めてくれ」


柊は少し悩み、オフィリアを見てオフィリアは私の朝、昼夜の発言にニヤニヤしながらも頷き今度は私を見たので微笑んであげた


「今日からお願いします、朔夜師匠」


「ようこそ、地獄へ。妹弟子よ」


「いや、地獄って何さ、、、、いや、ごめんなさい。気をつけます」


その日は夜遅くまで三人で楽しく語り合った





朝になり私と柊は訓練場で向かい合っていた


「とにかく最初はひたすら体作りだけど、まずは現状の柊の戦力を見せてもらうよ」


「よろしくお願いします‼朔夜師匠‼」


彼女には自分の持つ技能でひたすら私に攻撃してもらった


その後に休憩をはさみ、今度はひたすらよけてもらった


「うん。大体のところは分かったよ。午後はひたすら走ろうか」


私の言葉にオフィリアは思い出して苦い顔をする


「ああ、柊ちゃんはいつまでもつかな?何回門番さんに会うのかな?」


「そんなこと言ってないで、お前も姉弟子なら一緒に走りなさい」


「え゛っ、本気でいってます?、、、、、そうですよね‼何時だって師匠は本気ですよね‼」


おかしいな?私はただ微笑んだだけなのになぜそこまで怯える


柊は今日から私の数少ない弟子の一人になった


今後の成長が楽しみだ

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