地図をつかえない
かちゃりと静かに置いたランプの中では、青い炎が今にも消えてしましそうだ。
急に心配になり、自分のおかれた状況を冷静に判断。
テーブルの向かいにかけて先にお茶のカップに手をつけた男は、満足気にその香りを楽しんでいる。
ふいに、「毒などはいっていませんよ」と眼があった。
慌てるネイブがお茶をすすりこみ、むせこんだのに微笑むと、スコーンを手に取り、そのままかじりつく。
その、気取らない様子にネイブは肩の力を抜いた。
「ほんと、ラムジイさんのおかげで助かったよ」
「アルルでけっこう」
「じゃあ、アルル。 まさか、いつのまにか『ヌウクゾーン』に入ってるなんて、まったく考えてなくてさ」
「地図を持ってたのでしょう?」
「うん。でも『抜け道』を使ってたから、ちょっと方向感覚がしっかりしてなかったかも。 全体の範囲も、北はディムゾーンまでだとばっかり思ってたから」
くすり、と笑われる。
ちゃんと地図がつかえないことがばれたようで、ネイブは自分がひどく幼いような気になった。
そういえば、ディークはひどく長命だともいう。
「 そりゃ、確認しなかったおれが悪いかもしれないけどさ、上司にだって言われなかったし・・・っつうか、あいつ知ってて黙ってたんじゃねえかな。 やっぱり性格悪いヤツ」
雨でぐっしょりになった地図をポケットから出し、カップの横に開いて置いた。




