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第82話 世界で輝く宝石

長かった第6章も最後です…是非、最後まで見届けていってください!


それでは、どうぞ!

女神マルクを倒した後、グレムたちはしっかりとケルベロスを倒して、ギルドへと戻ってきた。


その道の途中でミスイル王国の国民たちからは何度もお礼を言われ、まるで英雄のように扱われていた。


グレムがギルドの入口のドアを開けると、すぐにそのギルド内にいた人々の視線はグレムへと集まった。そして、水色の髪色でセミロングの髪型をした受付嬢に言われる。


「おかえりなさい!()()様!!」


そう言われるとギルド内の者たち全員から拍手と歓声がグレムたちに贈られた。グレムたちは少し恥ずかしくなりながらも鑑定所の方へと行く。


鑑定所に着くと、グレムは鑑定士から手を両手でがっしりと掴まれて言われた。


「グレム様…ですよね…?貴方の言葉には感動しました!そして、我々の世界を守ってくださってありがとうございました!!」


「あ、はい…。」


グレムはなんと返せばいいのか分からずとりあえず返事をする。こっちが困っているような様子が見えたのか、鑑定士が言った。


「鑑定所に来たということは…例のクエストの事ですね?素材を出してもらって結構ですよ。」


そう言っている間も、鑑定士の目は輝いていた。グレムはケルベロスの素材、『ケルベロスの牙』を2つほど見せる。


数分くらい経っただろうか、鑑定士は言った。


「確かに、ケルベロスの牙ですね。クエストクリアです!おめでとうございます!!ギルドにはこちらから伝えておきますので、受付から報酬をもらって下さい。」


鑑定士はニコニコした顔で言った。グレムは苦笑いで「ありがとうございました…。」と言って、その場を後にした。





エルが言う。


「ご主人様〜!!恥ずかしがりすぎですよ!!『()()()で女神の本当の考えを国民に聞かせる』と言ったのはご主人様です!それは自分の声なども入るに決まっているでしょう!?」


「いや…なんか今更になって…凄い恥ずかしい言葉言ってたような気がしてな…。」


グレムがそう言うと、ルリがフォローするように言った。


「ご主人様は…皆を、この世界を守るために戦った…。その中で…思ったことを口に出せたことは…恥ずかしい事じゃなくて…称えられることだと思う…だから…ご主人様は…誇ってもいい…と思う…。」


グレムはそう言うルリの頭をこれでもかと言うほど撫でた、ルリは嬉しそうに腕に擦り寄ってくる、そしてグレムは言う。


「ありがとうルリ、おかげで少し恥ずかしさが無くなったよ。もう済んだことだし、気にしないでおくよ。」


エルが言う。


「それでこそ我らのご主人様です!!」


「むー…私がご主人様の恥ずかしさを解いたのに…。」


ルリは不満そうな顔をして言った、その2人の様子を、グレムは笑顔で見ていた。





グレムたちは報酬を受け取りに受付へと向かっていた、まだ周りからの視線が輝いている。グレムは「はぁ」と、少しため息をつく。


受付のカウンターへとつき、最初に話しかけた緑髪のサイドダウンの受付嬢にグレムは言った。


「報酬を受け取りに来たのですが…。」


「はい!!少々お待ちください…。」


そう言うとカウンター裏へと彼女は走っていった。受付嬢の対応の仕方は変わらないなと、グレムは少し安心感を得る。


すると、その受付嬢は、とても大きな袋に入ったギルを荷台に乗せてまでして持ってきた。そして言う。


「これが…今回の報酬です!!」


「いや…いくら何でも多すぎでは…?ケルベロス1頭ですよ…?」


「いえいえ、これもうちのギルドからのお礼です!!この国と世界を守ってくださった分も入っています!」


「本当に…いいんですか…?」


「いやいや、もらって頂かないと困ります…というか…もらって頂けないと私が怒られます…多分…。」


「分かりました、ありがたくいただきます。」


するとグレムはそのとても重い筈のギルが入った大きな袋を軽々しくひょいと持ち上げ、収納した。周りの人たちは少し驚く。


「じゃあ、今日は帰りますね…」


グレムがそう言うと受付嬢に呼び止められた。


「あ!!ちょっと待って下さい!!ギルドカードを1度回収しておいてよろしいでしょうか?」


「ん?は、はい。」


少しその受付嬢の言葉にグレムたちは不思議に思いながらもギルドカードを渡した。


「それでは、明日には返しますので!!」


「は、はぁ…。」


まだ不思議に思いながらもグレムたちはギルドを後にした。





夜、宿に戻り、風呂に浸かるグレム、この宿は男湯と女湯で分けられているので、なんの気兼ねもなく1人で静かに体を癒していた、グレムはふと言う。


「今日は色々あったな…。」


そう言って、()()3()()のことを思い出す。





女神マルクを倒した後…


正人たちは全員、俯いて座っていた、グレムが問いかける。


『お〜い、大丈夫か?』


『…………。』


3人は返事をしなかった、グレムが『はぁ〜』と大きくため息をつくと、正人が言った。


『俺たちは…これからどうすれば…。』


『ああ?』


『女神様の神託が無ければ…やる事が…。』


グレムは大声で言う。


『お前らはそんな事で悩んでいたのか!!?』


正人が大声で言い返す。


『俺たちにとっては、女神様が何よりも大事で、道標となるんだ!!その女神様がいなくなったら…俺たちは…何をすれば…。』


『お前ら何も分かっていないな。』


『え…?』


3人はグレムが言ったその言葉に反応して顔を上げ、グレムの方を見る。


『お前たちは確かに信じていた女神様を失い、道標も失った…だが、なら、自分で道標を立てればいい。』


3人はグレムの言葉に耳を傾ける。


『お前たちは道標を失って…()()になったんだ。女神様に呼ばれたんだ、大方、この世界を見るのは初めてなんだろう?なら、自由に生きればいいじゃないか。この世界には、きっとお前たちが元いた世界には無いものが全部集まっている。だから、お前たちがこういう世界に来たらやりたかった事をやればいいじゃないか!つまり、お前たちは女神様に縛られずに自由に生きてよくなったんだよ!』


そのグレムの言葉に、3人は目を輝かせた。


ーーーーそうだ、俺たちには()()()。こんな異世界に来たらやってみたいことが、夢だったようなことが、叶わないと思っていたことが。()()が…こんなにも近くに。


『ようやく分かったようだな、じゃあ俺はもう行くよ、クエストがあるからな。じゃ、精々楽しめ、この世界を。』


『待って!!!』


グレムは呼び止められた、呼び止めたのは、麻里だった、麻里は大きな声で言った。


『ありがとう!!!』


グレムはそれを聞いて『ふっ』と笑ったあと、手を振ってその場から去っていった。





「あいつら…楽しんで生きて欲しいな。」


グレムは全てを失った3人に自分がある()()を与えたという責任感から、少し、あの3人を心配していた。





次の日のこと…


グレムたちはギルドへと向かった、何やら話があるとの事だ。「重要なんです!!」と宿に手紙を送るほどのことだから相当な事なのだろう。


グレムたちはギルドの入口のドアを開け、早速受付嬢がいるカウンターへと向かうと、話しかけようとした緑髪のサイドダウンの受付嬢がこちらに気づいた途端、カウンター裏へと走っていった。…なんだ?俺もしかして嫌われるようなことでもした?


仕方が無いので隣にいた金髪のショートヘアーの受付嬢に聞く。


「すみません、話があるって…。」


「ああ、それならあの子が戻ってくるまで待っていてください…。」


彼女からは少し笑みがこぼれていた、まるで喜んでいるかのように。…全く分からん、なんだと言うんだ。そう思っていると、緑髪のサイドダウンのあの受付嬢が戻ってきた、何かを手で隠している。そして言った。


「ギルドカードを返却します、それと…」


そう言ってその受付嬢は3枚のギルドカードをカウンターに出す。その色は…透明な…水色…!?まさか!!


そう思ってギルドカードから受付嬢の方へ顔を上げる、すると、その受付嬢は言った。


「おめでとうございます!!貴方たちは、ダイヤモンドランクへと昇格しました!!」


そう受付嬢が大きな声で言うと、周りの冒険者たちが歓声を上げた、そして拍手の音も聞こえてくる。


「で、でも…どうして…?」


グレムは不思議そうに受付嬢に聞く、すると受付嬢はこう言った。


「ギルドの総本部に昨日のあの事態を報告したところ、貴方は厳正な判断の元、()()()()()()()()()()()()()()()として認められたのです!!なので、ギルド総本部の会長がダイヤモンドランクへの()()()()を許可されたとの事です!!」


「成程…というかもう総本部までいってるんですか…。」


「当たり前です!!こんな偉業を成し遂げた人物は未だに貴方だけですから!!…それで、パーティ名はどうします?」


「『パーティ名』?」


エルが目を輝かせて言ってきた。


「ダイヤモンドランクになると、自分たちだけのパーティ名を付けられるようになるんですよご主人様!!世界にその名を轟かせるために!!」


「じゃあ、前いたあの2人の子供…確か『双璧をなすダイヤモンド』だっけか…?あれもパーティ名なのか?」


「多分そうだと思われます!!だから皆そう呼んでいたのかと…、ご主人様!!私たちだけのパーティ名ですよ!!ビシッと決めちゃってください!!」


グレムは数秒考えた後、こう言った。


「じゃあ、少し長いですが、"()"()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で。」


受付嬢はその言葉に驚いて聞き返す。


「本当に…それでいいんですか…?パーティ名ですよ…?たった1つの…あなたたちだけの…。」


エルとルリは笑いながら言う。


「ふふふっ…さすがご主人様です!遊び心があっていいですね!!かっこよさを求めすぎないのもいい事です!」


「ご主人様らしくて…いい…ルリも…それでいいや…ふふふ…ちょっと…面白いけど…。」


「2人も文句無しの様なのでそれでお願いします。」


「は、はい!分かりました…。」


受付嬢は本当にそれでいいのかと思いながらそのなんとも面白いパーティ名をギルドカードに記した。





「もう…行ってしまうのか…君たちは…。」


キリア王女は言った。グレムたちは次の王国へと旅立とうとしていた、見送りに何人もの人が東門の近くに押し寄せている。


「はい、冒険者ですから。けど、またいつか会えますから、待っていてください。」


「君がいつ来てもいいように、多くの問題を抱えておくよ。」


「それはちょっと…厳しいです…。」


「ははは!!嘘だよ、またいつか会える時を待っている。」


そのキリア王女の言葉を聞いた後、グレムたちは馬車へと乗り込んだ、そして窓を開けて言う。


「またいつか!!お元気で!!」


「ああ!!またいつか!!」


その時、キリア王女は少し涙を流した、彼と過ごした時間を思い出していた、そして言った。


「アルカ…彼らは本当にいい人たちだった…また…本当に会えるかな…。」


「会えますとも。あれだけの問題を綺麗に片付けた彼らならきっと、約束も守ってくれるでしょう。」


「そうか…うん、そうだな!!」


キリア王女は笑顔でそう言った。


馬車は目的地を目指し、どこまでも走っていった。国民たちはその馬車が見えなくなるまで、歓声を上げていた。





崖の上からグレムたちの乗っている馬車を正人は見ていた、そこには、リリア姫の姿もあった。リリア姫は言った。


「ね?正人様、私の言った通りだったでしょう?」


「ああ、彼は()()()()()()()()()だった。正に『英雄』だ、俺たちにこれからどうするのかも教えてくれたしな。…リリア、どこまでも付いてきてくれるか?」


「その頼み方じゃダメです!!ちゃんと謝ってください!酷いこと言われたんですからね!?」


「それは…本当にごめん…。だから…俺に付いてきて…下さい…。」


リリア姫は怒った顔から笑顔に表情を変え、正人に抱きついて言う。正人は崖から落ちそうになる。


「ちょっと、リリア姫、危ないって!」


「どこまでも付いて行きますよ!正人様!!」


リリア姫は笑顔で言った。





その日、全世界の教会に、大女神ソアラから神託が与えられた。その内容はこのようなものだった。


【この世界を統治していた『正義』の女神、マルクは女神がしてはならない行動をしたため、この世界の統治者の座から下ろしました。】


【なので、女神マルクの代わりとして、新たに『平和』の女神と『知恵』の女神をこの世界の統治者として降臨させます。】


【あと、女神マルクが言っていた『グレム』という者の話ですが、あれはほぼ全て偽りの歴史です。彼はもう魔王を辞めていて、さらにただの民間人に手をかけたことは今までに1度もありません。】


【そして、神を信仰する者よ…世界に『グレム』という者の名を広めなさい。彼こそが本当の()()()()()()()()()()()です。】


【彼を信じ、困ったことがあれば彼に言いなさい、頼りなさい。彼はどこまでも優しい心の持ち主です、きっと、解決へと導いてくれます。】


【それでは、神を信じるものたちよ、皆に女神の加護があらん事を…。】

どうでしたでしょうか?


次回からは第7章、新たな物語となります。主人公とその仲間の活躍に期待していてください!!


それでは、また次回お会いしましょう!

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[一言] まさに最高最善の魔王!
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