表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/199

第66話 時代錯誤のアイギス王国

今回はどちらかと言うと主人公の方の話になります。女神マルク…その女神のせいでグレムたちはとんでもない目で見られることに…?是非、楽しんで読んでいってください!


それでは、どうぞ!

アイギス王国へと着いたグレムたちは早速馬車を降りて、門を通り、その国の全貌に少し驚いていた。


今まで見てきた国では、近代的なレンガや、加工し、色を塗った石などが建物に使われていたが、この国、アイギス王国では、城以外の建物は主に木材で作られていて、町並みも緑が多く、なんとも古風な雰囲気が漂っていた。ルリがズバッと言う。


「古臭い町…。」


「そんなこと言うな、良い町じゃないか。昔ながらの景観を守っていて、古風な雰囲気を出している。懐かしさを感じるいい国だと思うぞ。」


「ご主人様がそう言うなら…うん…ルリもそう思う…。」


グレムは笑顔でルリの頭を撫でた。エルが言う。


「それでは、ギルドに向かいましょう!!」


『おー!』


グレムとルリは右手を上に上げて返事をした。





その辺にいたここの住民に道を教えてもらい、ギルドへと向かっていくグレムたち。エルはその時に少し引っかかる点があったので考えていた。グレムが歩きながら聞く。


「エル?どうした?何かおかしなことでもあったか?」


「いえ、ご主人様は散々功績を出されてる方ですから名前くらい知られていてもおかしくないはずです。ですが、さっき道を聞いた方は全くご主人様のことを存じ上げていないようでした。なので少し…。」


「古い景観を守っているくらいだ。考え方というか、時代の流れというかに、少し遅れてるのかもな。それに、別に俺の名前を知らないのも不思議ではない。毎度毎度最後にはああなっちゃってるが、一応ギルドには広めないようにしてもらってるだろう?」


「まぁ…そうですが…。」


「別にいいだろう?また後から功績を挙げれば、結局嫌でも名前を知られるさ。」


「そうですか…いや、そうですね!はい!」


エルはそう言って納得したように笑顔になる。正に癒し、ありがたや。


そんなことを言っているうちにギルドへと着いたグレムたちは早速中へと入り、カウンターへと向かう。ちなみにギルドの外装も、黒光りしているようなかなりいい木材で出来ていた。


カウンターへ着くと茶髪のツインテールで、ピンクの兎のようなカチューシャをつけた受付嬢が先に声をかけてきた。


「どうされましたか?」


「いや、王国に入った時は必ずギルドに話を通すように言われてまして…。」


そう言いながらグレムは自分のギルドカードを受付嬢に見せる。受付嬢は言う。


「アダム…アビス…?初めて見ました!!本当にいたんですね!そしてお名前は…。」


そこでピタッと受付嬢の動きは止まった。グレムたちは不思議そうに受付嬢の様子を伺う。何かあったのかとグレムは聞く。


「どうかされましたか…?」


「あなた…様のお名前は…()()()で間違い…ありませんか?」


そう受付嬢が言った瞬間、ギルドは静かになった。嫌な雰囲気が立ち込める、グレムは言う。


「はい…そうですが…。」


「もしかして…ご存知ありませんか?()()()という名前が…この国では忌み嫌われていると…。」


「な、なぜ…?」


グレムは内心気づいていながらも受付嬢に聞く、すると、受付嬢はカウンターへ乗り出してグレムに大声で言った。


「なぜって…あの()()()()()()()と同じ名前だからに決まっているじゃないですか!!?それもご存知ないのですか!?」


グレムは驚く。なぜ…そう言われている…?俺は魔王として君臨してはいたが…その時に人間を襲うような行動は起こさなかった。魔王軍を人間を殺すために送ったことなど無かった。


なのに、『最低最悪な魔王』?そんな訳の分からない情報を流したのは誰だ……まさか…。グレムは受付嬢に言う。


「もしかしてここは、女神マルクを信仰している国でしょうか?」


「そうですよ!それに、女神マルク()です!それ以外にありえないでしょう!?グレムという名を忌み嫌う意味がある国は!」


やはりか……おかしいと思ったよ。グレムはそのまま受付嬢に言う。


「そうでしたか…旅の者であまりこの国のことを存じ上げていなく…失礼しました。でも、私の名前はグレムで間違いありません。なので、忌み嫌ってもらっても構いません、仕方の無いことですから。とりあえず、ギルドマスターにこの話を通していただけますか?」


受付嬢はグレムが少し可哀想と思っているような目をしてからこう言った。


「分かりました、今、呼んできますね。」


そう言って、受付嬢はカウンター裏へと走っていった。その間にエルとルリが同時に聞いてくる。


「ご主人様?女神マルクとはどのような関係で?」


「ご主人様…女神マルクと…何かあったの…?」


グレムは口を開いた。


「女神マルクは()()の女神。人間たちを導く女神としては、人を()()とし、魔王軍を()とするだろう。俺の名前を知っていてもおかしくはない。だが、全く悪い事をした覚えがないのにその女神マルクに目をつけられるのは、正直言って、訳が分からない。何か女神の考えがあるのだろうか…。」


そう言っていると裏からギルドマスターと思われる女性が受付嬢と一緒に出てきた。銀髪のロングヘアーにメガネをかけている。そしてそのギルドマスターは頭をぺこりと下げてから言う。


「初めまして、グレム様。私はアイギス王国のギルドマスターをしております。『カナン・ドーラ』と申します。」


受付嬢が焦って言う。


「ギルドマスター!いくら何でもこの名前がグレムという方に頭を下げるというのは…」


ギルドマスターは受付嬢の言葉を遮って大声で言った。


「黙りなさい!!彼は過去に数々の国を救ってきた()()です!あのドラゴンをも3体討伐し、1体を撃退したという、ギルドにとって誇れるほどの素晴らしい方です!そんな方に女神様の信仰がいくらあろうとも、失礼をするようなことがあってはいけません!!」


受付嬢はそのギルドマスターの言葉に驚いた表情を見せた。恐らく、俺の事を何も知らなかったのであろう。ギルドマスターはそのまま呼びかけるように周りで話を聞いていた冒険者にも言った。


「あなたたちも!名前だけでこの方を批難するようなことをするのはまさに最低最悪!魔王と同じようなことをしているのと同じです!!この方を見習いなさい!!」


その言葉に冒険者はシーン、と静まり返った。グレムは言う。


「ドーラさん、もういいんです、仕方の無いことですから。」


「でも、これではギルドの面目が立ちません!このままではあなたは批難されて…。」


「いいんですよ、これから頑張って信頼を勝ち取ってみせますから。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よ。お気遣いありがとうございました。」


そう言ってグレムたちはギルドを出ていった。ギルドマスターは少し申し訳なさそうにしながらもカウンターの奥へと戻っていった。


受付嬢はグレムという名前とは裏腹なそのあまりの寛容さと優しさに心を奪われていた、そして、目を輝かせ、ギルドの入口を見て言った。


「グレム…様……素敵…。」





今日の宿屋を探して町を歩いている最中にエルが怒りながら言った。


「もう!!名前くらいであんなに酷いことをご主人様に!!どれだけご主人様が頑張って人を救ってきたと思ってるんですか!!」


「そう怒るなエル。しょうがないさ、魔王と名前が一緒どころかその本人なんだから…天罰なのかな…これが…。」


「女神様からの天罰だとしても…ルリは…それを許さない…!ご主人様を悪く言う奴は…みんな酷い奴…!」


そう言ってくれたルリの頭をグレムは撫でる。するとルリはその撫でている腕に擦り寄ってきた。あ〜癒される〜ダメになりそう。


「まぁ…これから徐々に信頼を勝ち取っていけばいいさ。いつも通り、明日からはクエストに行って、物凄い素材でも取ってきてやろう。」


「はーい!エル!賛成でーす!ギルドを驚かしてやりましょ〜!!」


「ルリも…賛成…!」


『えいえいお〜!!』


2人は笑顔で掛け声を合わせた。グレムはその2人の様子を笑顔で見ていた。内心では少し不安に思いながら…。





キィン!キィン!


正人は剣術の練習に明け暮れていた。相手はアイギス王国、最強とまで言われた軍隊長、バルムである。


だが、バルムは正人に押されていた。その様子を見て、最初、この異世界に来た時目の前にいた女の子…もといアイギス王国の王の娘の姫は言う。


「勇者様…さすがです…。我が国最強とまで言われた男をあそこまで受けに徹しさせるとは…。」


正人は剣を振りながら思っていた。あの女神が言った『加護』というのは凄いものだ。初めてなのに剣をこんなに上手く振れるとは思わなかった。しかも…相手の動きがまるで止まっているように見える…。これが…女神の力…!


ガキイィン!!!


バルム軍隊長は正人に剣を弾き飛ばされ、地面に腰をついた。そして剣を正人に突きつけられる。バルム軍隊長は手を挙げて言った。


「降参です…さすが勇者様…。失礼ながら、こんなにお強いとは思いませんでした。」


「いや、正直自分も驚いています…僕にこんな才能があったなんて…。」


正人はそう言ってバルム軍隊長を立ち直らせようと手を差し伸べる。


バルム軍隊長は「フッ」と笑った後に、その手を取り、立ち直る。そして言った。


「私を倒せるのであれば、もう練習相手はいませんね…。残るは魔王のみです…ですが奴の力は計り知れません。準備を万全にしていきましょう。」


「いや、でも、実践練習が1番練習になると思いますし、バルム軍隊長が良ければこれからも練習に付き合って欲しいんですが…いいですか?」


「ええ!勿論、私でよければいいですよ。」


「そうですか!ありがとうございます!」


そう言ってバルム軍隊長と正人は笑っていた。その様子を姫も笑って見ていた。


一体どんな奴なんだ…グレム…!この世界を脅かそうとする存在を…僕は絶対許さない!女神様の言う通りに…この世界をお前の魔の手から救ってやる!見てろよ!魔王グレム!

どうでしたでしょうか?


これからどう話が進んでいくのかかなり気になると思います…思いません…?恐らく第6章は今までの章の中で1番長くなると思われますのでそれだけ内容も詰まっています!とても読み応えのある章になると思うのでご期待下さい!


それでは、また次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ