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第85話 残酷な真実

今回は前回からの謎解き編となっております。また主人公たちが大活躍する話となっているので、是非楽しんで見ていってください!一体呪いのその原因とは…?


それでは、どうぞ!

ミハイル王はあの涙の後、『ありがとう…宜しく頼む…。』とグレムたちに言った。


グレムたちは、早速王城から出て、原因の手がかりを探そうと、町を歩いて聞き込みをしていた。


「とは言ったものの…あまり重大な事は出てこないなぁ…。」


「う〜ん、あ!!ご主人様!!もしかしたら力になれるかもしれません!!」


エルは突然思い出したように言う、グレムが聞く。


「何か重要な事でも思い出したか!?」


「はい…実は…」





「本当だ…。」


グレムたちは、エルが思い出した事をちゃんと確認しに、町の大図書館へと来ていた。


グレムが見ている本は、主にアルガルド王国の歴史が書かれた本である。開いているページには、『アルガルド王城火災事件』と見出しがあり、さらに細かい内容が書かれていた。


「ね?本当でしょう?」


エルはドヤ顔で言う、くそぅ!可愛い。しかしよく思い出してくれた、かなり真実に近づいた気がする。グレムがそう思っていると、ルリが言った。


「でも…ここには…()()()()()って書かれてる…、ご主人様…これはどういうこと…?」


「ルリも気づいたか、多分ルリも思っている通り、これは不慮の事故じゃない。誰かが火を放ったとしか考えられない。」


エルがいかにも興味津々であるような態度で聞いてくる。


「どうして!?どうしてですか!?ご主人様!?」


グレムはそれに答える。


「まず、この火災が起こったのは夜、しかも王城ときた。()()()()()なら分かるが、王城だと不慮の事故とは思えない。なぜなら、王城だからだ。それだけ中に住む人は多く、大きさ、広さもかなりあるはずだ。さらに、ここは最大の軍事力を誇るほどの王国。周りの国々、及び近辺にも注意を怠らないのが普通だろう。だから夜だからって王城の全員が全員寝てるわけじゃない、起きてる人は何人もいるだろう。それだけ人が起きているのに、火災に気づかないはずが無いだろう?」


「確かに…そう言われたらそうですね…、なるほど…。でも、じゃあなぜ鎮火されなかったのですか?」


「いい所に気づいたなエル、正にそこだ。この火災を止められない場合は2つ、中の者が全員寝ていたのか、火が早く回り過ぎたのかだ。だが、前者はとてもそうは思えない、さっき言った通りにな。だから後者が正解だと思われる、だが火が早く回るには()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、だから、誰かがやったとしか考えられないんだ。ま、ただの推理だから凄くもなんともないがな、これで()()()()()()けど、分かる訳では無いし。」


「さすがご主人様!!まるで探偵みたいです!!素質…あるんじゃないですか?」


「そんな事ないさ、これが普通だ。」


グレムがそう言うとルリはさっきの言葉についてグレムに聞いてきた。


「ご主人様…『犯人は絞れる』って…どういうこと…?」


「あ〜そこか、それはだな、どうやら写真を見る限り、前のアルガルド王国の王城もレンガで作られていたっぽい。なら、()()()()()()()()()()()()、外の木や花しか燃えないだろう?だがこの写真では城の中まで燃えている。つまり、夜でも普通に王城に出入りできる者が犯人と考えられる。まぁ、泥棒とかの事を考えないとだけどな。」


「なる…ほど……ご主人様…凄い…!!」


ルリは目を輝かせて言ってきた、グレムはそうでもないと言い張るように言う。


「そんな事ない、これが普通だって。」


エルとルリはまだ目を輝かせながら、グレムを見ていた。


だが…ここからが問題だ…、犯人を見つけるには、事情聴取が必要になる。その為には信頼を1度捨てなければならない…だが、依頼主は()()()。なら…仕方がないか…。


「よし、一旦王城へ戻ろう!城の人たちに聞きたいこともあるしな。」


『はい!!』


2人は元気に返事をした。





「ミハエル王!!」


グレムはミハエル王を呼ぶ、彼はグレムに気づいて返事をする。


「おお、君か…情報は集め終わったのかい…?それにしてもやけに戻ってくるのが早いが…。」


「ミハエル王にいくつか聞きたいことがあります。この後、時間ありますか?」


「ああ、丁度次の仕事で最後だ。僕の持っている情報だけでいいのなら教えよう、すまないがどこかで待っていてくれないか?…ああ、そうだ、客間が3階にあるからそこにいてくれ、すぐに向かう。」


「ありがとうございます。」


グレムは頭を下げてミハエル王に言った。





「よいしょっと…それで…僕に聞きたいことはなんだい?」


ミハエル王は客間のグレムたちが座っている反対側の椅子に腰掛けながら言った。グレムは早速問いかける。


「まずミハエル王、『旧アルガルド王城火災事件』の事をご存知ですよね?」


「ん?ああ、忘れるわけないさ…あんなこと…。」


「実はその事件、()()()()()()()()()()()()()()()()。」


「何だって!!!??」


ミハエル王は椅子から立ち上がり大きな声で言った、そしてもう一度椅子に座り直し、続けて言った。


「すまない…少し熱くなってしまった…どうして…そう思うんだい…?」


「これはただの私の推理ですから、あくまで第三者の考えとして聞いてください…」


グレムはそう言ってから、エルに説明したように自分の推理をミハエル王に話し始めた。


それを聞き終えたミハエル王は、驚いていた。


「まさか…そんな…。」


「第三者の考えです、間違っているかもしれませんから参考にくらいで、でも私は確かに人がやったと思っております。」


「だが…言い訳を入れられる所がない、多分、君の言う通りだ…それに…この王城内に犯人がいるかもしれない…と…。」


「いくつか質問をしてもいいですか?」


「あ、ああ。」


ミハエル王は少し戸惑っているが返事をした、グレムは気になるところを聞いていく。


「その火事があった当時のことを覚えていますか?覚えていたら少し細かいところまで聞きたいのですが。」


「覚えている限りで良ければ答えるよ…。」


ミハエル王はまだ()()()()()()ということを気にしていた。


「火事が起こった当時、まずどこから発火しましたか?」


「確か…兵士によれば()()()()()だったかな。その時はバタバタしていてどうしてそんな所から発火したのか考えなかった…。なんでこんな簡単なことを…。」


「その日、変な匂いはしませんでしたか?油のような。」


「いや…?匂いはしなかったかな…ヌルッとした感触も無かった。ただその代わりに()()()()()()()()()が隠されながらも張り巡らされていたような…。」


「成程、では次に、夜、王城に出入りできる者は誰がいますか?」


「その時は…私と兄、それに父と母、あとは兵士のみだ…。だが、その時、不審な動きをした兵士はいなかった…、常に互いに見張らせているからな、そうすると……まさか…!!!」


ミハエル王は気づいたかのようにグレムの方を見る、グレムはそれに対して言う。


「はい、考えられるのは()()()()()()()()()()()()()()()のみです。ですが…話を聞いた感じではミハエル王がやったとは考えられませんね、本当の事を言ってるようですし。」


ミハエル王は驚きながら呟いた、


「まさか…本当に…。」


グレムはそれを聞いて言う。


「その当時、ミハエル王の家族は誰かから恨まれていたりしましたか…?」


ミハエル王は少し話すのを躊躇したが、話し出した。


「実は…こんな事があった…。」


その言葉にグレムは耳を傾ける、エルとルリもしっかりと聞く態勢を整えていた。ミハエル王は続けた。


「…当時私の父が王だった時…その政治の仕方はまさに()()たるものだった…。民の事を考えず、自分の利益のみを優先し、それ故に支持率もかなり低かった…恨まれることはあっただろう。だが、私と兄がどれだけ父の政治が酷かったのかに気づいたのは、やっと1人の王族として仕事が為せるようになった成人後だった…。」


グレムは少しその話を悲しみながら聞いていた。今日読んだこの国の歴史の本にも、そのあまりにも暴力的な政治の内容が書いてあった。


「その時…私に兄は言った…『俺が父親を暗殺してこの国を変えてやる、絶対に許さない。』と…。グレム君の話を聞いて改めて思ったよ、多分この火事の犯人は私の兄だ、だから呪われたんだ。…父は、その()()()()()()()()()()()()()、焼死体で発見された…。」


グレムはミハエル王に同情しながら言う。


「つまり…あなたの兄が、自分の父親を誘い出し、閉じ込めてから火を放った…ということですかね…。」


「それしか考えられない…とすると、この呪いの原因、つまり元となった者は…。」


グレムはミハエル王と声を合わせて言った。


『父親だ…。』


その時、いきなり客間のドアがメイドの使用人によって開けられた、そして彼女は言った。


「陛下!!ケイローン様の容態が!!」


「何だって!?分かった!!すぐに行く!……君たちも付いてきてくれ!!」


そうグレムたちにミハエル王は言うと、走っていった。グレムたちもミハエル王の背中を追いかけていった。





「ゲホッゲボッゲホッ!!…最悪の気分だ…ゲホッゲボッ!!」


ケイローンはその黒い痕が体中にあるまま起き上がり、言った。体にはまるで全身火傷を負っているかのように痛みが走る。


ガチャ…


その部屋にミハエル王とグレムたちが入ってきた、ミハエル王はケイローンに近づいていく、ケイローンは言う。


「おお、我が弟よ気分はどうだ?……俺は最悪だ。」


そう彼が言った瞬間、ミハエル王はケイローンの胸ぐらを掴んで言った。


「ああ!!こちらも最悪だよ!!長年背中を追い続けていた兄が!!あの旧アルガルド王城火災事件の犯人だったと分かったらな!!」


その言葉を聞いて、ケイローンは否定する。


「俺じゃあないよ、あれは『不慮の事故』だ。そう言われているだろう?」


「火元がない宝物庫前から発火したのに!!『不慮の事故』なのか!?どちらにせよお前は父を宝物庫に閉じ込めて焼き殺した!!それならそうなって当たり前だ!!」


「落ち着けって…俺はそんなことしていない…じゃあ証拠は?あるなら見せてみろよ。」


「この期に及んでまだそんな事を…、見苦しい言い訳をするな、したのなら()()と言え、この放火魔が。」


「てめぇ…兄に向かって…ゲホッゲホッ!!!ゲホッ!!」


「調子に乗るからだ…その呪いが何よりの証拠だ。きっと、父はお前に呪いをかけたんだろう…無惨に焼き殺された父が、生きていくのもやっとにしてやろうと思って…。」


ミハエル王は拳を強く握りしめる。例え暴君でも、国民からの支持率が低くても、彼にはたった1人の父親だった。それを身内が、それも呪いを受けている兄が殺したとなれば、怒るのも当然であろう。


ケイローンはグレムたちの方を睨みつけながら言った。


「お前らか…我が弟にいらない囁きを入れたのは…ふざけるな!!この国に関わってないものが、横から口を挟むんじゃねえ!!」


それを聞いてミハエル王は言った。


「彼らには私から()()()をしたんですよ。この呪いの原因を調べてくれと、見つけてくれと、全てはあなたのために…だが違った、その呪いの原因は元からあなただった。彼らはここまで原因を突き止めてくれたんだ…そこまでして頑張ってくれた彼らに罵声を浴びせるくらいなら、私が許さない。」


そう言ってミハエル王は部屋を出ていこうとする、止めるようにケイローンは言った。


「おい…何処へ行く…?まだ話は終わってないだろう…?」


「この()()を、国民たちにも報告する。ただ、放送しに行くだけですよ。」


「待て!!そんな事したら!!俺が王になれなくなる!!頼む、止めてくれ!!」


「私の…私たちの父を焼き殺したお前に、就ける場所などどこにもありはしない。例え、その呪いが治ったとしても。」


「俺は国の為に、国民の為に親父を殺したんだ!!それを分かってくれ!!あの暴君政治が続いたら、国はきっと崩壊してしまっていた!!そうだろう!?」


「そうだとしても、どちらにせよ人を殺めた者を王にするなどという事は出来ない、それだけ国民にも不安を煽ってしまうからな。この国はこのまま、私が統治していく。お前はもし、呪いが治っても、牢獄行きだ。」


その言葉に、ケイローンは絶句した、そしてその後、天罰が下ったかのように何度も咳き込んだ。





「ありがとう…グレム君たち…これですっきりしたよ、君たちは十分以上に活躍してくれた。礼を言う。」


「ですが…ミハエル王、あれで良かったんですか?このまま呪いが進行したら…ケイローンは…あなたの兄は死んでしまうかもしれませんよ?」


「別に構わない…家族を殺した者にはその分罰を受けてもらう…それが今回はただ『呪い』だっただけだ。死んでしまっても…なんとも思わないよ。」


その最後の言葉を言ったミハエル王は、少し悲しそうだったのをグレムは見逃さなかった。グレムはある決意を胸に秘めた。


「…そういえば、グレム君たちは冒険者だったよね?この国の大迷宮(ダンジョン)にはもう行ったかい?」


「あ、いいえ。この国に来て少しだけクエストを受けて、ミハエル王に呼び出されたという感じなので…そもそも大迷宮がある事すら知りませんでした。」


「そうかい、なら是非行った方がいいと思うよ。何でも、ある程度階層を下っていくと、素晴らしい宝があるとか……。」


「それは面白そうですね、是非行かせてもらいます。それで、その大迷宮の場所はどこなんですか?」


「それが不思議な事に、()()()()()()()()()()なんだよ。…いつの間にか出来ていて、とても驚いたんだけどね!」


ミハエル王は笑いながら言った、それを聞いてグレムは何か嫌な予感を感じながら、返事を返した。


「そうですか……。」

どうでしたでしょうか?


次回は主人公たちが初めてのダンジョン攻略へと向かう話になると思います。終わったようでまだ終わっていない第7章を是非、楽しみにしていてください!


それでは、また次回お会いしましょう!

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