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【完結済】人生に正解なんて存在しない  作者: 空腹の汐留
本章
14/45

11.僕はもう分からなくなっている

自殺未遂バレした夜。


久しぶりにスマホの電源をつけた。

あれ以来、自宅に置きっぱなしになっていた。


連絡を取りたくなかった。


メッセージを見たくもなかった。


どうせ彼女の上塗りの言葉で埋められてる。



そして




僕の予想は当たっていた。




from SNS

9/9

心美:『今日欠席?教室に行ったら、来てないってきいた』12:40

心美:『体調悪いの?行こうか?看病してあげる!』17:33

心美:『気づいたら連絡ちょうだい!』19:12

9/10

心美:『今日寝坊しちゃって、お弁当ないの。ごめん!』8:09

心美:『大丈夫?心配です』17:35

心美:『体調悪かった?ハードワークだったもんね』23:10

昨日

心美:『今日も欠席?佳市の上履き、また悪戯されてたよ?』9:22

心美:『お弁当、勿体ないよ?』12:37

心美:『連絡下さい』23:51

今日

心美:『登校していますか?上履き無くなっていました』8:14

心美:『お休みですか?』11:28

心美:『大好きです。心配です。』12:49

心美:『会いたいよ』17:33




事実と嘘が織り込まれた不快な文が並ぶ。


彼女は浮気現場を目撃された事を知らない。僕が登校している事も知らない。


()が何も伝えていないから。


だから偽りの言葉を並べれるのだろうか?


『大好き』『会いたいよ』が僕の心を掻き乱す。

他の男とあんなことしておいて、よくこんな言葉が使えると思う。どういった思考回路なのであろうか?理解しようとさえ思わないが。


こみ上げてくるまた胃のムカツキ。

出るものは水分のみ。


そろそろ食べないと本気で死ぬ。

流石に餓死はしたくない。





スマホがピーンと鳴る。



心美:『既読ついた♡やっと元気になれた?会いに行ってもいい?』


また吐き気が激しくなる。

気持ち悪い。

体調も彼女もどっちもだ。


今日は他の男と予定が合わなかったのだろうか?なので今更家に来るとか言いだしたのかもしれない。

こちらは顔を見るだけでフラッシュバックで卒倒しかねないのに。会える状況じゃない。


佳市:『ごめん。大丈夫。ちょっと近々に稼がないといけなくて。だから会えない。ごめんね。』


嘘で固められた言葉に嘘で返したつもり。何が悪いって言うのか?だが気持ちはザワついていた。


心美:『そっか。体調悪いのに頑張るね。でも体が一番だよ?心配だから無理しないでね?明日のお弁当は?』

佳市:『ごめん。暫くは要らない。また宜しくね。』

心美:『そっか。無理しないでね?早く会いたいよ?大好きだよ』

佳市:『おつかれ』


そこで画面を閉じた。


中身の無い会話。

本当はそんな事ないのに、上辺を繕うだけの意味のない会話。自分が使った嘘にやりきれない気持ちになっている。正直こんな事をしたくない。本心から話しをしたい。それなのにあなたは・・・


スマホを布団の上に置き、頭の中で今の出来事を整理する。

彼女はいつも通りだった、なのに僕は違った。


どちらが間違いで、どちらが正しいのか分からなくなる。




何も無い部屋の何も変哲もない天井を見上げる。



ちょっとだけお腹が空いた気がした。


19時に次を投稿予定しております。


主人公、ちょっと諦め気味ですね.........。

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