お茶を
いくつかのアーチとドアをくぐりぬけ、階段を上ったり下りたりして、一際大きく立派な扉の前にたどり着き、重そうなそれを開け中に行くアルルのあとに続けば、中は廊下のようなランプの明かりもなにもなく、真っ暗だった。
ネイブはコーニーが入ったランプを掲げてみたが、その弱々しい小さな青い炎では、ランプを持つ自分の手ぐらいしか浮かび上がらせない。
その暗闇の中、かなりはなれた方角からアルルの声がする。
「あなたのお守りの炎を隠して」
「え?隠す?」
「コートの中へ」
言われたとおりにしたとたん、ぱちん、と指のなる音が響き、何かが吠えながら部屋中を走った。
コートにいれたランプが震えたけれど、その部屋全部が揺れたというほうが正しい。
ネイブの背中も共鳴するように震えた。
「 わ 」
暗闇がいきなり切り替わる。
見渡せるようになった部屋の中には、いたるところ、見上げるほどに本が積み上げられている。
崩れそうなそれらに囲まれるようにして、大きな白いテーブルと椅子があった。
「お茶でいいですか?」
「え?あ、うん」
答えたとたん、テーブルにクロスが敷かれ、花が現れ、お茶の道具が現れる。
続けてポットが出れば、お茶のいい香りが漂いはじめる。
アルルはいつの間にか上着などぬいで、ブラウス姿になっている。黒いパンツとブーツもどうやら乾いているらしい。
暖炉もみあたらないのに、部屋は暖かい。




