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第91話 神器を持って

今回はタイトル通り、『神器』を中心とした話となっております。同時にエルとルリの成長も見ることが出来るので、是非最後までしっかりと読んで貰えたら嬉しいです!


それでは、どうぞ!

65階層のモンスターハウスをクリアしたグレムたちは、次から次へと降ってくる宝の山に見とれながらも、使えそうなものを探索していた。


「お金には全く困ってないから、この宝の山はいつか来る冒険者たちのために取っておいてやろう。」


グレムは2人にそう言う、エルはこう返した。


「そうですね…それに、まだあと5階層もありますし、あまり持ちすぎると重くて動けなくなっちゃいます。」


そう言いながら、エルは宝の山を掻き分ける。ルリが言った。


「けど…それなら今後使えそうなものしか取れない…そんな都合のいいもの…あるかな…?」


「まぁ分からないけど探してみよう、こんなにあるんだ、何か1つくらい使えるものがあってもおかしくは無いだろう…あっ!!」


グレムは驚くような声をした、何か見つけたのだろうかと気になり、エルとルリはグレムの方へと近づく。


「ルリ!!凄いいいもの見つけたぞ!!ほら!!」


そう言ってグレムは見つけたある短剣をルリに見せる。鞘は黄色、刃は…光沢がある綺麗な金色、そして柄は黄色と茶色を混ぜた様な色をしている。ルリは何が()()のか、見ただけではあまり分からなかった、なので、グレムに聞いた。


「ご主人様…この短剣…何が『凄い』の…?」


「試してみれば分かる、まず今まで使ってた竜の牙刃(ドラゴンズダガー)に雷を込めてみろ。」


ルリはコクンと頷き、いつもの様に短剣に雷の魔力を込める。


バチッ!!バリバリバリッ!!


雷が宿ったように、短剣には火花が散る。少しだけ、雷が走っているのが見える、グレムはその後にその黄色の短剣をルリに投げ渡してから言った。


「よし、じゃあ次はその短剣に同じ事をやってみろ、驚くなよ…?」


ルリはグレムの言葉に不思議に思いながらも、その短剣に雷の魔力を込めてみた…すると…


バアアァァン!!!ビリビリビリビリッ!!


まるで短剣に雷が落ちたような音がして、ルリの周りまでもにその電撃が走る、そして、明らかにさっきの竜の牙刃とは比べ物にならないほどの雷が短剣に走っている、そのため、その短剣には、目に見えるくらいの電撃が出ていて、雷が帯電しているのがよく分かる、ルリは驚いて、その短剣を見ながら言う。


「ご主人様…これは…。」


「その短剣は、間違いなく、()()の神、()()()()()()と、()の神、()()()()が協同して作った、雷神の短剣(エルダーズ・シーカ)だ。雷神が作ったからか、最初から雷の魔力が込められている、故に雷の魔力を持ち主がさらに込めれば、それは神にも匹敵する稲妻を起こすだろう。まさに今のルリにぴったりだ…良かったな。」


そう言ってグレムはルリの頭を撫でる、すると、ルリは言った。


「これで…またさらに役に立てる…私…頑張るから…ご主人様…!!」


「おう、期待してるぞ、ルリ。」


グレムは笑顔で返した、その時にエルが言った。


「私もそのような武器、欲しいです!!」


「え?けど、エルはかなり十分戦えてるぞ?」


「ダメなんです!!…先程のミノタウロスのときには…少しご主人様に迷惑をおかけしました…だから、私ももっと強くなりたいんです!!だから…お願いします!!」


「分かった分かった、探してやるから、エルの杖。」


そう言ってグレムはまた宝の山の中を掻き分ける。そして、さっきの言葉に続けるように言った。


「けど2人とも、『役に立てる』だの、『迷惑をおかけした』だのはもう気にしないでくれ。俺たちは()()()()で、さらに()()だ。役に立てなかったからって気にするほどの事じゃない、次かそのまた次でも、頑張ってくれたらいいんだ。あと、迷惑をかけるのは当たり前だ、それこそ怪我をしたら俺はエルに治してもらってるし、俺の手が塞がっている時は敵への対応を2人に任せたりするだろう?だから、もう気にするな、さっきも言ったが、俺たちは()()だ、それだけを大切に考えてくれていればいいんだよ。」


「ご主人様…。」


2人はそのグレムの言葉に感動した、エルは涙ぐみながら自分の主人を呼ぶ、ルリも少し涙を流した。グレムは後ろの2人を気にせず杖を探しながら言う。


「う〜ん、これだけ探してもないってことあっ!!」


グレムは突然驚いた声を出した、そのグレムの反応にエルとルリは泣いていたのに思わず笑ってしまった。


「あった!!あったぞ!!エル!!」


「人間って言葉の途中で驚くとああなるんですね…。」


エルは笑いながら言う、ルリも笑って言う。


「ふふふ…ご主人様…面白い…それに…本当に…いい人…。」


グレムは見つけた綺麗な純白の杖をエルに渡す。


「ほら!!持ってみ持ってみ!!」


「何故かご主人様のテンションが異様に高いような…。」


エルはそう言いながらもその杖を受け取ると、全身から魔力が溢れてくる感覚を得た。エルは不思議そうに自分の体を見つめて言う。


「この杖は…一体…。」


「その杖はな、恐らく()()の神、()()()が作った祈祷の杖(オラシオン・ロッド)だ。その杖は希望の神、アゾナがその杖で、ある貧困な村の周りの大地を作り替え、畑を耕せるようにして、その村の人々を救ったという神話にも載っている。名前の由来は、その村の人々が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことからついたと言われている。」


「そんな杖が…こんなところに…。」


エルは話を聞いて驚いている、グレムは続けて喜びながら言う。


「俺のテンションが少し高いのは神が作った武器、いわゆる()()を2つもゲットできたからだ!こんなに凄いことはなかなか無いぞ!!」


エルはそれを聞いて言う。


「だからですか…けど確かに凄いことですね、こんなに凄い武器を2つも取る事が出来るなんて…。」


「ルリ…早く試してみたい…!!」


グレムはルリの言葉を聞いて言った。


「そうだな!じゃあ66階層へと武器を試しに行こう!!」


『お〜!!』


エルとルリは同時に返事をした。


2人も少し喜んでいるのか、いつもより大きな声を出した。





バチバチバチッ!!!バリリリリリ!!!


ルリは目の前のジャイアントオーク3()()に1歩も引かず、新たな短剣に雷の魔力を込めて構える、そして思う。


「(私なら…出来る…もっと速く…もっと強く…!!)」


バチバチバチバリバリッ!!ギュン!!!


その瞬間、ルリは消えた。


「<<神速の雷斬(グローム・コルタール)>>!!!」


バアアアァァァン!!!


雷が落ちたような音がしたと思うと、ルリはいつの間にかジャイアントオーク3匹の奥側にいて、さらにそのジャイアントオーク3匹には、少し黒く焦げながら、致命傷になるほどの深い斬りつけられたような傷痕があった、そして、その3匹はほぼ同時に倒れた。


「…私にも…出来た…!!」


ルリは自分が思い描いた事を出来たため、喜んでいた。





一方その頃、エルの前には1匹の普通より明らかに巨大な帝王熊が佇んでいた、エルは思う。


「(相手は恐らく『特異種』…だけど…私にだって、倒せないわけじゃない!!)」


エルがそう強く思うと、杖がその思いに答えるかのようにエルにさらなる力を与えた。エルは少し笑ってから魔法を唱え始めた。


「<光の精よ!今こそ、我の目の前の悪しき者に、裁きの鉄槌を下し給え>!!!」


大迷宮の上にまた光の穴が空く、だが、その光の穴は、以前より大きく、そして広かった。


「<<光の裁き(リヒトジャッジメント)>>!!!」


キイィン…ドンッ!!!!


その光の穴から放たれる光の柱もまた、大きく、太かった。その光の柱は、全てを貫通し、エルの目の前の帝王熊の元へと届いた。


ドオオオオォォォオン!!!


「ギャアアアアアアアアア!!!」


帝王熊はあまりの光の強さに、悲鳴を上げた、そして、その光が消えると、帝王熊はその場に倒れた。一撃だった。


「出来ました…ご主人様…!!」


「ああ、かなりよかったぞ。」


グレムはその2人の戦闘を近くで見ていた、ルリがこっちにとててててて、と走ってきて言う。


「どうでした…?どうでした…!?ご主人様!!」


「ルリも凄かったぞ、かなり俺の速度に近づいてきていた、こりゃあ抜かされるかもしれんな。それに、雷の魔法の使い方もよかったぞ〜。」


そう言ってグレムはルリの頭を撫でた、そして、正面を見る。


正面には、エルとルリの戦闘でこちらに気づいたのか、66階層の魔物の軍勢がこっちに進んできている。それもまた、ジャイアントオークやゴブリンロード、帝王熊など、大型の魔物ばかりである。全てを相手にするのは、かなり辛そうだ。


グレムは2人に言った。


「それじゃあ、2人にはいいものを見せてもらったから、俺も見せようかな。」


そうグレムが言うとエルとルリは目を輝かせて言う。


「魔術ですか!?魔術ですか!?私、楽しみです!!」


「ルリも…楽しみ…一体今度は…ご主人様はどんな魔術を…♪」


グレムは少し前に出て言う。


「2人とも、俺の体に掴まっとけ。」


そう言われたので、2人は不思議に思いながらも、グレムの体にしっかりと掴まる。


「じゃあ…いくぞ…?見たいのなら目を閉じるなよ。」


またそう言って、グレムは詠唱を始めた。グレムの足元には、緑色の魔法陣が光りながらほとばしっていた。


「<風神よ!天を動かし、大地をも揺るがすその風の力で!全てを飲み込み滅ぼし尽くせ>!!!」


「<<滅尽の大嵐(メル・ダルガリア)>>!!!」


グレムがそう唱えると、目の前の魔物の軍勢の頭上に、どこからともなく雲が現れ、それが轟く雷と、とてつもない暴風を巻き起こした。魔物の軍勢はその()()に巻き込まれ、ある魔物は吹き飛ばされ、ある魔物は雷に打たれ、さらにある魔物はあまりの風の強さに体が引きちぎれていった。


こっちにもその暴風が来た。エルとルリは精一杯グレムにしがみつきながらも、目の前にあんなにもいた大型の魔物たち全員が、簡単に倒されていくのを見て、目を輝かせていた。


その大嵐が収まった後、生きている大型の魔物は1体もいなかった。グレムたちは、散らばったその魔物の軍勢の死体を見ながら67階層への階段への道を歩いていく、エルが言う。


「本当に…1体も…文字通りの…()()…。」


ルリも言う。


「凄かった…まさか()を起こせるなんて…しかも…屋内で…、ご主人様…凄い…!」


「ご満足いただけて何よりだよ。こっちもいいもの見せてもらったからな、そのお返しだ。よし、先に進むぞ〜!!」


グレムはそのまま67階層へと進む階段へと歩いていった。エルとルリは未だにご主人様の事を「凄い…!」と思いながら、ご主人様に付いていった。

どうでしたでしょうか?


次回はいよいよこの大迷宮も終盤戦…70階層目に隠されたものとは!?そして、何が起こるのか!?乞うご期待です!!


それでは、また次回お会いしましょう!

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