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きいたことない
「めでたし、めでたし」
白髪の子どもはわざとらしく大きく手をたたき、ネイブをみあげた。
――― ・・・そんな話は、聞いたことが無い。
じいさんの若いころの、うそ臭い自慢話はいやというほど聞かされて育ったネイブは、疑り深く、まだ手をならすホーリーをみやった。
「 で? ・・・じいさんの願い事って?」
どうせ、くだらなく刹那的な願望をかなえてもらったのだろうと予想したそれに、拍手をやめた子どもは皮肉げに口をゆがめる。
「 『えらそうで楽なしごとにつけて、一生安全に暮らせること』 」
「えらそ・・・それって、・・・・・もしかして、・・・」
「そうだ。今の納税局の担当に、このおれがしてやったんだ」
「まさか!!」
「信じられないなら、ジャックに聞いてみろ」
「ジャック!?おまえ、 『王様ジャック』と知り合い!?」
――― こんなガキが?
いや。ちょっとまて。




