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ダンプヒル18番地
役所がつくったその地図には、東西南北の印と、それぞれのゾーンの位置関係と、『抜け道』のありかが記載されている。
『抜け道』とは魔力で縮められた『道』のことで、入るときに希望の場所を告げれば、限りなくそこに近い道に出られるという、役人の考えた『道』のことだ。
『抜け道』に、手にした書類の住所を告げてその場所近くに出る、という方法でまわっていたネイブは、それぞれの《ゾーン》のことなど深く考えてはいなかった。
たどり着いたときに、ああここか、と思うぐらいで。
「 ―― それは、税金の未納者の書類?」
ランプの横に置いた分厚いそれを、アルルがさした。
うなずいて油紙をときひらいたネイブは、それの一番上にきていた最後の書類を取り出した。
「明るいところで見ると、・・・なんかこれ、古いなあ」
雨のせいではなく疲れたようなその紙は、他のものに比べて紙がざらついて分厚く、黄ばんでいる。
ちょっとみせて、と伸ばされたアルルの手にそれを渡す。
「北・ダンプヒル18番地」
「え!?」
アルルが読み上げたそれにネイブは声をあげた。
だって、それじゃあ自分がめざした住所と違う・・・。




