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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
11/22

ユニークスキルと勇者訪問

勇者と魔族の戦闘から一週間がたった


オフィリアと柊はホーキンスの戦闘に集中していて勇者の方の戦いは興味もないそうだ


特に柊は飛竜に乗って現れたヴァインという魔族のことを気にしているようだ


今の柊ではもって週十秒といったところだろうな


「では、いい感じで危機感を抱いたところでダンジョン攻略でステータスとスキルのレベルだっけ?それを上げていこうか」


私たちは三人で帝国内にある最高難易度のダンジョンに向かっている


そのダンジョンは今もなお階層を増やしているそうで最近では三百階層を突破したらしい


ダンジョン名は三百年前の王の名を付けられた


バルサーク迷宮と名付けられている場所だ


私たちがこのバルサーク迷宮に入ったのはちょうど一年前からになる。オフィリアにもこのバルサーク迷宮には入らせなかった


オフィリアは今よりももっと弱かったし、何よりもその気がなかった。ある程度の自衛が出来ればいいと彼女自身が思っている節があったからだ


しかし、勇者の召喚が決まったことで心境が変わったようだ


徹底的に鍛えてほしいと言われたのでそうすることにした


「魔力の循環速度が落ちてるぞ‼それじゃあ簡単に腕を切り取られるぞ‼」


現在は九十階層目で足止めを食らっている


足止めをしている魔物はでかいカマキリである


名前はたしかソルジャーマンティスといったか。大抵はソルジャーと名のつく魔物は階級が存在し確か一番上がキングマンティスで、その番がクイーンマンティスと呼ばれている


他のダンジョンじゃ知らないがここバルサーク迷宮にいるマンティス種はこの階層でも十分に強いのだ


「柊、あいつのもう一個の目を潰せる?」


「現状では難しいです。マンティスの魔力もまだありそうですし、こちらも魔力はありますが腕の鎌がちらついて牽制されてしまいます」


二人は話ながらもしっかりとマンティスを警戒している


マンティスもそれが分かっているから不用意には仕掛けない


仕掛けないからといって動かないわけではない


散発的に鎌での攻撃だったり、異世界のカマキリなので魔力のみで作った魔力弾での遠距離攻撃をしてくる


序盤は柊たちは優勢だったがマンティスも片目と片側の脚をやられたことで遅いがエンジンをかけ始めたらしい


自身の最大の武器である鎌に魔力の大半を注ぎ破壊されないように対策している


ようやく二人の戦略がまとまったのか動き出す


「いい柊、作戦道理にね」


「了解です」


まずはオフィリアが自分の武器である長いしなやかなハルバードで先陣を切りにいく。柊も両手にもつ私が鍛造した日本刀の小太刀を二本を今装備している


オフィリアは魔力で身体強化してマンティスの左側の死角に入り込みながら鎌の後ろ側に回ろうとして動く


それに気付きマンティスが左の鎌で応戦しようとしたところで鎌の動きが突然止まる


柊のユニークスキルだったか。二つのうちの一つである空間固定のスキルなのだろう


突然、自分の鎌が止まったことでマンティスに数秒間の意識の空白ができる


そこにオフィリアが予定通りに鎌に後ろの回り込み左の鎌をハルバードの斧の部分で切り落とす


その痛みにマンティスは絶叫する


そのまま半狂乱で右の鎌を振り回す。柊は今度はマンティスの全身に空間固定をかける。しかし、マンティスのような全長六メートルほどの巨体を止めるのは現段階ではほんの数秒である


数秒であれ止まったマンティスの残った右目を二本の小太刀で×の字に切り裂く


マンティスは視界を潰され、右の鎌と脚を壊されたことで戦意喪失。最後はオフィリアのハルバードで首を落とされてその命を散らした


「やったわ‼さすがユニークスキルね」


「でも、まだまだです。この大きさで数秒しか止められないですから」


「数秒でも止められれば十分よ」


この世界に魔力が存在し、この手の魔物は全てではないが基本的には魔力を少なからず利用する


しかし、柊の空間固定は魔力も空気も水も発動しかけている魔法でさえもその場で固定してしまう


しかしいくらユニークスキルだとしても本人のレベルが伴わなければ通用しない。同レベルや存在自体が階位が上にある竜・龍種にはなかなか効きづらい


そのため、レベルの低い状態だった柊は三体のミノタウロスに囲まれることで死を覚悟したのだ


今のレベルは両者ともに75辺りにいるらしい


このマンティスのレベルが確認したところでは78と表示されていた。同レベル帯で二対一だったためにこちらに少し有利に傾いたようだ


私にとってはレベルもスキルもあまり興味はない


空間固定も一度かけてもらったが気合いで解決した。かけてもらうために少しこの世界の法則に合わせた。その際にモドキどもには気付かれるようなミスはしていない


気合いで解決したといったら二人ともものすごく呆れた顔で私を見ていた。最近では二人とも気合いで基本的にはなんとかなるを信じ始めているようだ


普段の鍛練も限界を感じかけても気合いで乗りきることで成長を実感できるらしい


いい傾向だ。このままこの世界の法則から抜け出せるレベルまで頑張ってほしい。もしかしたら煉獄の住民になれるかもしれないから


「二人ともマンティスを倒せたのは師匠として成長は感じるがやはりスキルに頼るのはよくないな。この世界は何が起こるかわからん。最後にものをいうのはやはり自分の肉体と経験、信頼する武器だけだ」


私の言葉の最初は喜んで聞いていたがその後のお小言に少し反省している


「そう、落ち込むな。マンティスを二人がかりとはいえ倒すことができたのは師匠として嬉しいのは本当だ」


私がそういうと二人はお互いをみてハイタッチをしている


急に嫌な予感がしてきた


そこにオフィリアが持っていた帝国の最新式の通信魔道具に連絡がくる


しばらく通信を聞いていたオフィリアがものすごく嫌な顔をして私たちに振り返る


「今勇者がこの国に来ているんですって。あと数日したら帝都につくから至急戻ってくれって連絡がきたわ」


ついに来たか。予想よりも早いな。あの男子勇者の暴走とみた


要請を半ば無視をしたことで勇者自身がくることで忠告にしに来たってところだろう


同盟に協力しなければ今後の各国との交渉は出来ずに締め切られるだろう。そうなったらそうなったで私たち煉獄側が帝国に手を貸すだけだが


「どうする?柊の顔は知られているから絶対に色々聞かれるわよ」


「そうですね。まあ、私は構いません。結局はただのクラスメイトでしたから。なんの問題もありません」


「私は柊の意思を尊重するよ。師匠として二人に無理強いさせるつもりはないからね」


「じゃあ、戻りましょうか。何を言われるか楽しみであり、不安でもあるけどね。師匠、お願いします」


「お願いされた。場所はいつも通りにオフィリアの私室でいいかな?」


「ええ、大丈夫です」


いつも通りに空間魔法のゲートを開き、帝国の王城に戻った私たちにめんどくさいことが待ち受けていた

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