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異世界の初期設定はバグだらけ。せっかくなので最強ステータスにしてみました。  作者: くるとん
第一章 ふて寝したら異世界に来てしまったようで
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009 唯、気づく。

「レ…レベル20っ?」


 あまりのびっくりに、思わず声がもれちゃった。

 たしかこの町に来たときは…そう、レベル1だったはず。

 レベル1だったから、特別試験を受けなきゃいけなくなったわけで…。


―――どうなってるの…?


 この世界のルールはまだよくわかってないけど、そんなにポンポン上がるものなのかな…レベルって。

 それにゲームとかの知識で考えてもおかしい気がする。

 採取だけでレベルがバンバンあがるとは思えない。

 討伐したとすれば大きなイノシシなんだけど、普通に魔法一発で倒せたし。


―――お姫さまが経験値くれたのかな?


 なわけ。

 でも…考えても答えはでない。

 採取依頼の報告がてら、ギルドのお姉さんに聞いてみよう。


「すみません。」

「はい。あら、ユイさん。依頼の報告ですか?」

「はい。この採取依頼で…。」


 両手を出されたので、一本締めでもするのかなと思い、私も両手を出してみる。

 …さすがに冗談。

 ちゃんと胸ポケットから依頼票を取り出して、お姉さんに手渡す。


「回復花の依頼ですね。少々お待ちください。」


 書類のつきあわせを始めたお姉さん。

 さすがにパソコンとかはないこの世界…紙に手書きがスタンダード。


―――大変だよね…。


 間違ったときとか書き直さなきゃいけないし…パソコン上ならボタンちょちょっとで終わる作業。


「はい…オッケーですね。冒険者証もお願いできますか?」

「冒険者証…はい。」


 これも胸ポケットに入れてる。

 無くすとヤバそうだし、魔法で収納するのが安全だと思うんだけど…。


―――取り出し方…わからん…。


 この後、それとなく聞いてみるつもりではいる。

 っと、冒険者証を出したついでに。


「あの…レベルがすんごく上がっちゃったんですけど…何かの間違いじゃないですかね?」

「レベル…ですか?」


 怪訝な表情を浮かべたお姉さんだったけど、魔法の石板みたいなので調べてくれた。


「えっと…ユイさんの討伐履歴は…。」


 どうやら討伐履歴とかがわかるみたい。

 パソコンはないけど、魔法があるこの世界。

 興味津々で見つめてると、お姉さんが目を丸くした。


「ユ、ユイさん!」

「ひゃい!?」

「えーっと…お姫さまをお助けしたとき…何か倒しました?」


 大きなイノシシ。


「それ…ここら一帯のエリアボスなんですが…。」

「えりあ…ぼす?」

「ここ周辺で一番強いモンスターです…。ユイさん、一体どうやって…。」

「えっと…いろいろと…。」


 お姉さんの営業スマイル、思いっきり引きつってる。

 本当は魔法一発だったんだけど、とてもそんなこと言える雰囲気じゃない。


「ま…まぁ、歴戦のギルドマスターを赤子のように扱うユイさんですからね。きっと私たちの知らない、古代魔法とかを使われたのでしょう。そうに違いありません。エリアボスなんて…ギルド総出で対応するのが常識ですし…。」


 変な納得のされかたをしちゃったけど、否定するのも意味がない気がする。

 伝家の宝刀「苦笑い」を返しておく。


「さてと…依頼の報告でしたね。回復花、こちらのカウンターに出してもらえますか?魔法で数えますので、ざざっとで大丈夫ですよ。」

「はい…あ、えっと…。」


 取り出し方、わかんない。

 諦めたら試合終了だし、最後まで「回復花」って念じてみたり、手をふりふりしてみたり…いろいろと試してはみたんだけど…やっぱり無理だった。


「ユイさん?」

「あ…あははは…取り出し方って、どうすれば良いんでしょうか?」


 またしても怪訝な表情で教えてもらえた。

 手のひらを下に向けて、ゆっくりと念じれば取り出せるみたい。

 意外と簡単だった。


 ポンポンとリズミカルな音に合わせて、回復花が魔法の光に包まれてのご登場。

 数分で山盛りになり、手をふりふりしても出てこなくなった。


―――これで終わりみたいだね。


 申し訳程度に整理して、お姉さんに報告。


「終わりました。多分、115本だと思います。」

「はい。確認しますね。」


 心のどこかでちょっぴり期待してたんだけど、この数には驚かれなかった。

 小説的展開なら「どうしてこんなに見つかるんですか!?」みたいな発言が続くと思ってたんだけど、これくらいは普通らしい。


―――もうちょっと集めてくれば良かったかな。


 なぞの見栄(みえ)はさておいて。


「115本…たしかに。では、こちらが報酬の1000ゴールドになります。お受け取りください。」

「ありがとうございます!」


 報酬ゲットだぜ。

 物価はいまいちわかってないけど、なんとか暮らしていけそうで一安心。

 お腹もぐーぐー鳴ってるし、今日は食費に消えちゃいそう。


「あっ!ユイさん、ちょっと待ってください!」

「ふぇ?はい。」


 お姉さんに呼び止められた。

 何食べようかなみたいな表情で振り返っちゃったけど、軽く咳払いして誤魔化しといた。

 さすがに…ちょっぴり恥ずかしいんだもん。


「忘れるところでした。こちら、スターをお渡ししますね。エリアボスの討伐報酬です。」

「…えっ、良いんですか?」

「はい。普通は部隊の指揮官や功労者に贈られる決まりになっていて、貢献度の調査とかが行われるんですが…ユイさんは単独での討伐ですので…。」

「あ…ありがとうございます。」

「いえ、これからも…この町を、よろしくお願いします!」

「は、はい!」


 お姉さんに頭下げられちゃった私。

 ちょっぴり芽生えた責任感と誇りを、大切にしまう。


―――スター…また増えちゃった…。


 これで3つめ。

 たしか、1つ入手するにも最低1年くらいかかるって聞いてたんだけど…。

 全部バグステータスのおかげだし、なんだかちょっと申し訳ない。


 そしてスターは5つ集めることで、Cランクになれると掲示板に書いてあった。

 あと2回あのイノシシを倒せば…とか、ちょっと裏技チックな方法を思いついた私だけど、さすがにそれは認められないみたい。


「よいしょ…うん。」


 スターを冒険者証にくっつけて、にんまり笑顔。

 窓から見える茜色の空に思いをはせ、冒険者人生の一歩をかみしめてみた。

 …私には似合わなかったけども。


 お金はなんとかなったので、次は住むところを。

 とりあえずホテルを探そうと歩きだしたとき、背後から声をかけられた。


「もしかして新人の冒険者さん?」

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