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【完結済】人生に正解なんて存在しない  作者: 空腹の汐留
本章
11/45

8.耐え難きを耐え

ほぼ後半はポエムかも

情けない.........。

普段あまり使われない、準備室そばの男子トイレ。

教職員用が併設されているので、生徒が使う時は、調理実習とか裁縫実習がある時ぐらいだ。


初めの頃、何度ここで泣いたっけ?

みんなに見せたくないから、わざわざここで泣いてたことを思い出す。



結局今日は下校時間までトイレの個室から出る事ができなかった。


繰り返し昇ってくる嗚咽感に苦しみ、もう胃酸すら出ない状況なのに、体は反して異物吐き出そうとする。


どれだけ吐こうとしても、あの光景は僕からは出て行ってくれない。

だから無意味な行動なのに、人体の不思議。




なんとか落ち着いて、準備室に戻ると、もう誰もそこには居なかった。


先輩たちは既に下校してるだろうし、先生は職員会議だ。




僕は矢継ぎ早に登校日誌を記入し、今日のアリバイを見繕った。






外では運動部が活動を始めた音がする。




続いて吹奏楽部がチューニングを始めている。






僕は、自分の教室に僕の場所がまだあるか、確認をしに行く。














1-3の教室の扉を開けると、中には誰もいなかった。




つい先ほどまで、ここは僕の事を嫌う連中の住みかであった事を忘れる。




そして僕の机を探した。




探した。という言葉に疑問をもつかもしれない。




だけど、本当に探した。




だって本来あるべき場所になかったからだ。




教室の隅に逆向きに壁に押し付けられた机と椅子が一対。


僕の席だ。




確か、中には私物が少しと体操服を横に掛けていたはずだが、それも見当たらない。


机の中も綺麗に空だ。


きっと誰かが()()()てくれたんだ。




ぐっと唇を噛み、教室から出た。





人の物を勝手に処分する時って、どう考えながらするのか?ほんの少しでも、罪悪感とか湧かないものか。




悪口だって同じだ。

勢いで出た言葉が相手を傷つける。

悪気がなかったとか、そんなつもりじゃないとかは通用しない。



「のりもと菌」


「貧乏病が移る」




小学生の頃、僕に贈られた言葉だ。


今から思い出すと、本当に意味がない。

多分それほど悪気もないだろう。

でも僕は傷ついていた記憶がある。




何回されても慣れない仕打ちもある。




かくれんぼ中に僕以外の全員が帰宅していたり、缶蹴りで僕の番だけ、缶を池に落とされるとかは慣れた。それに、そういった仮の友達を作らず、1人でいれば被害は無いしね。




でも、こういった強制的な環境で小さな事が積み重なってくると本当に心をえぐられる。




「多分下駄箱もか」




そう考え、土間へ・・・行こう・・・僕・・・行こう・・・








ガチャっと下駄箱の扉を開ける。




上履きなんて・・・なかった。




バラバラになった、上履きだった物を手に集め、再び準備室に戻った。










机の上に仕打ちを並べる。




僕がお金を出して買った物。




()()()()()して、その対価で()()()()()で買った物の形が無い。




買いなおすお金なんてない。




体操服に上履き。




悔しい




涙が




涙が




止まらない








それでも太ももをつねって、涙を止める。




僕の太ももは癖のために青あざだらけだ。




今は耐えよう 堪えよう。




虐めは大丈夫。慣れてる。




楽になる時はもう近いんだ。

このあと20時にアップ予定です。


同じく短いです。短い=超鬱回です・・・


あと、浮気女ですが11話くらいに再登場予定です。


※感想、本当にありがとうございます。皆様がどう思っているか分かると助かります。ぜひお願いいたします。評価、ブクマも合わせてお願いいたします

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