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あれは契約書
「もう一度よく、見たほうがいい」
「なにを?」
「あの、『紙』だ。あれは、役所の督促状ではなく、キラ種族との、契約書だ」
「・・・けいやく?」
「ノーム種族のきみたちとだから、あんな紙で交わしたのだろう・・・。そういえば、そんなこともあったのを、わたしも承知はしていたが、・・・まさか、ほんとうにあんな約束を・・・」
ネイブを見つめ言葉を濁すのに、子どものくせに低いホーリーの声が、割ってはいる。
「 『約束』じゃねえ。『契約』だ 」
「・・・本人は、知らされていないのだろう?」
――― 本人って、おれのことか?
なにやら『本人』抜きで交わされる会話に、不安が募る。
聞きたいが、聞きたくないような・・・。




