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落下
とたん、アルルが背にした本の山が、一列ずつきれいに分かれてゆき、最後に小さな木の扉が現れた。
アルルがそこへむかい、振り返ってネイブを呼んだ。
「さっきの書類を持って」
「は、はい」
黄ばんだ紙をつかみ、背の高い男を追う。
かがみこみ くぐりぬけた扉のむこうは、ぐるぐると下へ向かい円をえがく階段だった。
壁の所々に、ロウソクがともってはいるが、どうにも先が、深そうで、終わりまで見下ろせない。
手すりもないその階段の真ん中をつらぬくように、細い柱があった。
先におりていたアルルが止まって振り返り、ネイブを下からみあげ、ふいに口端をあげる。
「軽そうだな」
「なにが?」
ほんの数秒、見合ったと思ったら、いきなり抱き込まれてひっぱられ、突然の浮遊感。
アルルといっしょに、階段から離れて、細い柱沿いに、落下していた。
ぎゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‐‐‐‐
細長い空間に、ネイブの絶叫が吸い込まれていった。




