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暴君登場
固くした身を、やさしく叩く男が言った。
「ネイブ、あれがこの城の主。 『キラ種族のしぶとい生き残り』、ホーリー・グローリー・ジャッカネイプスだ」
ゆっくりと盗み見た《それ》に、驚いて顔をあげ、じっくりと見直す。
どんなおっかない顔の、でかい男が出てくるかと震えていたら、開いた棺の中で胡坐をかいて、あくびをしているのは、小さな男だった。
―― いや、ちがう。・・・こどもだ。
種族によってはあれぐらいで成人だということもあるが、その顔は、明らかに子どものものだ。
あおみがかった白い髪は、きれいに整えられて切りそろえられ、その前髪は長く、目の上にまっすぐかかっている。
そこからのぞく瞳がなんとも冷たそうな灰色で、肌はおそろしく、なまっちろい。
「 あれが、キラ種族の、この城の主だって? ・・・うそだ・・・。だって、あんな、こどもじゃん・・・」
「こどもはてめえだろ。ノーム種族のガキがおれに何の用だ?47日間休むつもりが、まだ42日だ。 ―― 起こしておいてくだらねえ用だったら、オモチャにすんぞ」
―― オモチャって・・・
床に積みあがるそれらを見てネイブは首を激しく振る。




