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第8話 "元"魔王様の休日?

今回は少し長めに書いてみました。


グレムがかっこいいシーンを上手く表現出来ていたら嬉しいです。

ではどうぞ。

スタスタ…


グレムは特に意味もなくベリル都内を歩いていた。


「(俺はなんで朝っぱらからこんなことを…。)」


グレムは朝の出来事を思い出している。




グレムが聞く。


『診療所?』


エルは言う。


『そうです!より、ご主人様の役に立てるように、小さな診療所を作り、回復術士(ヒーラー)としてのスキルを磨こうと思うのです!』


グレムはエルがそうしたいならいいかと思っていた。その時、エルは言った。


『その時ですが…あの…ご主人様は離れていてくれませんか?』


あまりの衝撃の一言にショックを受け、グレムはこれまでにないほど落ち込む。


『あぁ!そういうことではないです!あの…ご主人様が近くにいると…その…。』


エルは言葉を出そうとするがその言葉がよっぽど恥ずかしいことなのか顔を赤らめる。


『と、とにかく!悪い意味ではないですが集中できないんです!なので、ご主人様のお許しをいただけるなら……宜しいでしょうか…?』


エルは懇願するように言う。


グレムはクソっ!!可愛すぎる!!俺は許せないとは言えない!!と思い、こう言った。


『じゃあエルの好きにすればいいよ、俺は一日なにか別のことをしているから。』


『その変わり夜はお相手をしてください…』


エルはボソッと、とても小さな声で言った。


『?エル?何か言ったか?』


『な、なんでもないです!ではそういうことでよろしくお願いします!!』




「あの頼み方は男は断れないよ…。」


グレムはつくづくそう思いながら歩いていく。すると…


「やめてください!」


路地裏の方から女の人の声が聞こえる。


そこにいた明らかに悪そうな男が言う


「へへ…いいじゃねぇか少しくらい…。その上の服を脱ぐだけでいいんだぜ…?」


もう1人の男が待ちきれないのか言う。


「あぁ!もう!遅いんだよ!無理やりにでも脱がせてやる!」


男はその女性の服に手をかける。


グレムは「はぁ」と息をついて人が目で追えない速さで動いた。


明らかに悪そうな男には顔面をぶん殴り、もう1人の男には背中に強烈なパンチを入れた。


2人はあまりの衝撃に耐えきれず唸り声をあげていて、起き上がれない。


その間にグレムはその服が脱げかけている女性に自分の黒いコートを脱いで着せ、お姫様抱っこをして屋根上へ飛び、逃げ去った。




「ありがとうございました!」


女性は言う。


「気にするな、ああいう奴らは何処にでも出てくるから次からは気をつけろよ。」


グレムは優しい言葉をかけその場を去ろうとする。


「あの!あなたのお名前は!」


女性が言ってきたので、グレムは答えた。


「グレムだ。じゃあな綺麗なお姉さん。」


そういって飛び去って行った。


「グレム…まさか!あの英雄のグレム様!?なんてお優しいお方なんでしょう…」


女性は完全にグレムに惚れてしまっていた。




グレムはやることがなくあまりにも暇だったので今度はギルドでクエストを受けようとしていた。


「まぁこれなら俺のためにもエルのためにもなるからな〜。」


グレムは「(これだ!)」という受注書を見つけ手に取ろうとすると、同じものを取ろうとしていたのか他のパーティの女の子の手が当たる。


「キャッ!ご、ごめんなさい…。」


「いや、こっちも悪かった。すまない、気づかなくて。」


その子は見た感じ間違いなく"剣士"であろうという格好をしていた。"刀"を持っている。


「メリル〜どうした〜?いい感じのクエストは見つかったか?」


明らかにこの子の仲間である女の人がこっちに向かってきながら言った。


そしてその女の人にメリルは説明を始める。


「実は…」




「なるほどねぇ…で?どうする?」


メリルから話を聞いた女の人はグレムに向かって聞く。


「別に俺は絶対に行きたいわけじゃないし、譲るよ。」


「いやけどさすがにそれだと悪い、…じゃあそうだ!1回私たちのパーティに入ってくれないか?男が1人居るだけでも心強い。」


もう1人の仲間が言う。


「だけどその人武器も持ってないし防具も着てないわよ?はっきり言って使えそうにないわ。」


「そんな言い方はないだろ、メア、やめろ。」


パーティに誘ってくれた女の人が止める。


まぁ、そう見えても仕方ないだろう、とグレムは思っている。


「じゃあ一応パーティに入ってもらうってことで。自己紹介が遅れたな、私はウォーリアーのミルダ、そのツンツンしている子が双剣使いのメア、そしてその小さい子が剣士のメリルだ、よろしく。あんたの職業はなんだ?」


一応グレムは答える。


「魔術師だ。」


「ほら言った!魔法使いの劣化版じゃない!ならあなたは戦わないで後ろで見てるだけで結構よ。」


メアはかなり否定的に魔術師を見ているようだ。それはそうであろう、魔術師で名を馳せている人などいないからだ。


ミルダもこいつは使えないと思ったのか、苦笑いで言ってくる。


「よ…よろしくな!」


一応こうなった場合のパーティの説明をしておく。


俺はクエストクリア後、ポイントを貰うことが出来る。


そのポイントは今即席で入ったパーティから俺が抜けても無くなることは無い。つまり俺がこのパーティに入っているだけで、俺とエルのパーティとこの女の子ら3人のパーティどちらにもポイントを得る利益が出ることになる。


なので、俺が今日このパーティに入って、クエストクリア後、このパーティを今日抜けても、なんの問題もないというわけだ。


ちなみにパーティの掛け持ちは最高で3つまでとされている。




今回のクエストは『ゴブリン15頭の討伐』攻略難易度も高い訳では無い、クリアすることは簡単だ、ただゴブリンの巣に入って15頭倒せばいいだけ、だったのだが…


俺たちが何も考えずゴブリンを倒していた時に"それ"は来てしまった。


「ゴ、ゴブリンロード…この巣には残っていたのか…。」


ミルダは恐れる、足が震えている。そりゃそうだ、ゴブリンロードも帝王熊(カイザーベアー)と同じ、プラチナランクでないと倒せるはずがないモンスターである。


逃げればいいのだが最悪なことにゴブリンロードは巣の外から帰ってきた。つまり、出口を塞がれたという状況である。


メリルとメアも同じ状況である。まさかの強敵登場に怯えてしまっている。


ゴブリンロードの1番近くにいるミルダがあまりの恐怖に動転してしまっていて動けない。そこにゴブリンロードはミルダに向かって棍棒を叩きつけた。


ドオォォオン!


大きな音が響く、がそこにミルダの姿はない。グレムはあの一瞬でミルダを助けていた。


「あ、ありがとう…。」


我を取り戻したのかお礼を言うミルダ。


「そんなこと言ってる場合じゃないだろう。このままじゃゴブリンロードに全員潰されておしまいだ。」


グレムは妙に落ち着いている。


「やるしかない…」


そういって勇気を出したメアが1人で突っ込む。


ゴブリンロードは完全に読んでいたかのようにメアに棍棒を当てようと大きく振った。


「まずい!」


グレムは言った。


ゴン!!!


グレムが咄嗟にメアの前でガードし、棍棒の打撃を受けた。グレム達は後ろに吹き飛ばされ、壁にぶつかる。


メアが邪魔をするなというように言おうとする。


「あんた!何して…」


が、グレムはその言葉を遮るように言った。


「1人で突っ込むな、1人でどうにかできる相手じゃないだろう。あいつはお前ら3人が連携しないと倒せない。1人でも欠けたらおしまいなんだ、分かったか?」


棍棒で叩かれた腕を痛そうにしながらグレムは言った。


それを聞くと3人は目を合わせ、首を同時に縦に振って合図をし、一斉攻撃を仕掛ける。


ゴブリンロードはあまりの手数の多さに誰一人目で追えていない。


ゴブリンロードの体に徐々に傷が増えていく。


ミルダは思った。


「(このまま攻撃を続けられれば…!)」


そう思った矢先、ゴブリンロードは薙ぎ払うように棍棒を回転させ振り回した。それにメアとメリルは当たってしまう。


2人は吹っ飛び壁に背中をぶつける。


「キャッ!」


「ぐっ!」


それを逃さないかのようにゴブリンロードはその2人の方向に向き、止めを刺しに近づいていく。


「ふざけるな!!こっちを向け!!!」


ミルダはゴブリンロードの背中に斧を精一杯当て続ける。全く効いていないのかゴブリンロードは歩みを止めない。


ゴブリンロードがメアとメリルに止めを刺せる位置に来て、棍棒を振りかぶったその時、


「あ〜もう見てらんねえ。」


グレムは言った。


ゴブリンロードは2人のいるところに棍棒を叩きつける。


ミルダが言う。


「メア!!メリル!!!…クソッ!終わりだ…。」


「終わりじゃねぇよ。」


グレムがミルダに言う。


「え…?」


ミルダがグレムを見るとメアとメリルの2人はグレムに両脇に抱き抱えられている。


「メア…メリル…よかった…無事で…けどなんで!?」


メアが答える。


「私達も分からないのよ。棍棒で殺されるって思ったらいつの間にかこっち側にいてこいつに抱き抱えられてるし。」


「メリルもさっぱりです…。」


そして、ゴブリンロードがメアとメリルに止めを刺しに行ったのをいい事にゴブリンの巣の入口側へ戻る事が出来た。


「あとは逃げるだけね…。」


メアが言うと、グレムは言った。


「メリル、刀を貸せ。」


「え?あ、は、はい…?」


メリルはなぜかと疑問に思いながらグレムに刀を渡す。


グレムはゴブリンロードの前に立ち、大きく股を開いて抜刀のポーズをする。


「いいかメリル…刀っていうのは…こう使うんだ。」


メアは心配して言う。


「バカ!あんた!死ぬわよ!?何してるの!!!」


「お前ら〜絶対目を開けとけよ、一瞬だからな。」


グレムは意味のわからないことを言って目を瞑った。


ゴブリンロードが近づいてきて、棍棒をグレムに向かって振りかざした瞬間である。


ズバァン!!!


すごい音と共に、ゴブリンロードの上半身と下半身は真っ二つに分かれ、斬られていた。


ゴブリンロードの前にいたはずのグレムが一瞬の間にその奥に移動している。


その光景を見た3人はあまりの驚きに目を離せなかった。


グレムは刀についた血を払い、慣れた手つきで刀を鞘に戻す。


ゴブリンロードの下半身は膝をついて倒れ、上半身は地面に横になって落ちた。


グレムは3人の方に戻ってくる、そしてメリルに刀を返す。


「ありがとうな、久々に気持ちよく斬れた。じゃあ帰るか〜。」


何も無かったかのようにグレムは帰り道を歩いていき、誰もついて来ていないことに不思議に思って振り返る。


まだ驚いている3人を見てグレムは言った。


「どうした?帰らないのか?」


そう言った瞬間に3人はグレムに飛びつくように質問してきた。


「お前の職業は魔術師じゃなかったのか!?あんな剣術ができるなら早く言ってくれ!もっとちゃんと聞いとくべきだった…。」


ミルダがそう言った後、メアが言う。


「あ、あの…"使えない"とか言ってごめんなさい。あなたには窮地を2度も救われてさらにはゴブリンロードの討伐までしてもらっちゃって…本当にすいませんでした。」


グレムは気にしていなかったかのように優しく言う。


「それはいいよ、実際魔術師で名をあげる人はあまりいないからな。使えないと言われても仕方がない。気にしなくていいんだ。」


その優しさに心を打たれたのか、メアは心が変わったかのように顔を赤くし、グレムの顔をじっと見つめている、次はメリルが目を輝かせながら言った。


「師匠!師匠と呼ばせてもらってもよろしいでしょうか!?あんな技初めて見ました!今度教えてください!そのためなら私師匠になんでもします!」


その後にミルダが言った。


「そういえば自己紹介を私らはしたのにあなたの名前を聞いてなかった、忘れてしまっていた。申し訳ない…今一度お聞かせ願えないだろうか?私たちの恩人として。」


「あ〜そういえば言ってなかった気がするな。"グレム"っていうんだ、よろしくな。」


"グレム"という名前を聞いた瞬間、その3人はまた質問を重ねてきた。




夜になって…


「どうしてこんな怪我を?ご主人様がモンスター相手に怪我をするなんて珍しいです。」


エルは不思議に思ってグレムの腕に回復魔法をかけながら聞く。


「実はギルドでクエスト探ししてたら女の子3人のパーティに無理やり入れられちゃってさ、なんやかんやあってゴブリンロードの攻撃を女の子を守るために受けちゃったんだ。」


一切嘘を言わないで正直にいってしまったと後悔したのはこの後だった…


「エル以外の女の子がご所望ですか…?」


「?なんでそうなる?そんなわけないだろう。エル以外の女の子なんて別にいらな…」


途中でエルを見て言葉を止めた。いや止めてしまった。エルは涙目で今にも泣きそうにしている。


「エルが回復術士としてのスキルを高めようとしていたときにご主人様は他の女の子とイチャイチャしてたんですね!?許せません!エルはこんなにもご主人様に尽くしているのに…」


「いやごめんて!本当に無理やりだったんだって!クエストを譲ろうともしたのにそれじゃあ悪いとか言われちゃって…。」


「だからって私を放ったらかしにして結局クエストには言ったんですよね!ご主人様は有名なんですからさぞその子たちにも気に入られたでしょう!」


放ったらかしにされたのはどちらかといえば俺なんだが…どうしよう…このままじゃ怒ったままだ…


「どうすれば…許してくれる…?」


グレムは聞いた。


「ご主人様にとって私は特別だ!ということを示してください!そうしたら許してあげます。」


「分かったよ。」


「まぁご主人様にはそんなことできないでし…」


そこでグレムはエルにキスをした。


あまりの驚きにエルは言葉を失った。


「これで示せたか!?これでダメだったらもう分からんぞ!」


グレムはそう言ってエルを見ると、エルはボフッと音を立てて顔を真っ赤にし、倒れてしまった。


「おいエル?エル!!しっかりしろ!エル!!」


その時の彼女の顔はとても幸せそうだった。

いかがでしたでしょうか?


また次回の作品もよろしくお願いします。

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[一言] “お前ら〜絶対目を開けとけよ“、一瞬だからな。 なんかここ汚さを感じたゾ…
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