第90話 屈強な魔物と宝の山
今回は前回の予告通り、主人公たちにピンチが…!?という話になります。ダンジョン内での主人公たちの戦いを、是非、想像しながら読んでいってください!!
それでは、どうぞ!
グレムたちは60階層の敵を殲滅し終わると、少し休憩を取ってから、また、探索を始めた。
「あれだけめんどくさい魔物が大群を作ってたんだ、何かあるんじゃないか?」
グレムはそう言いながら60階層内を歩き回る、それに付いて回っているエルが言う。
「確かに…あれだけの魔物がいたら何かがありそうではありますね…。」
ルリも言った。
「ルリも…何か隠されてそうだなとは思った…けど…、本当にあるのかな…?」
3人はそう話しながらも探索を続けたが、それらしきものは見つからなかった。
「これは…無いな…嘘だろ〜あんなに頑張ったのに何にも無いって、割に合わん!」
エルがグレムのその言葉に対して言う。
「け、けど…もしかしたら宝の山がある階層が設けられたりしてるんじゃないでしょうか?さらに奥深くに…。」
「う〜ん、まぁいいか、先へ進もう。あと魔物全部を殲滅する必要はなさそうだな、余計な体力を消耗するから目の前に出てきた魔物だけと戦おう。」
「そうしましょう!!」
「お〜…。」
エルとルリはそう返事をした。
64階層目…
「う〜ん、まぁこれと言った宝は無かったな〜この64階層までの間に。これはエルが言った事が合ってるのかもな。」
ルリが聞いてきた。
「宝の山がある階層がある…ということ…?」
「まぁ、そうだろうな、ここまで来て何も無かったです、じゃさすがに終われないだろう。というか終わって欲しくない。」
「それじゃあ、先に進みましょう、ご主人様。エルはまだワクワクが収まりきらないです!!」
「根っからの冒険家だな、エルは…よし、行くか。」
グレムたちはそう言って65階層目への階段を下りていった。
ギイイイィ…
65階層への扉を開ける、すると、また小さな闘技場のような場が広がっていた。だが、今回は床は円状ではなく、四角い形をした場所だった。
「ここは…なんだ…?ミノタウロスと戦った時よりかなり広めに作られているし…少し形が違う…。」
エルがその言葉を聞いて言う。
「と、取り敢えず戦闘準備をしておきます!!」
「うん…何か…来そう…。敵の気配がする…。」
グレムたちがそう言いながらその四角い場に入ると…
ボワッボワッボワッボワッボワッ…といくつもの周りの赤い松明に、炎がつき始める。そして、松明に火が全部つき終わった時である。
シャアアアァァァ……と黒い霧がグレムたちを取り囲むように出てきて、その中から何匹もの魔物が出てきた。グレムが言う。
「成程…ここはモンスターハウスっていう所か、それも、絶対に通らなければ先に進めないっていう鬼畜仕様だ。」
3人は互いに背中を合わせる、グレムがまた続けて言う。
「2人とも、くれぐれも無理はしないように。それと、怪我をしたらすぐに言え、俺が結界を張って、エルが治療をする。準備はいいか?」
『はい!!』
「よし、じゃあ行くぞ!!」
グレムがそう声を出した瞬間、大量の魔物の軍勢が襲いかかってきた。グレムは魔術を唱えた。
「<我全てを凍らす絶対零度を操る者なり。その天地をも凍らす氷剣を、我が腕に現出させよ>!!」
パキイイィィィン!!!
グレムの腕の先に、いくつもの氷が集まり、極低温の剣が出来上がっていく。そして、それをグレムは掴んで言った。
「<<絶対零度の氷剣>>」
グレムはその氷剣をブン!!と振るうと、その氷剣を振るった先にいた魔物たちは全員凍りついた。誰一人、動ける魔物はいなかった。
そして、グレムはその魔物が凍ってできた氷を叩き割るように、とてつもないスピードで走りながら、その氷剣で斬り裂いていった。
バキキキキキキキキィィィン!!!!
一瞬にしてグレムの前にいた大勢の魔物が、ただの崩れた氷塊と化した。
ルリはそれに見惚れていた、そうしていると、後ろから魔物が剣を振るってきた。だが、その瞬間にルリは消えた。
その魔物は首を横に振ってルリを探す、だがルリはどこにもいない。ルリは、その魔物の頭の上にいた、そして言った。
「せっかくのご主人様の魔術…見てたのに…邪魔しないで…!!」
バチッ、バリバリバリバリッ!!!
ルリの短剣に雷の火花が散り出した、ルリはその魔物の正面に下りて、短剣を構えた瞬間に消えた。まるで雷が走るようなスピードで、ルリは目の前にいた魔物の軍勢の間を走り抜けながら斬り裂いた。
「<<電光石火の斬撃>>!!!」
バチッ!!バチチチチ…
魔物の軍勢を切り終わった後も、ルリの短剣には雷で火花が散っていた。
エルは魔法を唱えていた。
「<光の精よ!我が目の前に至る魔物の大群を全て浄化する天の光を授け給え>!!!」
大迷宮の上の空にいくつもの光の穴が出来る、周りの人々は不思議そうにその空を眺めていた。そして、その光の穴から、光の柱が放たれた、それは、地面も、壁も、大迷宮をも貫通し、エルの元へと届いた、エルはこう唱えた。
「<<拡散する天の裁き>>!!!」
その何本もの眩く光る光の柱は、エルの目の前にいる魔物の大群に向かって動き出した。その光の柱に当たった魔物たちは、全て浄化され、消滅していく。
目の前の魔物を全て浄化し終わった後で、その光の柱と、穴は段々と細く、狭くなっていき、消えた。エルは「ふぅ〜」と、一息つく。
「2人とも!大丈夫か?」
グレムはエルとルリに声をかけた、すると、どちらも返事をした。
「こっちは…!倒し終わったよ…!ご主人様…!」
「こっちもです〜!!全滅させました〜!!」
グレムは大丈夫そうだと一息つく、そして、奥の扉が開くのを待つ、が、扉は開かない。
グレムが「まさか…?」と思った瞬間、
ズドオォォォン!!!
グレムの後ろ、エルとルリからすると正面に、赤いミノタウロスが降ってきた。手には、大剣を持っている。
「ギャオオオオオオオオオ!!!」
「最後には中ボスってとこか…。」
すると、そのミノタウロスは真っ先に目の前にいたエルとルリに大剣を振るってきた。
エルは魔法を唱えた。
「<<天の輝盾>>!!」
ガキイイィィン!!!パリンッ!!
「ああっ!!」
エルは<<天の輝盾>>を割られて少し後ろへ吹き飛ばされた。
今度はルリの方に大剣が来る、ルリはその時思った。
「(速いっ!!)」
ビュン!!!
ルリは大剣を間一髪で避けたが、その後に空中でミノタウロスに殴られた。
ドッゴッ!!!
「がふっっ!!」
ドオオォン!!
「ルリちゃん!!」
ルリは殴られた後に吹き飛ばされ、壁に打ちつけられた、少し頭から血を流している。それを見てエルは心配して、すぐにルリの元へと駆け寄った、ルリは言う。
「あいつ…結構強い……それに…エルがこっちに来たら…あいつが…。」
「はっ!!」っとエルが気づいた時にはもう遅かった、ミノタウロスはその大剣をエルたちに振り下ろそうとしていた、エルは心の中で叫んだ。
「(助けて!!ご主人様!!)」
その時、ミノタウロスの背中の方である聞き覚えのある魔術を唱えるのが聞こえた。
「<<覚醒・弐>>」
ビュン!!!ガキイイィィン!!!
ミノタウロスがエルとルリに大剣を振りかざした瞬間、何かがとてつもないスピードで動いてきて、そのミノタウロスの剣を止めた。それはーーー
ーーーグレムだった、グレムはその細い氷剣でミノタウロスの大剣を普通に受けながら言った。
「ちょっと調子に乗りすぎかな、ミノタウロス。うちの可愛い仲間たちに傷をつけてもらっちゃって…いっとくが手加減は無しだ。60%だがな…存分に味わえ。」
その瞬間、グレムはミノタウロスの大剣をその細い氷剣で大きく弾いて消えた。そして、その後にミノタウロスが段々と斬りつけられていくのが見える。
速すぎてミノタウロスでさえも見えていない、目で追うことすら出来ない、どこにいるのか分からない。そう考えているうちにも、体は斬りつけられていく。
ズバン!!ズババン!!!ズバアァァン!!!
すると、突然グレムはミノタウロスの目の前に姿を現して言った。
「おいおい、こんなもんかよ。あのミノタウロスの強化版じゃないのか?これじゃあ俺からしたらお前はあいつと同じくらいだぞ。」
馬鹿にされたのに気づいたのか、そのミノタウロスは怒って思いっきり大剣を叩きつけてきた。グレムは言った。
「弱いし、遅すぎるんだよ。」
バキィン!!!
ミノタウロスの大剣をグレムは氷剣で折った、そしてそのまま恐ろしいスピードでミノタウロスの首元に突っ込み…
ズバアァァァン!!!
そのミノタウロスの首は、胴体から離れた。その後、胴体は地面に膝をついて倒れ、頭はその近くに落ちて転がった。
グレムはミノタウロスの首を落とした後、すぐにエルとルリの元へと駆け寄った。
「大丈夫か!?ルリ…!!エルにちゃんと治してもらったか…?」
ルリは少し笑いながら言う。
「そんなに心配しなくても…大丈夫…ルリ…丈夫だから…。」
「さっき血を流してただろう、本当に大丈夫か?もうどこも痛くはないか?」
「心配しすぎ…ミノタウロスの首を容赦なく落とした人とは思えない…。」
ルリは笑いながら言った、すると後ろから何かジャラジャラと音がしだした。エルとルリはそっちを見て、驚いて目を奪われていた。グレムも振り向いて後ろを見ると…
大量の金塊や金貨がそこには降ってきていた、取り切れないほどあって、積み重なり、山になっている、グレムは言った。
「宝の山だ!!!エル!!やっぱりエルの考えは当たってた!!本当に宝の山はあったんだ!!」
3人は目の前の宝の山に少しの間、目を奪われていた。
どうでしたでしょうか?
次回は宝の山から何かが…?というのを中心とした話になります!!是非、期待していてください!!
それでは、また次回お会いしましょう!




