天使がお迎えに来ましたが、朝食の時間です
「おはようございます。お迎えにあがりました」
午前7時のアラームで目が覚めると、そこにはよく見る赤ちゃん姿の天使が居た。
「赤ちゃんかわいいと思いましたね?私はあなたより年上ですからね、これでも」
「あ、すいません」
天使のご丁寧な説明を聞くに、死亡予定の今日までの1ヶ月間、自分の側に常に寄り添っていたらしい。
若くして死ぬ直前の善人の魂は各方面から、狙われやすいとのこと。
「さぁ、行きましょうか」
天使が翼を羽ばたかせると、体が浮き始める。
5センチくらい浮いたまま時間だけが過ぎた。
「天使様?」
「うっ……あなたと過ごしていた際にいただいていたご飯やおやつが美味しくて……太ってしまったようです」
最近、食事が1、2口分減ったように感じていたが、気のせいではなく、天使に食べられていたようだ。
そして、天使のぽっこりお腹やむちむちボディは、赤ちゃん特有のものではなく贅肉だった。
ぐう~~~~~。
きゅ~~~~~。
同時に2人のお腹がなった。
死亡宣告から30分、いつもなら朝食を食べている時間だった。
「仕方ありません。延期しましょう」
「はぁ……」
「お腹が空いては力も出ませんからね。さぁ、朝食にしましょうか」
「……そうですね。今日からは天使様の分も作りますよ。一緒に食べましょう」
「わーい!」
年上とは言えど天使は見た目通りのお子様で、甘いパンケーキやお子様ランチを出した時の笑顔はまさに天使だった。
──その後、美味しく食事をしている天使は痩せるはずがなく、死亡宣告はその都度延期され、ついには天寿を全うしてしまったのであった。
─終─
■後書き
7時のアラームで起きようとして、体が重いな~と思ったところで、この話が5センチほど浮かび、勢いで書きました。投稿日前日の朝に書いてから、午前7時丁度の投稿を狙っていたのに失敗しました。くやしー。




