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地下室
「今度のは螺旋じゃないし、すぐに着く」
先にそこをおりだしたその背につき、聞いてみる。
「鍵を、 おれが開けたことの意味ってあんの?」
「わたしが開けたなら、ボールは鋼鉄だったかもな。 どうやらやはり、あなたは歓迎されているようだ」
ふりあおぐその眼が、闇に下りてゆく中でも、金色に反射した。
ボールもあった。
人形も、ブリキの飛行機も。ぬいぐるみにクレヨンにびっくり箱に時計に、ばかでかい積み木。
さまざまな玩具がその床いっぱいにあふれかえっている。
足の踏み場もないそこを、ネイブはやや呆然と見渡す。
そう、見渡すほどの広さのはずなのだ。
―― ぐちゃぐちゃで汚いし、この匂いが、薬草?
床はさっきまで遊びさわいでいたかのように、オモチャが乱雑に散らばり、重なり、投げ出されている。
部屋の奥には地下室なのに、長く大きな黒いカーテン。
壁には、本が、立て横ななめに詰め込まれた大きな棚がいくつも置かれて、そばにはテーブルがある。
レースのクロスがしかれたその上には、大きさと形もさまざまなガラスの器が、なにやらあやしい色の液体をたたえてぎっちりと並ぶ。




