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夜空に浮かぶ新月

作者: 秋葉竹




 


狂えば

楽になります


ウイルスによって

引き上げられた

高熱みたいなもんだから


狂えば

楽になるんです


ただ

どうしても

噛み切りたいほどの

熱いしからみがあって


だれのせいだとか

そんなことじゃなくて


たださざなみが胸を浸し

それは北国の青い波みたいな

やすらかな表情をしてはいるのだが


それは

氷の世界を模した

ただの心のコーティングのお話


だれのせいだとか

そんなかなしみのはなしじゃなくて


その下には

燃え滾るマグマよりも熱い

愛の炎があるのです


いとしさも燃やし尽くし

かなしみも燃やし尽くし

にくしみも燃やし尽くし

せつなさも燃やし尽くし


はじまりも燃やし尽くし

さいごまで燃やし尽くす



そのあとで

いまも

をのぞむのなら


それは

じゃないかもしれないね


だれも

なにも

壊すことなどできないから


ただ不足を感じる

この私の心が

強欲なだけで

さみしいくらいに

強欲なだけで


ほんとうなら

もう

十二ぶんに

充たされて良いのだよ



狂えば

いい


狂えば

いいんだよ

 

とても手の届かない

遠い愛なのかもしれない

とか

じぶんひとりで

保険を掛けないでください


向き合いましょう

ちゃんと目と目を合わせましょう


いとしさも

かなしみも

にくしみも

せつなさも


みえる心があるでしょう?



新月の夜に

夜空をみあげても

月は

みえないけれども


月は

みえないだけで

ちゃんと

夜空に

浮かんでいるんです

そう

でしょ?














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