妖怪の山 探索編
「弱ったなぁ。完全に迷ってしまった……。……そうだ!」
何を困る必要があるのだ。私は自分の能力の事をすっかりと忘れていた。
「場所…指定。人物…茨木華扇。」
よしっ、準備は整った。
「転移……開始。」
………
「転移開始!」
………あれ?
「能力が…使えない?」
冗談でしょ。能力が全く使えない。まさか!
「体が小さくなってるから?」
なんて事だ……能力が使えないと言うことは鍵山雛の元へ行くことも、茨木華扇の元へ行くことも出来ないと言うことだ。
「臭い……あると良いけど。」
カッ!
「……。」スンスン
土の臭いだけだ。土の臭いしかしない。
「わぅぅ(どうしよう)……。」
ん?
スンスン
「(この臭い……。なんで!?)」
タタタッ
…………
「わふっ(臭い…ここで途切れてる)。わぅ(あれ………そういえばここって。)」
?「おや?珍しいですね、この山の中で狼を見るとは。」
?「一匹だけなのでしょうか?」
「わぅ(かっ)…わぅ(かっ)…」
「華扇ちゃーん!」
バッ!
華扇「きゃああ!」
…………
華扇「………で、あるからして。」
「はい…はい。」
華扇「ちゃんと聞いているのですか!」
「聞いてるよぉ…。」
華扇「全く。いきなり抱き付くだなんて、発情期の犬ですかアナタは。」
「はい…申し訳ありませんでした。」
…………
この後、華扇ちゃんの小一時間の説教を聞いた私は谷川へ行く道筋を聞いた。
そしてしばらく足が痺れて動けなかったのは内緒だ。
つづく




