嵐
最初のころあげたものの小分け版となっております。
内容に変化なし。
それでもよろしければ。。。。
ホーリー・グローリー・ジャッカネイプスの話をしよう。
ホーリーは、見かけ身長130センチほどの小柄な子どもだ。
独特のおかっぱ頭は青みがかったきれいな白髪。
一直線の前髪からのぞく鋭いグレイの瞳。
目の下には、常に黒い隈。
日に焼けたことのない不健康な白い顔には、澄まして人をみくだしたような鼻が、少し尖り利ぎみにつき、小さな口元は、
―― 常に皮肉げにゆがめられている。
――― ※※※ ―――
ゴロゴロと低く重い雷鳴。
風がときおりひどく巻き、降り続く雨が全身に叩きつけられるようだった。
制服とされる、背の高い筒状の帽子は、決して雨よけになどならない。
コートについたケープは、少しだけ雨の進入を食い止めるのに役にはたっているが、水を吸ったそれはひどい重さになっている。
上司に渡された書類一式は、油紙に何重にも巻き、それを脇に抱え、森から続く道をひたすらたどっているところだった。
「 ―― ちっくしょお。 あと、二軒」
抱えた書類は、税金の督促状。
目指しているのは、納税義務をおこたったやつの家。