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【完結済】人生に正解なんて存在しない  作者: 空腹の汐留
本章
24/45

21.自分を知る事

佳市は今、恵理とその母親である【京香(きょうか)】に連れられ、ある病院へと来ていた。


決して体調が優れない訳ではない。

確かに一時的に食事を取れない時期があり、万全とは言い難いコンディションではあるが、どこかが痛んだりや、咳や鼻水が出る訳ではない。



佳市の異変に気付いたのは数日、彼の自宅で一緒に生活をしていた恵理であった。


一昨日の事である。佳市が唐突に恵理に尋ねた。


「先輩? 何か聴こえません?」


勿論、恵理には何も聴こえておらず、始めは空耳として片づけた。その後も佳市が同じことを聞いたため、自身の経験から、精神がなんらかの異常を訴えているのではないか?と思いたった。自殺しようとしたのだから、相当なストレス負荷が佳市を襲っているのは明らかであり、とうとうその限界を迎えてしまったのではないか?と心配になった。


要領をえないなか、色々質問をしているうちに、ある返答で止まった。


「心美と別れたい、別れなきゃって気持ちはあるんですけど、何で別れるのか理由が分かんないです。ただ別れたいって気持ちははっきりしてるんですけど」


佳市の記憶から、心美と別れ話をする原因や過程の情報が消失していたのだ。


あの日、心美と電話で話し、別れ話を切り出したが別れることは出来なかった、という結果だけが、佳市の頭の中には残ってはいた。


実は恵理も、元カレとその兄弟から強姦と言っても問題がない行為を受けたとき、一時的に記憶がおぼろげだった時期があり、経験から、その電話で何らかの変調が起きてしまったのだと考えた。

そのことを自身の母親へ今後の対応について相談した。京香も「娘が決めた相手のためなら」と仕事を休んでまで、病院に付き添うこと提案してくれたのだ。



そして佳市に下された判断は 【解離性健忘】の疑い だった。



無論、初診のため、現時点で断定することは難しいが、ここ一週間の記憶も、それ以前の記憶もハッキリと残っており、何故か『心美と別れる理由と電話で話した内容』の部分がごっそりと消えていたことから、疑わしいとの話だった。


「佳市くん、私達も協力するからね?困った事があるなら何だって言ってちょうだい?」


「困った事はないんですが、これってまずいんですか?」


正直、佳市は金銭的に余裕がなく、診療を続けたくないと思っている。なので問題がないのであれば、このままで良い。さらに、恵理の家族まで自分の事に巻き込んでしまう事に申し訳なく、有耶無耶に終わらせようと考えていた。


「佳市? これは佳市自身が起こした問題だから、アタシ達は何も言えない。でも自分の心が限界にきてることだけ分かって?。あとアンタの事を心配している人達が周りに居ることも分かってるの?」


恵理の言葉にハッとした。自分の事だけを考え、周りの心配まで気が回っていなかった事に自覚をしていなかった。いや、分かってはいたが、自分が耐えれば、そのうちなんとかなると考えていた。


「アタシは、アタシを助けてくれた佳市に感謝してる。ぶっちゃけ何だって出来る。そんな気持ち。それだけの事をしてくれたと思ってる。だから、前にも言ったけど、頼ってほしい。じゃないとあんた、また消えようとする。それだけは許せない」


「私も、娘に聞かされるまで、自傷が治まった理由が不思議でならなかったの。あなたのおかげだって聞いた時、どれだけあなたに感謝したことか。お金の心配ならいらないわ?うちにはそれくらいの余裕はあるから。だから今はしっかりと自分と向き合って頂戴?」


佳市には理解ができない。なぜ他人である自分にここまでの事をしてくれるのか?何もメリットがない事を進んでやってくれるのか、全くといって分からなかった。


「なんでそこまでしてくれるんですか?」


「あんたが大好きだからに決まってるでしょ!これからもずっと一緒に居たいから!」


京香はあらあら、うふふ状態で恵理と佳市の光景を見守っていた。


「ちょ、ちょっと声、大きいって」


「え?・・・あっ・・・」


周りからの視線を集めてしまったことに、恵理は萎縮してしまい、泣きそうな目になっている。そんな恵理もまた可愛らしいと、佳市の心の中の何かをくすぐる。


「私から二階堂先生を通して、学校にあなたの現状について話をしておくから心配いらないわ。 あと私からも娘の事を宜しくお願いします。出来の悪い子だけど、あなたへの思いに嘘はないと思っているから。で、ここまで女に言わせておいて、逃げるのはなしよ?」


「あ・・・う・・・よろしくお願いします・・・」



女性ってみんなこんな感じなの?


ルマンと体調不良もあって、ストックが切れましたw

頑張って書きますが、更新が一日二回になるかもしれません。


鬱回はざっっと短時間に書かないと、心が持ちませんでしたが、

日常回になると、余裕をもって書かないと、内容が薄くなってしまいますね。


でも頑張ってまいります!


そろそろ、話を動かさないと・・・


あとこの話は大きくは影響してきません。

あれほどの事があればこうなるよね?人の精神って脆いんだよ?ってのを伝えたいとおもい挟みました。

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