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その後の桃太郎(日本昔話の英雄が日本を飛び出て大暴れ!)  作者: 八百万
第1章 ドラキュラ退治
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第6話 ドラキュラ①

 トランシルバニアに着いた桃太郎一行はさっそくお城に向かい、王女様に挨拶をした。


「私が王女のアナです。今では王家もわたくし一人になってしまいました。桃太郎さんどうぞよろしくお願いします」


「あ、はい。自分たちやる気満々なんで!」

 桃太郎は美人でボインのアナ王女に緊張した。


「ところで、そちらの眼鏡の美しい方もお仲間かしら?」

「あ、はい、この子はメデュ……。メイプルちゃんというお友達です……」

 西洋でメデューサの名前を出すことはマズいと察した桃太郎は思い切り誤魔化した。


「桃太郎さん、ドラキュラ退治の作戦はあるのかしら」

「大丈夫です。では、アナ王女、さっそくこのエプロンをして、このレシピのキビ団子をたくさん作ってください」

 桃太郎はファンサービスのためにアテネで買ったピンクのエプロンをアナ王女に着させて、キビ団子を作ってもらうことにした。


「旦那、考えましたね!」

「犬よ、エプロンのチョイスいいだろ。 ベタだが、ハートマークの可愛いやつだ」


 桃太郎と犬がコソコソ話しているのを見て心配になったウィリアムも桃太郎にドラキュラ退治の作戦を訪ねた。


「ウィリアムよ心配するな! 俺と犬でアテネからここに向かう途中に作戦は考えてあるから!」

 

(また、この二人かよ……)


 ウィリアムは少し不安になったが、今までもこの二人の作戦で乗り切っているので信用することにした。


 桃太郎一行はミーティングに入り、1時間くらいするとサルが荷馬車にたくさんの柿を乗せてドラキュラ城へと向かって行った。


「ドラキュラさん、ドラキュラさん!」

「なんだこのサルは! 何しに来た?」

 城の奥から品のある貴族風の吸血鬼が現れ、サルに用向きを聞くと、桃太郎を裏切り味方になりたいとのことであった。


「ドラキュラさん、これは手土産の日本の柿です。どうか納めてください」

「お前、こういう時はトマトの一つでも持ってこい! 気の利かない奴め!」

 ドラキュラは呆れたが、所詮はサルのやることと思って、荷馬車を城に入れた。


「柿と言うのか、一つもらってみよう」

 ドラキュラは荷馬車に積んであった柿を一つとると口にした……。


「ペェッ、ペェッ、なんだこれは! 渋柿じゃねぇか!」

 ドラキュラが口にしたのは渋柿だった。


「引っかかった、引っかかった! 俺はサルかに合戦の話以降、柿は嫌いなんだよ!」

 サルはドラキュラをバカにすると、荷台の柿をぶつけてきた。


「おのれ許せん! 皆の者出てこい!」

 ドラキュラは城の中の吸血鬼を呼び集めると、一斉に襲ってきた。


 一方、柿の積んであった荷馬車からは桃太郎、犬、キジ、眼鏡の美少女が飛び出し、桃太郎一行とドラキュラ軍団は一気に乱戦となるのであった。

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