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ヌウクゾーンへようこそ



 真っ暗な嵐の中、ようやくたどりついたドアの向こうは、酒と煙草のにおいがこもる酒場だった。



 扉の脇に小さなランプがつるされたその家の窓にはよろい戸がおり、中の様子は見えなかったが、すこしばかり大きな家だというだけで、窓辺を飾る花の鉢も、飛ばされないよう処置されてあるのを見て安心し、ネイブは少し前から拗ねたように黙り込んでしまったコーニーの入ったランプを、ドア脇に掛け、入ってしまった。





 たしかに、何度か声をかけても返事はなかったけれど、中に、こんなにたくさんいる気配も、まったくしていなかったのだ。





「なんだかドアの外でわめいてたけどよ、そのキレイな格好。・・・ぼうや、もしかして、役所のやつかい?」




 特徴的な帽子にケープつきのコートをにやけた顔でさされ、どうにか頷く。


「え、・・ええ、まあ・・」



 それに、どっと笑いがおこる。




「そりゃあ、こーんなとこまで、ごっくろおさんだなあ」


 独特のなまりのある言葉遣い。



 酒瓶が並んだ棚を背に、カウンターを陣取る相手はぐふふふ、とこもる笑いをもらすと、ネイブに空いてる隣を示してみせた。




「―― ・・ここは、えっと、もしかして・・・」



「ようこそ、『ヌウクゾーン』へ。 せっかくだあ。一杯どうだい?」





     ―― なんてこった・・・。





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