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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
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世の中すべて、気合いで解決

三話目です

少しお時間かかりました。暖かい目で見てくれると助かります

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来る日に備えて私は修行をすることにした


さすがに大事な場面で魔法について足元を救われるわけにはいかん


なのでエルフの集落に向かい魔法の知識を初歩から教わろうと思う


エルフの集落に向かうゲートをくぐった先には地上世界の世界樹によく似た巨木が立っている


まあ、こちらのほうが先に存在していたがね


「ユグドラシルの調子はどうだい?」


私が話しかけたのは事前に連絡してあったので長である女性戦士が迎えに来ていた


彼女の名はフェリア。一番最初に生まれたエルフであるために長の地位についたようで今まででみんなを率いていた女傑だ


「フェリア、すまないが魔法について教えてくれないか」


私がそうフェリアにお願いすると彼女は驚いた顔をした


「朔夜殿はあまりにも自然に魔力を操っているから魔法については我らエルフよりも造形が深いと思っていたのだが」


「すまないな。私がいま使える魔法は転移魔法くらいのものだ」


私が魔法についての知識が足りないことに気づきこのままではいつか誰かに足をとられるかもしれないとのことをフェリアに説明した


彼女はそれを聞きながらウンウンとうなずいていた


なんでも人類種族は魔力の運用方法からなにからまでが雑すぎてイライラしたそうだ


私が魔法そのものの知識を求めたことが彼女の琴線に触れたのだろう


彼女はそのまま四時間ほどにわたって長々と私に説明してくれた


なんでも自然界にみちあふれる膨大な魔力のことをマナと言い自らの肉体から発せられる魔力のことをオドというらしい


またどちらの魔力を使おうとも魔法は使えるがやはり多少なりともマナの魔力で発動したほうが威力などが高いらしい


また魔力は生命力と同じと考えているらしく生命力が著しく減ると簡単な魔法すらも使えなくなるらしい


「なるほどな。勉強になるよ、ありがとうフェリア」


「いえ、大恩ある朔夜殿に多少なりともお役に立てたことにこちらも安堵しております」


彼女の時間をこれ以上無駄にしないために初歩の魔法を教えてもらいあとは適当に自主練習でもしておこうと思う


「また何かあったら呼ぶとおもうがよろしく頼む」


「こちらこそつたない説明でした。次回には分かりやすい説明を心がけたいとおもいます」


フェリアはそう言うと世界樹の方に歩いていった


私は魔法の練習ができる場所を探しにそこら辺をぶらぶらと歩き始めた


しばらく歩くとちょうどいい平地があったのでそこで練習することにした


たしか魔力は生命力だとフェリアが言っていたな


そうなると私は不死であるから魔力はないのでないかと思ったが少しの間からだの内面に精神を集中してみたら簡単に魔力を見分けれた


世界にはこんなにもきれいな粒子が漂っているんだな


粒子は一つ一つが小さいが魔法として放つときは固まって大きな粒子に変わるらしい


そんな発見をした私は楽しくなってきたのでいろいろと実験をしてみた


地球には様々な発想をする者達がいた


その者達の発想をお借りしてみた


予想外にうまくいくものと反対にどうしてもダメなものとに別れはしたが大いに満足した


これでまず魔法的な攻撃方法と防御方法は手に入れた


次に地球時代に私が各流派の体術をミックスしまくった我流体術の復習からは入り、魔力と似て非なる氣の鍛練や更なる精神力の向上などを行った


氣は精神力によって個人の容量が変わる


つまり私には魔力と氣のどちらも底がつきないということになる


私はいわゆるところのチートらしい


チートは嫌われる存在らしいから気を付けよう


魔法はまだまだ鍛練不足だが氣や肉体操作は前世のお陰で違和感なく扱える


しかし、いちいち魔力を感じて魔法にというプロセスを行うのは面倒だ


そんなときに思い出した


前世のプロレス関係の男達の存在を


気合いだ。精神が肉体を越えてしまった私だからこそ言える。物事はすべて気合いでなんとかなる


なんとなく漫画や小説の技なんかをやってみたら以外とできちゃったものだ


「なかなかに使いがってがいいな」


その後も身体を炭素繊維に見立ててPAN系とピッチ系のハイブリットを空想しそれを気合いでいいとこ取りをする


炭素繊維の特徴である軽くて強いそのものだな


また筋肉がもりもりなる症状のミオスタチン関連筋肉肥大というものをこれまた空想して気合いで肉体に反映した


またここでポイントなのはムキムキマッチョにならないように気を付けることだった


この際だから筋繊維の方も気合いで増やすか


筋繊維は生まれながらによってというか生まれたときにその人の生涯本数が決まると言う


増やしたことによる実感は今のところないがこれでまず近接戦闘は安心してできるだろうな


私はしばらくの間魔法やその他もろもろを気合いで魔改造していった



おかしい。私の目の前に広がっているはずの平地は今やぼこぼこのクレーターだらけの場所になっている


「調子にのってやり過ぎてしまったか」


しかも数年がかりで魔法の特訓をしようとしてここに来たんだがなんだかもう十分な気がする


現にフェリアがこのクレーターだらけの土地を見て


「これだけ土地を破壊できるならばもう私の教えはいりませんね。流石ですね、朔夜殿」


彼女は誉めてくれているようだがやはりいささか居心地が悪い


「すまないなフェリア達の領域の近くにこんな景観に合わぬものを作り出してしまって」


私は本心からそう言った


エルフがここに住み着いたときはまだ本当に人の手が入ってない原生林だった


それをここまで綺麗で自然な集落にするとは当時はおそれいったものだ


「これくらいの土地をならすのはユグドラシル様ならば簡単に直してくれるでしょうし、我々エルフの魔法やドワーフに協力を求めてもいいですね」


ドワーフ達は今は鉱山地帯に住んでいるからやはり土関係に強いのだろう。使う魔法も土魔法とよんでいいものばかりだしな


煉獄に住むドワーフ達は魔法が苦手と言う者は一人もいない


「そうか、そう言ってくれるなら少しは安心できるな」


「私どもの遠見の魔法で朔夜殿に鍛練を見学させていただきました。やはり楓様のパートナーですね。今までの魔法についての常識を壊されましたしいい勉強になりました」


いいな、遠見の魔法って便利そう


それを少し改造すれば地上に行くときにもかなり便利になりそうだな


「フェリア、遠見の魔法と言うのはどのくらいの距離を見ることができる?」


彼女は少しばかり考え込みながら


「そうですね、遠見の魔法自体に距離の制限はありません。使う本人の魔力量によって見える距離や精度に違いがでてきます」


そうなのか。では私は星の裏側までその場で見渡せるということか


「貴重な情報をありがとう感謝するよ、フェリア」


「またお役に立てましたね。嬉しいことです」


彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべているのでこちらとしてもよかったと思う


フェリア殿が集落に戻ると言うので一緒についていくことにした


先程の講義を受けた集落のゲート付近ではなくさらに奥に進む


奥に進めば進むほどにエルフ達の家が増えていくが地球にように景観を損なってはおらず自然と一体化している素晴らしい空間だ


「ここに来た頃の生活と比べてどうだい?」


「ええ、やはり最初は不安でしたがなれればどうと言うことはありません。戦士の勘が鈍らないように楓様にお願いして実戦に近いレベルの人形の戦士か魔物を用意してもらってますので」


「そうか。それならいいんだ」


私も彼らに恥じぬように鍛練を欠かさぬようにしなければ


話しながら世界樹の近くに来ると急に世界樹が輝きだして私の腰にしがみつく小さな女の子の形になるように光の粒子が集まり、瞬く間に実体を持ち始めた


「久しぶりだね、朔夜様。今度はいつまでいるの?また私と遊ぼうよ」


そう話しかけてきたのはお気ずきの通り世界樹、別名ユグドラシルの名を持つ巨大な樹に宿った人格そのものだ。彼女は楓と同じように存在位階は高いが楓ほどではないので受肉した肉体を持っている


「魔法の練習があるからしばらくはこちらに寝泊まりをしてしばらくしたら楓のところに戻るよ。それまでの手のあいた時間は君と一緒に遊ぼうかな、それでいいだろう、レン」


私がそう言えば彼女は満面の笑みを浮かべて頷いた


いつか私と楓の子供ができるだろうかと、地球での生活の後悔を思いながら寝泊まりのためにいつも借りている家へと二人仲良く手を繋ぎ歩きだした

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