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四つ足の魔法使い
ネイブが口を開く前に、「きいてみよう」と立ち上がる。
――― 聞く?誰に?
「《本人》に聞くのが一番早い。 ウイザナ、地下室への扉をだせ」
命じられた『魔法使い』が、始めて姿を現した。
噂どおり、暗い金色の毛をした四本足の獣が、のそりとテーブルの下から這い出し、ネイブを思い切り驚かせると、ふん、と大きな鼻を鳴らした。
「―― 47日間、出てこないと言っていた」
「しゃべった!!」
「おまえの青い炎もしゃべるだろう? 何を驚く。我は魔法使いぞ」
頭から背にかけ生えるたてがみが、年代物の真鍮のような輝きで、ぞろりと立ち上がる。
「・・そうだけど・・。魔法使いは よっぽどじゃないと口をきかないって」
「いつの話だ?コミュニケーション能力のない種族は滅びるほかない。どこかの野蛮なディークのようにな」
鈍く輝く太い尻尾の先が、むこうに立つ男を指した。




