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澄し虚空の守護兵士  作者: シャルン
5/10

行き過ぎた、力

「みなさんおはようございます、今日は模擬実戦を行います。グループは既に把握していると思いますので準備ができ次第、開始します。」


「雫ちゃん、き、今日は頑張ろうね、」


「うん!今日こそはばっちり決めるんだから」


私たちの学校では一ヶ月ごとに自らの精神をコントロールし、ガーディアンと意思疎通を行うことのできるか確認するために模擬実戦が行われる。実戦といっても戦うわけではなく、学校から支給される訓練用ガーディアン(戦闘はできないが、コアが戦闘用ガーディアンと同じ性能を持つガーディアン)を一人ずつパートナーにし、実戦課題をこなしていくというものになっている。

あ、コアっていうのはガーディアンに必要不可欠な心臓みたいなものよ、





「これよりグループBの模擬実戦を開始します、各自の課題をしっかりこなすように。」


コロシアムと呼ばれる実戦施設に集まり先生と生徒の前で一人ずつ行っていく、


「次、No,006、尾野小春、」


「小春、頑張って!」


私の呼びかけに小春は優しく微笑んだ。



『ユーザー情報取得中...メンタルチェックオールクリア』


小春の前に現れたデバイスが使用者の情報を読み取りガーディアンに転送していく。


「行きます。」


小さく深呼吸をし、小春はデバイスに手をかざした、

そして...、


「「許しましょう、貴方の罪を、示すのです、己の礎を」」


そう唱えると、

たちまちガーディアンが動き出し、小春の意思に従い次々に障害を突破していく。


「はっ!」


そして最速タイムでエンドラインを切った、


「そこまで! 大きな問題は見られませんね、ゆっくり休んでなさい。」


「あ、ありがとうございましたぁ」


実戦が終わると少し疲れた様子の小春が私たちの所に戻ってきた。


「やっぱりすごいよねー」

「尾野さんの家ってロイヤルの中でも強い力をもってる一族なんだっけ」

「えっそうだったの!」


グループの子たちがそんな話をする中、小春はというと、、


「ううううっ、」


恥ずかしさのあまり、赤面でうずくまっていた。




「こ~はるっ」


「しずくちゃん...」


「もぉ~小春は毎回成績もトップなんだから、もっと胸張らないと!ねっ」


「う、うん、ありがとう、」


いつものことながら小春と話をしていると、


「No,007、神代雫、準備に入りなさい」


「あっはい!じゃあ、行ってくるね」


先生に呼ばれ、私はコロシアム中央に立った。


「くれぐれも無理はしないように、いいですね」


「大丈夫ですって!今回はシミュレーションもばっちりですから!」


「そうですか、それではそのシミュレーション通りこなせるように頑張ってください」


「は~い」

(相変わらず固いなぁ紀乃先生は、)


私は小春と違って大きな家系ではないから詠唱とかはできないけど、それでもガーディアンとの意思をうまく繋げれば何の問題もない、それに小春のような家系は全体の10%に満たない、つまり私を含め多くの子は崩落によって起きた突然変異が影響した子たちだ、


(大丈夫、大丈夫、落ち着け私!)


表示されたデバイスに手をかざし、ガーディアンに意思を伝える。


「スタンバイッ!」


両手のひらに神経を集中させ精一杯の意思を伝えた。


(集中、集中、、)


『精神状態安定、シンクロ率85%』


(よし、いける...!)


小さい時からガーディアンセクターになる為、多くの子たちと共に力をつけてきた、

苦手教科はあるものの、勉強自体は実戦に比べれれば苦ではない

ただ一つだけ言えるとしたら、、、


「!?」


『ユーザーメンタルバランスに異常発生、使用者のシンクロ率が大幅に上昇、直ちにシンクロを中止し、使用者の安全を確保してください。繰り返します、、』


突如としてコロシアム中のデバイスからエラーメッセージと共に警報が鳴り響き、私の視界は少しずつ薄れていき、遂に辺りは真っ暗になった。

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