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東方天照記  作者:
31/91

初めての飛行とスピードレース

魔理沙「お~い。早く来いよ~っ!」


「まっ、待ってよ~!」ぜぇぜぇ


魔理沙は箒で飛んでるから楽だろうけど、私は走ってるんだから。しかも慣れない四足歩行!


シュタ


魔理沙「天照、大丈夫か?」


「だっ、大丈夫じゃない…大問題だよ。」


魔理沙「お前は飛ばないのか?」


「だって私、魔理沙みたいに箒持ってないから無理だよ。」


魔理沙「おいおい、何も空を飛べるのは魔女や羽を持ってる奴だけじゃないぜ?」


「へ?」


魔理沙「霊夢や早苗、それに咲夜だって飛べるんだぜ。」


「すごいんだね、幻想郷って…」


魔理沙「早苗の言葉を借りるなら、この幻想郷では常識に捕らわれてはいけないんだぜ。」


「で、どうやって飛ぶの?」


魔理沙「霊夢たちは飛ぶ姿をイメージしてるらしいぜ?」


「飛ぶ姿…」


魔理沙「霊夢に聞いたんだが、こっちに来た時は狼の姿だったんだろ?元の姿に戻った時の感じでやればいけるはずだ。」


「………」フワッ


魔理沙「おっ!」


ドンっ


「あいた!」


魔理沙「くそ~駄目か~。」


「もう一回!」


…………時は動きだす


「どうだ~!」


フワッー


魔理沙「おぉっ!」


「やっ、やったぁ!」


魔理沙「出来たじゃないか!」


「それじゃあ、早速行こう!」


魔理沙「よしっ!まずは近い魔法の森から行くぜ。」


「魔法の森?」


魔理沙「あぁ、変わった植物や茸なんかがあるんだ。ちなみに私の家も、その魔法の森の中にあるんだぜ。」


「よっしゃあ!張り切って行こ~!」


………


「気持ち良いなぁ!」


魔理沙「今はまだ速く飛べないだろけど、慣れたらもっとすごいぜ。」


「魔理沙は速いの?」


魔理沙「もちろんだぜ!幻想郷一の速さだぜ!」


?「あややや!それは聞き捨てなりませんね!」


ビュン!


魔理沙「おっと。」


「うわっ!」


なっ、なに!?


文「ごきげんよう、魔理沙さん天照さん。清く正しい射命丸文です!」


魔理沙「なんだ、文か。一体何の用だ?」


文「いえいえ、天照さんに取材をお願いしようと思いまして。気配を探って来てみれば、魔理沙さんが聞き捨てならない事を仰っていたので。」


魔理沙「なんだよ、事実だろ?」


文「いいえ!幻想郷一のスピードスターは、この射命丸です!」


……そんなこと~!?


文「おや、天照さん。今、どうでも良いみたいなこと思いませんでした?」


「いや!全然!」


鋭いな文ちゃん……。


文「丁度良いです。ギャラリーもいることですし、魔理沙さん私と勝負しませんか?」


魔理沙「別に構わないぜ。私が最速だってことを思い知らせてやるぜ!」


「あの~…お二人さ~ん。」


文「それでは、天照さん。スタートコールお願いします!」


「はぁ、もうどうにでもなれ。いくよ、よーい……。」


文「振り切りますよ!」


魔理沙「一丁派手に決めるぜ!」


「スタート!」



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