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なぜ起こした
「お、きる・・・」
―― じいさんの言ったとおり・・・・。
「起こしたんだ」
「!?な、なんてことを!」
「本人から聞いいたほうがいいだろう?」
「だからって、死者を!」
涙目ですがるネイブを見下ろすアルルは眉をひそめた。
「 ホーリーは死んでなどいないし、さっき言った『キラ種族』の、しぶとい生き残りだ」
「・・・・・・へ?」
棺の蓋が、上のほうだけ、ななめにずれた状態で止まっていた。
まばたきもできないネイブが見つめるその箱の中から、うめくようなくぐもった声がもれ、低い声が恨めしげに響く。
「 なぜ、起こした? 」
「ひいっっ!!」
「ここにいる客人が、おもしろいものを持ってきた」
「ぎゃあ!!ちがう!おれはべつに!いや、たしかにここの住人をさがしてきたんだけど、それは間違いでっ」
「間違いではない。あの書類を出して」
「いやいや、いいです!」
「うるせえガキだな。アルル、静かにさせろ」
がたん、と棺の蓋が、いっきに動き、息を飲んだネイブはそのままアルルに抱きついた。




