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煉獄の主、星の王  作者: 藤平東吾
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過去と未来について

はじめまして、syoです

はじめての小説投稿なので暖かい目で見てくれると嬉しいです。心は豆腐並みに柔らかく脆いので


よろしくお願いします

ようやく訪れたこの時この瞬間が


星の最後の命の輝き、星が死ぬときが


それは俺という存在が死ぬときでもあるということでもある


「ごめんね、もう私も限界みたい」


辛そうに彼女が私に言葉を送る


「謝るな、人間という枠を越えた私を最後までいっしょに居続けれた存在は君だけだ。本当に感謝しているよ」


私は想う。

この星での私の人生は満ち足りたものであったと


そして私が感謝を告げたと同時に、地球と呼ばれた星はただの巨大な質量を持った土の塊に成り果てた


星は崩壊せずに残るが人類が生き残るにはかなり過酷な世界に様変わりしたことだろう


こうして、どこかの宇宙に存在するある一つの地球が滅びを迎えたのである



私はこの星の意思にここまで生かされてきたイレギュラーである

歴史の教科書に載っている縄文時代から私は存在し続けている


ある日、死にかけた所を必死にここで死ねるものかという強靭な意志によって突然変異をおこし精神が肉体を上回り老いず死なぬ体になってしまった


そこからの長きにわたる人生が幕を開けた


老いない事で一定期間の間にしか新しい場所にしかおれず苦労した、死なないことで苦労したのは老若男女問わずに私が死なないことを知ってしまったもの達の口封じだった


これは年代が進むごとに隠蔽がしずらくなったので気絶までにしておいて悪い夢を見ていたという風にごまかす方向にシフトしていった


私に存在は異質なので極力表舞台には出ないようにした


その変わりといってはなんだが随分と暗躍させてもらった



大きな世界規模の戦争が二度あった


戦争とは悲惨なものだ


いくつもの時代の移り変わりは見てきたがやはりそれは日本国内の戦争であって、世界規模になるとここまで人の業と罪が顕著に現れるものなのかと久方ぶりに悩んだものだ


私は人生のなかで幕府(幕府以前の武士など)朝廷の比較的天皇に近い位置にいたものだから人と人との殺し合いは充分に見てきた


そんな私だが、明治維新の動乱に紛れて自分の戸籍を勝手に作らせておいた


その頃は、自分の信頼できるものたちでいっしょに作り上げた組織があったのでその権力を使い新政府に肩入れしておいた


私のこの特異体質を知るものは十にも満たない人数だったが組織を創るさいに当時の創設メンバーのもの達のみに教えたが、

いつの間にかその一族に私の身の回りの世話をするようにと言い残して死んでいったようで星の滅びのその直前までその末裔とともにいた


私が滅ぶことを伝えるとその者達は先にいってご先祖様たちと待ってますといい星の滅びに抵抗せずに死んでいった


こうして私の長きにわたる人生に幕が降りたのだった



再び、意識が覚醒したような気分になった


もう肉体はないはずなのに目を開く動作をしてしまった


するとどうだろう、実際に目が開き徐々に体の感覚が沸き上がってきた


そうして目の前を見渡せば、一つの家が目に入った


その家は私の前世(?)の自宅にそっくりだった


しかし、サイズ感がおかしい事に気がついた


今は膝を立てているにも関わらず家のサイズがあまりにも小さすぎる


一度たってみれば解決した


家が小さいのではなく、私の体が大きすぎるほどに巨大なのだ


これがファンタジー小説に出てくる巨人族とやらかと密かに思ってしまうほどに自分の体がでかすぎた


私の驚きなど無視するかのように、家の方から丸い球体が出てきた


それを見た瞬間にその球体が何なのかはすぐにわかった


「また再び会えるとはな。星の意志よ」


私の言葉に反応し球体は綺麗な虹色の光で反応した


「まだ、わたし、うまれたばかり。わたしのおうはあなただけ」


本人(?)の言う通りならば、生まれたばかりで言葉が拙いが言いたいことは十分に伝わった


地球でも彼女は私を星の王だといい、つまりは彼女の伴侶なのだという


地球の消滅と共に私が消えたのもこの星の王という地位が関係してくる


わかりやすく言うならば、私と彼女は運命共同体だということになる


滅びを迎えるならばともに滅び、生まれるのならばともに生まれる


そういう運命を彼女と私は契約した。最初のうちはまだ魂にすらうっすらと刻まれた契約だったが滅びを迎えるころには血と肉、魂の一部分にすらなっていた


彼女がこの星の意志として生まれたことで契約による効果で私もまたこの星に生まれ出でたことになる


しかし、疑問が一つ。なぜ私の体がこんなにも大きく巨大なのかという点だ


前は少し背の高い標準的な日本人の体格だった


そんな私に彼女は言う


「いろんなげーむやしょうせつでつよいきゃらで出てきてたから」


たしかに巨人は旧世代に生きた神様だったりというのが地球にもあったな


しかし、この大きさはなんとかならないものか


「あなたははじまりのきょじん。だからからだのおおきさもじゆうじざい」


なるほど。始まりというのが何を指すかはおいておくとして。体の大きさが自由ならばと前に鏡で見た自分のからだの大きさを想像した


すると段々と目線が下がり慣れ親しんだ目線の高さに戻ってきた


想像するだけで体のサイズが変わるのはありがたい


戦闘中などにサイズの変更にタイムラグがおきるとそれだけで一流や超一流の戦士たちにはかっこうの隙になる


「しかし、相対する敵によってサイズが変えられるのは大変助かるな。ありがとう。感謝する」


そう言うと彼女はまた色を次から次に変えて嬉しさの感情を私に表現してくる


「そういえば今回のこの星は私が巨人族とやらに転生させたならばやはりファンタジーな世界になるのか?」


「そうだよ。ぜんかいはきかい、かがくのせかい。こんどはふぁんたじーのせかいでやってみようとおもって。ちきゅうでもにんきだったでしょ」


彼女の言うとおり地球にもその手の話は日本でも流行っていた

海外でも一部の人気を誇っていたようだしな


「この星の名は?」


ファンタジー路線の星を作っていくならばこの星の名は再び地球という名前にするわけにはいかんだろう


「どうしようね。なやんじゃう」


彼女が少し困ったように首を傾げる様子が手に取るように分かる


仕方ない、直感で決めよう


「よし、決めたぞ。直感だ。この星の名はリーべ。ドイツ語で愛という意味の言葉だ」


「りーべ?あいっていういみなの?いいね。いいことばだよ」


彼女の機嫌がよくなっていくのを見てほっとした気分になった


変な名前にするとのちのち後悔することになるからな


「ところでこの家とこの場所はいったい何処なんだい」


すると彼女はハイテンションから段々と冷静になって私の疑問に答えてくれた


「そうだね。せつめいがおくれたね。ここはちきゅうでいうところのてんごくとじごくのはざま、れんごくだよ」


たしか煉獄は天国に行くときに通る場所で火によって浄化される場所だったはずだな


「でもこのほしのれんごくはちきゅうとはちがう。いまはあなたとわたしだけしかいないばしょだよ」


この星にはまだ私と彼女の二人しか存在しないのか


それならこれから地球のようにどんどんと生き物や微生物などの存在を生み出していくのだろうか


「しばらくはふたりだけですごそうよ。そのあとにふぁんたじーにありがちなせいぶつをつくっていこう」


彼女の言うこともたしかに一理あるな。地球のころは周りはいつも人が多くいたし彼女と知り合ったのもたしか、源平合戦の頃だったはずだ


そう考えればたしかに今の状況は彼女とゆっくり過ごせる時間は多いからな


「そうだな。二人きりはずいぶん久しぶりだ。しばらくはゆっくりしようか」


彼女は私はいったことに反応したようで今までで一番の輝きを放った。相当嬉しかったようだ


「ではしばらくしたら、西洋の竜や東洋の龍なんかや獣人やエルフやドワーフなんかの種族たちを生み出していこう。ファンタジーじゃ定番だろう」


微笑みながらそう言えば彼女の感情がまた喜びに変わる


疑問がまた一つ沸き上がる


「しかし、そうなるとファンタジーにありがちな魔王や勇者なんかの存在も生み出していくのか?」


その可能性を考えてはいたんだろう。彼女は否定的な感情だった


「そんなことしたら、せかいじゅうにこんらんしちゃうことになってよくあるゆうしゃしょうかんなんてことになっちゃうよ」


勇者召喚か。たしか異世界から人間を拉致して戦争の駒とかにするやつだろう。本当の戦争を知るものからすればとてもではないが無謀にすぎる


人の命が重い世界から軽い世界に来ていきなり最前線は無茶が過ぎる。ましてや地球には存在しない魔物や魔族や盗賊などなどの危険に満ちた世界にすぐに順応できるはずがないのだ


逆に召喚された人間が墜ちることや簡単に人を殺せる奴や能力主義に陥るパターンもある。そんな危険な行為を万に一つも用意させるわけにはいかないのだ


「そうか。混乱するのは私も困るからな。平穏に今度こそは過ごしたいものだ」


「そうだね。こんどこそはやすらかにひびをすごしたいね」


私たちは地球で頑張りすぎた


しかし、人々は彼女の存在を否定的であり星の意思は存在しないと思っていたからである


そのために我々の地球は滅びを迎えたのである


今度こそは頑張りすぎないように多少はだらけて過ごしても許されるだろう


「じゃあ、家に入って早速ご飯の準備をしながら今後について話し合おうか。いこう、楓。」


「こんどこそはいつまでもいっしょにいようね、朔夜」


顔を見合わせ、クスクス笑いながら手を繋いで家に入っていった


こうして、元地球の核であり現リーべの核である彼女・楓


そして彼女と契約した不老不死である仙人・朔夜


二人の面白おかしく過ごす予定の第二の生の始まりである

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