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『ごしゅじんさま』
すらりと真っ直ぐな立ち姿は堂々としており、こちらの胸ほどの背丈しかないくせに、なぜか、威圧されるような感覚になる。
みあげてくる白く小さな顔。
だが、表情はやはり、子どものものではなかった。
「 おれとおまえは、今から主従の関係だ。 だが、おれは心優しい最後のキラ種族だから、おまえにこう言おう。 ネイブ・シンプソン、――― 160歳の成人、おめでとう 」
「・・・・・・・・・・・」
顎をあげた子どもが、えらそうにみあげている。
長い両腕は腰にすえられ、祝いをのべた口元は、あきらかにおもしろがっている、にやけたものだ。
―――― だが。
「 ・・あ、 ・・りがとう、ございます。 ・・・ごしゅじんさま・・・」
「――― っっぶっ、っぶぶっぶっはっはっはっはっは」
ネイブのお礼に、身を折ってわらいころげ、オモチャまみれで床をころがる子どもを、一瞬でもちょっと、『かっこいいな』なんて、思ってしまったのが、じいちゃんによく似た孫というのを、証明していた。




