小さくなったコーニー
冷たく微笑んだ男はカウンターの中で何もせず、成り行きをみていた男へ小銭を投げ、しわくちゃになったコートをなおすネイブに、落とした書類の束を渡した。
「どこに、むかうつもりだったんだね?」
「あ、あの、何かの間違いなんです。書類の間違いってかんじで・・」
「間違い?間違いでここへ?」
ふいに、酒場中の視線が集まっていることに気付いた男が、出よう、とドアへ先に立つ。
雨も風もまだやまない外に出て、ネイブはようやく息をつくことができた。
「あなたにお礼を言う前に、ちょっと待っててください」
ドアの横に掛けておいたランプをとりあげ、中でゆれる小さな青い炎に文句をつける。
「おい!コーニー!おまえ、知ってたんだな?だから急に眠いとかいって、眠ったふりだろ?おい!こら!」
がしゃがしゃとランプをゆすれば、静かに手をつかまれた。
「ふうん。あなたのお守りは炎ですか?しかも、青色だ」
「おれんちは代々、これなんです」
「ほう、それはいい。 でも、ここでは炎は力を発揮しにくいはずだ。おそらくフリではなく、本当に眠っているのだと思う」
「発揮しにくい?」
「このヌウクゾーンの隣はすぐにボトヌゾーンだ。 全ての光は吸い取られてゆく」
「・・・・本当に?」
「ああ。その輝きで、精一杯なはずだ」
そういえば、ここまで小さくなったコーニーなんて、見たことがなかった。




