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金色の眼
「で、でも、おれ、ディークってもっと、こう、・・」
「もっと、獣くさい感じだと思ってました?ウルヴ種族よりも?」
「・・・・はい・・・」
「正直な方だ」
アルルの声は怒ってはいなかった。
口元に笑みを浮かべ、黒い帽子を取る男は、物静かで知性ある大人だ。
「おれ、じいさんからディークの戦の話、よく聞かされてたもんで」
言い訳のようなそれに、アルルの足が止まる。
ゆっくり振り返った男の瞳が、あたりの明かりに反射しだす。
―― 本当だった。
じいさんに聞いた話のひとつ。
『ディークは興奮すると、眼の色が金になる』
「 ―― 昔の話を聞くと、血がさわぐので、やめておいたほうがいい」
「は、はい!」
驚いて見つめた眼が、すうっと反射をとき、もとの落ち着いたグレイになった。




