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【完結済】人生に正解なんて存在しない  作者: 空腹の汐留
本章
30/45

27.会議は踊る、されど

短いです。すいません。

佳市が恵理の自宅で、破廉恥な事件を起こしている頃、準備室の残り2人は、自宅そばのファミリーレストランで例の件について話し合っていた。


真奈美の話によると、証言が取れた友達の妹の話では、「出会い系のお店」を利用してパパ活を行っていた事実はあったようだ。だがそこには『みだらな関係』はないと訴えていた。


しかし年齢を詐称してお店に入店していたため、これを学校に報告すれば、この件に関わっていた学生達には何らかの処分が下ることは間違いない。


「ひょう、これいひょうはわきゃんない・・・」


真奈美は小さな氷をかじりながら、由香に全てを報告した。もうこれ以上はお手上げといった感じで、もう興味すら失っている様子であった。


「・・・男の人の思考って本当にわかりません。女子高生にプレゼントを上げるだけ上げて、見返りを要求しないものなのでしょうか?チヤホヤされるだけで嬉しいの?」


「ひょきゃね、あまっひぇんひゃなひ?」


お金が余ってるのでは?と言いたいのだろうか?由香は無理矢理でもそう解釈する。


「で、今回の首謀者は誰なのでしょうか? 佳市の彼女?」


氷を食べ終わった真奈美が、もう一つ、聞いてきた話を口にする。


「ぶっちゃけ、何もわかんないだよね? 聞くだけどと男性が勝手にやってる感じで、誰かが煽ったとかは無いみたいだよ? でも、このグループのルールとして、SNSにパパ活で貰った物や行ったお店は必ずアップしてたらしい」


本当にたったそれだけで、ここまで男性を扇動出来るものか?と由香は考え込む。そして、そういった”知恵”を最初に吹き込んだ者がいるはずである。それが誰なのか全く分からなかった。仮にそれが、うちの生徒であれば、稀代の詐欺師にでも成れるほど、悪知恵が働く者で間違いない。


「とりま、文ちゃんには報告しとく? これだけでも大問題だよね」


「いいえ。もう少し待ちましょう。まだ気になる事があったので」


そう、気になる事がもう一つあった。


心美が『ひかり』と偽って、投稿を続けているアカウントには、繰り返し何度も登場している若い男性の姿があった。この人物だけが、他のパパ活相手とは明らかに違い、心美と非常に親密な関係に思えていた。


(この男性は一体誰・・・。首謀者?心美との関係は?)


次々に疑問が湧き出てくる。由香にとって心美は疑問の宝庫である。


「私は佳市の彼女について、もう少し調べてみます。恵理が直接本人と話しをするとは思いますが、こちらも別で噂とかないか探ってみます」


「ゆかりんはいつから探偵さんなのかな?」


由香は既に校内興信所とでも称されるかもしれない。それほどまで、この件にのめりこんでいた。もちろん友人である恵理や佳市のためではあるのだが、それだけでは説明が付かないほど、自主的に行動をしていた。


「あの女にはもっと別の裏があるはずです。多分、友達も利用されているのだと思います。あと、この写真の男性にも興味が。この人だけはなにか『別枠』で考えた方がいいと私の勘がそう言ってます」


「何か根拠ってあんの?」


実際、根拠と呼べるほどのものは全くない。

ただ一つ一つが、由香に何かを問いかけているように感じていた。


そして本当に肉体関係無しにここまで男性は女性に貢ぐものだろうか?そういった疑問も残っている。


兎に角、全てのピースが揃うまでは、このパズルを止めるつもりは由香には無かった。


「根拠はまだありません。ですが、恵理が佳市の彼女と話せば、何かが分かると思っています。それまでは────」


「タイミングが合ったときに言ってね? 私から文ちゃんに話はするから。どうせもうすぐ卒業だしさ」


「あら? 小郡さんは卒業できるのですか?」


「失礼な! これでも出席日数は足りてるよ! あとは試験だけ・・・」



その試験が一番の課題であると、由香は知っていたので、それ以上話すことをやめた。

取り敢えず、停学レベルかな?


ですが、もう少し、続きます。

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