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鍵をあける
「・・・・・なあ、おれがあけないとダメなの?・・・」
「できればそのほうが。 なにしろお探しの相手は、そこにいるのですから」
「・・・・うそくせえなあ・・・」
これで、本当に閉じ込められてしまったら、コーニーを死ぬまで恨んでやる。
《お守り》のくせに、肝心なところでまったく役に立たないなんて。
いくぶん、涙目になりながら、覚悟を決めて鍵をさしこんだ。
ゆっくりとまわせば、重い手ごたえがあり、かちり、と反動が伝わる。
「・・・あれ?・・」
よく考えれば、鍵穴はあっても、開く『場所』がない。
じっとみつめる石の床には、これといった継ぎ目もみあたらないし、何も動く気配がなく、何も起こらない。
ネイブ、と小さな声で呼ばれ、振り返ったら、くるぞ、と手招きされ、思わずそのまま、アルルに駆け寄った。




