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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
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まず一体

少年勇者の発言で辺り一体に静けさが起こる。返答しなければならないが私たち三人ともが三人とも、返事をしたくないので黙ってしまっている


「僕たちは‼三対三の‼パーティー戦で決着をと‼考えている‼」


少年勇者はイラついたように同じく口にした。さすがに答えなければ不味いかなと思い、オフィリアの方に視線を向ける。ここは女王が答えるべきだろう


「三対三人ですね。そちらは貴方と天使?のお二人ですか?」


オフィリアの問いかけに天使モドキが答える


「初めまして、私は下位三隊『聖霊』の"槍の天使"ハイル」


「同じく下位三隊『聖霊』に"双剣の天使"ジャック」


「そして僕、勇者筆頭の古條 亮だ‼」


流れるように三人が自己紹介する。天使モドキは再び空に浮いている。これは私たちもしないといけないのだろうか?


再び黙ってしまった私たちに少年勇者は"お前たちも名乗りを上げろ"と目で訴えてきている。私たちは同時にため息をつき順番に口を開く


「"帝国女王"オフィリア・オーゼン・エルドラント」


「"盟主"朔夜」


「"女勇者"石田 柊」


少年勇者は最後の名乗りを聞き終えて、数秒止まり、理解できたのか一気に捲し立てる


「石田さん‼すぐに君を帝国から救ってみせる。僕らは全員で世界に平和をもたらすんだ‼」


少年勇者がそんなことを大声で言うもんだから後ろの勇者たちや連合の兵士が騒ぎ始めた。彼らの中では勇者の中では唯一の犠牲者だったからだ


そんな彼女が生きていた。皆が驚いていた。少年勇者はなぜかドヤ顔をしていた。疑問に思い世界の記憶を読むとあの事件からたったの一年で柊のことが記憶から抜け落ちていた


これもまたモドキの仕業だろう


「もう一度言います。"帝国軍"、"近衛隊所属"の"女勇者"の石田 柊」


少年勇者はポカンとしていたが、やがて深刻そうな顔になりオフィリアの方に指を指す


「この邪悪な女王め‼石田さんを洗脳して自分の盾にしているんだな‼許さないぞ‼」


私たちは揃って同じ方向に首をかしげる


「僕らが勝ったら石田さんを解放して、帝国の軍を魔族討伐に協力させる‼いいね‼」


その言葉が始まりだったのか、槍天使と双剣天使がそれぞれ武器を取り出した。取り出した槍と双剣には聖属性に濃密な魔力とオーラが纏われている


しかも、会話の最中も魔力を練っていたので何かしてくると思っていたが、この流れでスムーズに攻撃するためか


「柊は少年勇者。オフィリアは同じ系統の槍天使。私が双剣天使を相手しよう。いいね」


「「了解」」


ようやく魔力が練り終わったのか呪文の詠唱に入るようだ


【風刃】


【水刃】


初級魔術でもここまでの魔力をこめると威力や範囲もバカにはできない。圧縮された高密度の刃は触れたもの全てを切り裂くように城壁にいる私たちにピンポイントで向かってきている


私は瞬時に同じ魔力量、圧縮量で【風刃】、【水刃】を放つ。私の魔術で自分達の奇襲が失敗したことになぜか槍天使と双剣天使は怒っていた


「貴様‼なぜ我らの攻撃を受けて死なぬ‼」


「そうだ‼せっかくの慈悲で初級魔術で終わらせてやろうとうのがわからんか‼」


天使モドキは理不尽な要求をしてきた。しかし、所詮モドキはモドキというわけか。紛い物から生まれた紛い物だ


「ん?貴様‼他の二人はどうした?まさか貴様一人の首でこの戦争が終わるとでも?」


「バカな‼ハイル、そんな事が許されるはずもない」


「そうだな。分かりきっていたことだったな」


結局、二人がどこへ行ったのかというと天使モドキの魔術が発動する直前に少年勇者の方に柊を転移で送った。なにか話し込んでいたが少年勇者はやはり洗脳されているという結論が変わらなかったようで戦闘が始まった


オフィリアは気配を消して槍天使に近づいている。天使モドキが気づいていない。それがまた滑稽で呆れるよりも笑えてくる


「女勇者は勇者筆頭のところへ、女王は今、君に後ろにいるよ」


私は言いながら槍天使の方に指を指す


「初めまして、サヨウナラ」


「なっ」


オフィリアのハルバードが見事に槍天使の背中に一撃をいれた。そのまま、槍天使はすごい勢いで地面に向かって落下していく


「おのれ、小賢しい真似をしよって‼」


双剣天使がオフィリアに攻撃を加えようとしていたので転移で割って入った


「君の相手は私だ」


かつて造り上げた炭素繊維を用いた刀で二対の剣の攻撃を受ける。どれだけ魔力と聖属性がこめられていようとこの刀には傷ひとつつくことはない


「なんだ、その武器は。なぜ主に賜ったこの双剣の攻撃を受けて傷一つつかんのだ‼」


双剣天使は息も止まらぬ連撃をしてくる。しかし、見るからに技術がない。子供がオモチャの剣を振り回しているような感じで攻撃してくる


「そうか。君は産み出され今回が初めての戦闘か。少しは久々の戦闘で楽しめると思ったが期待はずれもいいところだな」


双剣天使は図星だったのか。物凄い形相になってさらに連撃を加えてくる。私はめんどくさくなってきたので抜刀術で二本の剣を同時に切断した


双剣天使は呆然と切断された自らの剣を目の前に持ってきてしかし、笑う


「その業は見事だが、この剣には【復元能力】のスキルが付与されている。魔力を注げばすぐに元の通りだ」


私はそんなことだろうと思ったので二本の剣に残るモドキの力も含めてすべて斬り裂いた。付与されているスキルも加護もすべて


「残念ながら、それも含めて全てを斬っておいた。その剣は使い物にはならないし、ついでに君の首・両腕・両足・二つの翼。君の肉体も斬っておいた」


剣を斬るだけじゃ後々、悪足掻きされるかもしてなかったので肉体にほうも斬り裂いた


双剣天使は「ハ、ハッタリだ。現に私は生きて、、い、、る」何て言いながらどんどんと崩れていく


しかし、その肉体から丸い白い輝く物体がふらふらと空に存在する魔術陣に向かっていこうとする


『残念だったな。肉体は地上に降りてくるときに構成したもので本来の肉体は神界にあるのだ』


彼は自慢するようにいっていたが私は魔術で重力を操り、その白い輝きをすりつぶそうとする


『無駄だ。我らの魂には物理的な攻撃も魔術での攻撃も受け付けんのだ。諦めろ。次に地上に降りた際には貴様を殺してやるから待っていろ‼』


私は無視する形で魔術を使う。すると空間が軋み、徐々に魂が小さくなっていく。双剣天使は『そんな馬鹿な、私が消えていく。主よ、救、、い、、たま、、え』などといって存在を塵一つ残さず消滅した

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