目が覚めると
私は神様の天照大神。居候先の家主〈八雲紫〉、紫の式〈八雲藍〉と共に永遠亭を訪れた私は、永遠亭のお姫様〈蓬莱山輝夜〉に難題をふっかけられた。その難題とは奥の部屋でのやり取りを見るというものだった。可愛い兎さんにホイホイ釣られた私は輝夜に指示され、月の頭脳〈八意永琳〉と八雲紫の怪しげな取り引き現場を観察していた。取り引きの観察に夢中になっていた私は後ろから近づく人物に気がつかなかった。私は後ろから殴られ、意識を失った。そして……。
「なにこれ!?」ガチャ!
どういう訳か私は今、薄暗い部屋で手術用のベッドに繋がれていた。
永琳「気分はどうかしら、天照?」
「うん、鎖に繋がれてなければ最高かな。」
永琳「かなり良いベッドなのよ?」
「だろうね、かなり寝心地が良いよ。」
永琳「それで、どうしてこうなったか分かるわよね?」
「二人のやり取りを見たから。」
永琳「物分かりが良くて助かるわ。で、貴女には罰を与えなきゃいけないの。」
「罰?」
永琳「そう。話を聞いていたなら、分かるわよね。紫に頼まれて作った薬、完成はしたけれど実際に効くかは分からないのよ。だから…。」
「実験台になれってこと?」
永琳「その通り。」
「でも、私にそんなことしたら紫が黙っていないんじゃないかな?」
永琳「彼女なら、そこにいるわよ?」
「えっ?」
永琳がそう言った直後、ライトが光り辛そうな顔をした紫がそこにいた。
「紫!どういうこと!さっき言ってたよね、実験台みたいに言わないでって。どうして…?」
紫「天照、ごめんなさい。」
「ごめんなさいって…どういうこと?」
輝夜「まだ、気づかないの?」
「輝夜。」
輝夜「貴女は初めから騙されていたのよ、私達に。」
「騙されていた?」
永琳「これは私と紫、そして姫様が計画したもの。貴女を永遠亭に来させて、薬の実験台にすること。でも、薬に関しての話は嘘じゃないわよ?」
紫「藍と一緒に連れてきたのは、怪しまれないようにするため。」
輝夜「そして、貴女は兎に釣られ私の話に乗る。あとは、同じ流れってわけ。」
「そんな…ことって…。」
紫「ごめんなさい、こんなことして。でも、本当のことを話したら断られると思ったの。」
永琳「本当にごめんなさい。許してくれなんて言わないわ。」
輝夜「でも安心しなさい、体には悪くないはずだから。さぁ、永琳やっちゃって!」
永琳「分かりました、姫様。それでは。」
今、私に危機が迫ろうとしていた。
「Help!助けて!」
永琳「安心しなさい、痛みは一瞬よ。」
「ちょ!まって!」
プスッ
「おうふ!」
永琳「目が覚めた時、どんな姿になってるか楽しみにしてなさい。」
「永…琳…。」ガクッ
永琳に注射器で薬を打ち込まれた私は何の抵抗もできず意識を失った。
…………別室
輝夜「永琳、天照に何を打ったの?」
永琳「ホルモンの成長を妨げるものですよ、それとほんの少し変わったものを。」
輝夜「私には良く分からないわ。」
永琳「分かりやすく言うと、天照を小さくさせる薬です。」
輝夜「へぇ。それは良いものね。」
紫「……。」
永琳「どうしたの、深刻そうな顔しちゃって。」
紫「今更になって自分が何をしてるのかって思ったの。」
永琳「やってしまったものはしょうがないわね。」
紫「はぁ。」
輝夜「ところで永琳。麻酔ってどれくらい効くの?」
永琳「30分くらいです。まだ時間がありますから、うどんげにお茶でも持ってくるよう言ってきます。」
輝夜「そう、お願いね。」
永琳「失礼します。」
スッ
紫「はぁ…。」
輝夜「ねぇ、貴女いつまで悩んでるつもり。」
紫「良いでしょ、月のお姫様には関係ないんだから。」
輝夜「そんなに天照のことが気になる?」
紫「あの娘きっと私を恨んでるわ。」
輝夜「なんでそんな風に思うのよ?」
紫「だって私、あの時助けずに見てるだけだったし、そもそもこうなったのは私が言い出したから。」
輝夜「神様一人に大袈裟ね。なんでそこまで気にするの。」
紫「だって私、あの娘のことが好きだから。」
輝夜「……しょうもない。」
紫「へ?」
輝夜「好きだから嫌われたくないなんて、そんなの他の人間と変わらないじゃない。」
紫「でも!」
輝夜「あの娘が目を覚まして、落ち着いたら必死に謝れば良いのよ。そうすれば許してもらえるんじゃない?簡単な話だわ。」
紫「……。」
輝夜「まったく永琳遅いわね。何をやってるのかしら。」
紫「あの。」
輝夜「何よ?」
紫「ありがとう。」
輝夜「お礼なら、あの娘を貸す日を2日間にして頂戴。」
紫「ふふっ、考えてみる。」
……
永琳「ふふっ。」
鈴仙「師匠、どうかしました?」
永琳「なんでも無いわ(姫様、ありがとうございます)。」
つづく
後半gdgdですいません!orz




