こどものこども
「そう!まったくその通りだ!おれは、あのての男が嫌いだ。城に勝手に入らせてはやったが、相手にせずにいた。やつはかまわれないのをいいことに、片端から、開いて、のぞいて、手をつけ、持ち出した」
ネイブは恥ずかしくて黙ったままだ。
だって、うちには昔から、不似合いなほど立派な食器や銀細工の置物があるのだ・・・。
ホーリーはそんなネイブの心を見透かしたように顎をあげて眼を細めると、つい、と自分がおさまっている黒い箱を指す。
「―― ある日、ディルはこの部屋の入り口を見つけ、この部屋までたどりついた。そんんで、オモチャにまみれた黒くて大きな箱を見つけた。 どう見たって『棺』だよなあ? おれは、やつが城にくるようになって、忠告していた。―― 」
『 もしもどこかで棺をみつけたとしても、絶対にのぞくなよ? 』
「―― 思ったとおり、ディル・シンプソンは蓋を開け、おれは、今日みたいに休みの邪魔をされた。 やつとのかかわりを絶ついい機会だったし、おれもいいかげんいらついてたからな。怒り狂ってやつをオモチャにしようとしたとき、おどろいたことに、やつは、こう口にした」
『お願いします!おれをオモチャになんかしたっておもしろくないでしょ?おれに、今度子どもができるんだけど、っい、いや!子どもの、その子どもの子どもが、この先できたとしたら、そいつをあんたにあげるから!!』
だから、自分は助けてくれと、――――。
「―― う・・・・・・そ・・・」
「おまえのじいさんの性格をよく考えるんだな」
笑った子どもが、棺の蓋にのせていた紙を指でつまみあげた。




