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澄し虚空の守護兵士  作者: シャルン
6/10

夢出会う、君

(あれ...?ここは....?)


多勢の人混みの中、彼女は立ち尽くしていた。


(???...あれは、誰?)


人混みの中心に女性が一人、立ったまま縛られている。


(あの、ここはどこなの、あの人は何か罪でも犯したの?)


彼女は周囲の人々に問いかける、しかし誰も彼女の声に答える者はいない。

人々はただひたすら、その女性を見ていた。


(????...?何?..視界が、、)


人混みの中、彼女の意識は、ゆっくりと遠のいていった。









「んっ....、」


気がつくと私は、保健室のベットにいた。


「.......、」


上半身をゆっくり起こし、間もなく6時になろうとしている置時計を見つめていると、


「お、やっと起きた、どう?調子は、」


ベットを囲うように敷かれたカーテンが中央から左右に開き、その向こうに女性が立っていた。


「まあまあですね、、結局今回もダメでしたし、」


そう言うと彼女はため息交じりに席に着き、コーヒーをすすりながら書類に目を通し始めた


「そうねぇ~これで、えぇ~と、いち、にい、さん、よん~」


「8回目ですよ、今月で、」


「あ~そうそう!それにしても貴方も大変ね~、ガーディアンセクターになるためにうちに来たのに、」


「…………、」


「今まで一度もガーディアンと意志疎通できてないとはねぇ~」


「…………、」


「あ~ゴメンゴメン、そんなへこまないでよぉ」


「いえ、いいんです、それよりも」


「?」


「やっぱりまだ分かりませんか、どうして私が意志を繋げられないか?」


「う~ん、あなたの血液は数値を見ても、ほかの子と何ら変わりは無いからその辺りは大丈夫なようだけど、」


「どうして私がガーディアンとシンクロする際、その値が大幅に上昇して暴走するのか、ですか、」


「そうなのよねぇ、一通り論文や参考書を見返してみたけど、貴方のようなケースは似たような事例はあったけれど、どれも正直確信が持てるものではなかったわ、」


「少しでも心当たりがあれば私も力になってあげられるのだけれど、」


「き、気にしないでください!悪いのは私だし、それに桐山先生にはこうして協力していただいてるわけですし、私、もっと頑張ります!」


「頑張るのもいいけど、あまり無理しちゃダメよ、過剰な頑張りは返って精神状態を悪化させてしまうわ」


「えっ、ソウダッタンデスカ、、」


「ちゃんと教科書読み返しておきなさいよ、」


「はいぃぃ、、」


「ふふっ、今日は私泊まり込みだからここにいてもいいけれど、どうする?」


「ありがとうございます、でも家におばあちゃん一人だと心配だから、今日は帰ります」


「そうね、もう日も落ちてきたし、気をつけてね」


「はい!今日もお世話になりました」


私はそう言って荷物をまとめ、保健室を出ていった。





桐山先生は私たちの学校で保健室の先生をしている一方、研究員としてガーディアンと、その血を繋ぐことのできるロイヤル・チルドレンについての研究をしている。

最近だとオグルの研究にも手を付けてるみたいだとか、


オグルってのは奴らのこと。フランス語読みで「悪魔」の意味らしい、

まぁ、現物を見たことはないんだけどね、


私のことも含め、先生の研究にはすごく興味がある。なぜ今ではガーディアンを操ることのできる特異体質の子供が女性しかいないのか、そもそもガーディアンとは何なのか、ほかにも聞きたいことは沢山あるけれど、、


(結局一番謎なのは、わたし、か、)


いろんな感情が渦巻いていたけれど、どれも今の私に合うものは見当たらなかった。


(今はとりあえず切り替えなきゃ、私が倒れたとき保健室まで小春が付きっ切りでついていてくれたみたいだから、明日はちゃんとお礼もしないと、後は、まぁ、おいおい考えるとして...)


「?」


もう日も落ちた薄暗い道を歩いていると、前方から一人の人影が見えた、

何かぼそぼそ話しながら、少女らしき影がこちらに歩いてくる。



「たす...け....て。」


「えっ!!!!」


その言葉を残し少女はその場に倒れた、突然のことにかなり動揺しながら、私は少女に駆け寄り、抱きかかえた。


「しっかりして!ねぇ!何があったの!」


(まだ息はあるけど、体中ひどい傷、それにこの制服の校章の色、、うちの学校の一年生じゃない!誰がこんなこと…!)



・・最近、私たちを狙った通り魔が出るらしいよ・・



ふと、今朝の小春との会話が脳裏をよぎった、

一番考えたくない、最悪のシナリオ、


「まさか、そんなこと、、」


(でも今はとりあえず安静にさせなきゃ、距離的には学校の方がまだ近い、先生も今日は帰らないって言ってたからきっと…)


「!!??」


抱えて立ち上がろうとした時、確かに感じた。

少女が来た方から迫る、あの時感じたのと同じ強い殺気、



そして「それ」は、夜道の中から音もなく現れた。

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