天井の絵
見上げた門が、ゆっくりと開き、二人を迎え入れた。
口をあけてみるネイブを、アルルはおかしそうに、招き入れる。
ジャックの城に入ったことはないけれど、きっとこんな感じなんだろう。
木ではなく、石でできた建物独特の冷たさを感じながら、自分たちの足音だけ響く静かで大きな空間を見上げた。
あれは、シャンデリアという照明だ。
事典で見たことがある。
細く長い柱がたくさん並び建てられ、アーチ型の天井を支えている。
それらに巻きついたように施された細かく美しい彫刻が、ところどころくずれて欠けており、もしかしてこれは、ひどく古い建物かもしれないと考える。
みあげた天井には、どうやらグレーランドの色々な種族たちのそれぞれの様子が描かれているようだが、それもひどく古風な習慣だし、着ている服など布きれだ。
「ノーム種族はあそこに ――」
横から長い腕が伸び一画をさす。
かなり広い範囲に、本を片手に議論しあうような男たちと、子どもを両脇にしたがえて楽器を弾いているらしい女。
「―― 温厚で、賢い種族だ」
「・・・・・・」
そのむこうに、黒い兜をかぶり長いマントをひるがえし、他の種族と戦うディーク種族の絵をみつけたネイブは、気の利いた言葉を返せない。




