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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
14/22

ようやく来た連合軍

二人との夜の戦いは私の善戦に終わった。このまま一日のんびりとできるかと思ったら「襲撃あり」の鐘楼の鐘の音が聞こえてきた。ぼけっとしていた頭をすぐに切り替えて私は二人と自分に魔法をかける


「二人とも、連合軍がこの国の領土地域に侵入との報告の鐘の音が鳴ったぞ。ようやく勇者たちのおでましだ」


二人はもぞもぞと起き出した。オフィリアと柊は長く綺麗な長髪を横に広げてしまっている。しかも二人ともが初めてでテンションが上がってしまいなんだかぼうっとしている


しかし私の侵入や勇者という単語を聞き、意識が完全に目覚めたようだ


「師匠、今彼らはだいたいどのぐらいの位置にいるんですか?」


「私のスキルによると帝国の領土として宣言している端の方にいるな。この国には地方の村や町なんてないからな。帝国にあるのは広大な帝都のみだ」


「師匠、どうして帝都しかないのに帝国の領土はこんなにもバカみたいに広いんですか?」


「まあ当時はそんなに各種族の総人口はそこまで多くなかったんだ。人工の増加も予想してこの大きさにしたんだ。だが予想に反してこの大きさだけで賄えてしまったというべきなんだろうな」


そうなのである。この大きさにして人口爆発が起こればこの広大な帝都も老人から赤ん坊まで一気に埋め尽くされると予想したんだがおおいに外してしまった


「いまだに帝都の端の方が空いていてな。それならいっそのこと軍や魔術師団なんかの宿舎や砦にしようと有効活用されるようになっていったというわけだ」


国と国の戦争で機能するのははじめてのことじゃない。かつては愚か者どもが、モドキどもを崇める狂信者たちが軍勢を率いてやってきたこともあった


その度に半分ほど殲滅して敗走させたりしてやって偉いやつだけ捕虜にして国に引き取りにこさせてそのまま不可侵条約を結んだ。このエルドラント帝国は私たちが手を加えただけあってこの星唯一の地上の楽園となっている


土地は乾かず作物は毎年のように育ち、水脈は枯れることなく常に綺麗な水が流れ、どんな季節にも対応する結界を用意した


たとえ不可侵条約を反故にされても自給自足を続けてきた我が国は落ちることはない。特にこのような戦時下においては


「食料も武器も防具の類いもすべて整備済み。人族たちにとっては悪夢のようなものになるには違いないがな」


「違いありません。師匠の訓練やその上にある鍛練をそれぞれの分野でこなしてきた私の愛する誇り高き全国民があんな勇者率いる俗物軍に負けるわけがありません」


「そうですね。私も何らかの武勲をあげたいですね。そしてゆくゆくは師匠との・・・///」


柊はこの戦争のあとのことを考えて、とくに私との生活についてになるがニヤニヤしている


オフィリアも黙ってニヤニヤしはじめたので私は二人の意識を今の状況に戻した


「さて正門近くの砦に転移して彼らの到着を待とうか。私は先に食堂で朝食をとっているから着替えたら二人とも食堂にくるように」


私の言葉で体が反応したのか二人のお腹がぐぅ、と鳴った




私が3分の1ほど食べ終わったときに二人が正装して食堂に入ってきた。もちろん今は戦争中なので正装は軍服だ


エルドラント帝国の軍服はオフィリアの提案で帽子のないイタリアの軍服を採用した。それまでは騎士は全身鎧なんかの鎧系で、魔術師たちはローブとそれぞれの魔物の素材から生み出したズボンやシャツを着込んでいた


しかし、なんかまんまファンタジーでつまらないとオフィリアのただの思い付きで巻き込また私が軍服の製作を依頼された。私の着込んでいる日本の軍服から連想して、そのなかでもマントなんかがあってカッコいいイタリアの軍服が選ばれた


帽子は宴やパーティーの時にはつけるが軍事の際はつけない。さすがの騎士たちや魔術師たちも初見ではこれが?というような顔を見せていたがスキルの【鑑定】持ちの魔術師が軍服の性能を誉めまくってくれたことで受け入れられたことで正式に採用となった


「二人とも、今日は総料理長が腕を降るってくれたぞ。お祝いだと言ってな」


二人はお祝いの意味を悟りつつも私の両隣に座る。机はよくある長い机ではなく、円形の机を使っている。周りとの談笑を楽しむためだ


「いつもの料理人たちの料理も美味しいけどやっぱり総料理長の料理は一段上ね」


「私もオフィリアさんの意見に同意です。他の方には申し訳ないですけど」


そこに総料理長が入ってきた。彼の後ろには総料理長の弟子や彼の息子などがいる


「きょうの料理はどうですかな、皇帝陛下。お祝い事なので厨房スタッフの総力を使い料理の方を作らせていただきました」


「ええ、非常に満足よ。戦後の戦勝祝いの席の料理も期待しているわ」


「そういっていただけるなら、儂もまだまだ腕を錆び付かせるわけにはいきませんな」


そう言って総料理長は私と柊にも一言二言お祝いを言ってぞろぞろと去っていった


「彼のあとを継ぐのは誰かってみんな興味津々だわ。なんたってこの国が生まれ変わってから総料理長をしている男だもの」


彼は全くといっていいほどの料理の才能はなかった。しかし私の鍛練に必死に食らいつき、努力を怠らず、精神を常に研ぎ澄ませている。そんな男の作る料理にはいつしか食材自体のオーラが出るようになった。その料理を口にすれば色々なステータスに効果が現れる


そこまで極めた彼に煉獄の入国許可を検討している。帝国を作り出してから最初に検討対象のなった男だ。これからの彼の研鑽が止まることがないように祈っている


そうして朝食を食べ終えた私たちは転移で正門付近にある場所まで移動した

すみません。仕事の関係で一ヶ月ほど更新できませんでした。待っていた方、申し訳ありませんでした

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